ほんものの魔法使 (ちくま文庫)

制作 : 矢川 澄子 
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 215
レビュー : 31
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480421845

感想・レビュー・書評

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  • 魔術師達(手品師)が住む隔離された町に、本物の魔法使いが現れて、そのトリックを暴こうとする町の魔術師達。彼が本物だと判明したため追放しようとするが…。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      ギャリコの作品は、どれも優しさに満ちていますが、それだけじゃないところが好き。
      ギャリコの作品は、どれも優しさに満ちていますが、それだけじゃないところが好き。
      2012/10/17
  • “ただのアダム”という本物の魔法使いが、奇を衒ったり、大掛かりな幻想を仕掛けたりのエンターテナーが、本来の魔術師なのではなく、日常の中で見落としがちな何でもないことや、自然の中に本物の魔法が潜んでいることをさりげなく思い出させてくれます。愛とユーモア溢れるファンタジーの逸品でもあります。

  • 「おはなし」というのは、こういうものだなぁ、と。
    深い満足感の中で、しみじみと思います。
    Paul Galicoの「おはなし」は、やっぱり素敵です。

    Magic。
    その言葉は、タネも仕掛けもある「手品」を指します。
    観客を幻惑し、摩訶不思議なtrickで魅了してくれます。
    そんな「魔術師」の街マジェイアに、一人の若者が訪れます。
    彼の道連れは、もしゃもしゃと毛だらけで、言葉を喋る一匹の犬。
    そう、若者も"magician"なのです。
    しかし普通の"magician"ではなく、ほんものの"magician"。
    本当に、タネも仕掛けもない「魔法」の使い手だったのです。

    まずは、なんと言っても、ジェインとpicnicに出かける場面でしょう。
    誰もが持っていて、そこからは無限の魔法を導き出すことが出来る。
    けれど、なかなか気付くことが出来ない。そんな魔法の箱。奇跡の箱。
    アダムが、ジェインにその事を教えてあげる場面です。
    「ほんとうの魔法」とは何かを、丁寧に説明する場面です。
    静かに、ゆっくりと、感動が湧き起こってくるような、そんな素敵な場面です。

    そして迎える、魔術大会の本選。
    アダムが披露する「魔法」。
    Galicoが描くその場面は、幻想的なんて言葉では到底言い表せません。
    華麗で艶やかな、思わず息を呑むほどの荘厳さ。
    その風景を思い浮かべるだけで、読者の心は幻惑の霧に包まれます。
    そしてその後に披露される、豪華で皮肉な「魔法」。
    ほんの数頁の間に、物語は急展開します。

    繰り返しになりますが、これが「おはなし」だよな、と。
    副題として付けられている「罪のないお話」という言葉が的確に示すとおり。
    訳の素晴らしさも相俟って、とても上質なfantasyに仕上がっています。
    綺麗な言葉遣いと、流れるように滑らかな文章。
    含蓄もたっぷりで、心の滋養補給にもぴったり。
    非常に美しくて見晴らしの良い、爽やかな後味。
    読み終わったあとに、気持ちがふんわりと優しく、暖かくなります。
    どこを取っても一級品な、ほんとうに素敵な作品でした。

  • ファンタジーもの。
    ちょっと私には向いてなかった。
    おもしろいけどね。

  • あんまりピント来なかったみたい。内容が入ってきませんでした。

  • いわゆるいい話、ではない。大どんでん返しもない。手品師たちの街にやってきた「本物の魔法使」が、直接的に「魔法」を伝えたのは、少女ジェインだけだった。

    「たたなわる」とか「はろばろと」とか、古き良きなんだかどうかもわからん訳。「仰天斎」とかもう、稗田八方斎、以外で初めて聞いたよっていう。
    「殿(しんがり)を承った」もすごい。
    「椀飯振舞(おうばんふるまい)」とかほんとに!? 大盤振る舞い、ではなく!

  • 混じりっ気なしの誠実さ、
    アダムのように人を疑わず自分を偽らないこと、
    それは時として罪になり得るのだということ。
    そして最終的な解決方法がお金であるということ。
    清々しく夢のある世界だからこそ寂しさも募る。

  • 魔法モノのファンタジーは苦手だけど、
    ギャリコ氏なら、多分なにかを魔法使い(や周り)
    に投影しているのでは、と思って読んでみる。

    魔術(手品)が街と人を支配して、
    本物のバラさえない世界に現れた本物の魔法使い。
    魔術の街の人々が自分たちの枠組みを超えた存在に対して
    とった行動は、あまりにも魔術を創造、創造する人々とは
    思えない現実に囚われた狭量さ。
    「できる」「やってみせる」「あたりまえの魔法」
    自然や世界の不思議(魔法)と小さな箱に詰まった無限。

  • どこかに在るかもしれない不思議な世界。
    子どものころに読んだら、この魔法の都・マジェイアはそんな風に空想の愉しさを広げてくれたのではないかと思う。

    今の私は、ピクニックのお弁当の華やかさに、最も想像力を掻き立てられてしまいました。

  • ただの魔法

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