生きて死ぬ私 (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 422
レビュー : 49
  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480422187

作品紹介・あらすじ

歓びも悲しみも、そして眼前に広がる世界のあり様も-人生のすべては物質である脳の中の現象にすぎない。ならば、脳とは私にとっての牢獄なのか。脳内現象である人間の心とは何か。この難問に挑むには、自身の脳がとらえた世界をより深く「感じる」ことから出発する以外にない。本書は、怜悧な科学的知性と熱情あふれる文学的感性とを駆使して新たな世界像を描く試みだ。著者の純粋な出発点に位置する記念碑的エッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • 養老さんの本も好きだけど、茂木さんの本もいい。
    雑誌CREAの「セレンディピティ」の連載を見て思い出した。
    脳の話て幸せになるために必須ではないかと思います。

  • 茂木健一郎の本を初めて読んだ。TVに出演する氏を見ていて、なんか胡散臭い感じを受けていて、どんな本を書くんだろうという、興味から。
    脳科学などの話からやや逸れて、氏の若かりし頃の話など、なかなかおもしろかった。

  • 解説:内藤礼
    人生のすべては、脳の中にある◆存在と時間◆オルタード・ステイツ◆もの言わぬものへの思い◆救済と癒し◆素晴らしすぎるからといって

  • 科学もロマンもSFも、
    現実も妄想も宗教も。

  • 茂木健一郎が出す本には二種類ある。「です、ます調」のものと「だ、である調」のものだ。「です、ます調」のものは、脳科学や心理学など、世間の関心が高いことを平易な言葉で分かりやすく扱っている。一方で、「だ、である調」の本は、茂木氏の思想が全力で表現されている。

    僕は茂木氏の後者の本がとても好きだ。「脳と仮想」、「創造する脳」、そして「生きて死ぬ私」。どれもが僕の人生とは切っても切れない関係にある。

    「生きて死ぬ私」は茂木氏がまだ若い科学者だった33歳の頃に書いた本である。

    茂木氏は、科学者でありながら、ちょうど小林秀雄がそうであったように、人がこの世に生きることの切なさや哀しみ、そして歓び、といった科学で取り扱えない「魂のふるえ」に対して真剣に向き合っていた。

    「生きて死ぬ私」の中で茂木氏は、自分にとって切実な問題について、等身大の一人称で、素直な言葉で語っている。

    学生時代にうつになり箱庭療法をしたこと、貴重な蝶との奇蹟的な出会い、少年時代を共に過ごした友人の死…。どれもが科学では取り扱えない個人的な体験だが、かけがえのない体験には違いなかった。

    何かと世間を騒がせている茂木氏だが、彼の素直な文章を読むと、人間としての親しみを感じずにはいられない。

  • この当時の茂木さんと同じ年齢の自分。
    こんなレベルの高い文章を書けるのは流石茂木さんと言ったところなのか。
    と言っても難しくて中々入ってきにくい部分もあった。
    なんとなく理解しながら読めてはいたけど、「これ」と言ったなにかを吸収した訳ではなく、なにかジワジワ心に入ってくる、不思議な文章だった。
    あとがきでも書いてあった様に、今だったら売れてもおかしくないけど、これが昔のあまり知られてない頃の茂木さんだったらあまり売れないのかなと思いました。

  • 著名な脳科学者の著者が、「生と死」や「自己」といった哲学的なテーマについて語ったエッセイ集です。

    本書を刊行したとき、著者がまだ33歳の若さだったと知って驚きました。科学者が本書のようなテーマに手を出すのは、すでに老境に差しかかった証拠なのではないかという、漠然とした印象を持っていたのですが、まだ若手の研究者だった著者が、自分の取り組んでいる問題を哲学的な思索と絡めて見なおそうとしていたというのは、やはり著者の抜きん出た資質を示しているのではないかという気がします。

  • 私の心の中で起こることのすべては、私の脳の中で生じるニューロンの発火によって引き起こされている「脳内現象」にすぎないー

    この命題に途方もないロマンチックさを感じた。

  • 脳科学でおなじみの茂木健一郎さんのエッセイ(?)
    科学者としての専門的なことから離れて、一人の科学者として、普段感じたこと見聞きしたことについて。問いかけるように考察を深めてゆく。そのアプローチは科学者らしく、また、自分の研究ともうまく絡めていて、科学に哲学という考える立場がいかに必要かということを教えられた。
    しかし、前提として、死んでしまえば終わりだとか、生きているからいいというような態度が随所にみられているのが残念だった。
    池田晶子さんが言うように、なぜ生きることはよいことなのか、そもそも生きるとは何なのか、死ぬとは何なのかという非情な問いがもっと追求されてほしいと思った。

  • 人間の心は脳内現象にすぎない。
    人は誰でも幸福になりたい、という。だが人の心に去来する様々な陰、ひだを見る時人生が幸福の条件を客観的、合理的に整備していくというのは割り切れない側面を持っていることは確か。芸術はそこのところを上手く紡いでいる。
    人間の意識は一度に一つのものしか選択できないし認識できない。
    宗教的天才はまだ登場してきたことがない。
    生きることはメタ価値である。死んでしまったらおしまい。

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著者プロフィール

1962年東京生まれ。東京大学理学部、法学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻課程修了。理学博士、脳科学者。

「2020年 『眠れなくなるほど面白い 図解 脳の話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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