出版業界最底辺日記: エロ漫画編集者「嫌われ者の記」 (ちくま文庫 し 26-1)

著者 :
制作 : 南陀楼綾繁 
  • 筑摩書房
3.53
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本棚登録 : 118
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480422354

作品紹介・あらすじ

エロ漫画界にその名を轟かす凶悪編集者のルサンチマンにあふれる叫びを聞け-。手抜き仕事の漫画家を怒鳴りつけ、いつも指定を間違える印刷所の営業マンを教育し、大手のたるみ切った社員編集者を罵る。不条理な業界構造に下請けの意地で対抗する。東京都の不健全図書指定にもめげず、出版業界の最底辺を突っ走ってきた男の、毒舌と皮肉に満ちた血闘記録。

感想・レビュー・書評

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  • エロ漫画編集者による、1990-2005年の連載日記。
    凄い罵倒のオンパレード。語彙が豊富なので、江戸っ子の啖呵よろしくちょっと爽快感がある。自分が言われたら堪らないだろうが。
    「マンガはなぜ規制されるのか」で読んだ不健全図書指定の裏側など、取り締まられる側ならではの視点。またアダルト系のコンテンツは、紙からネットへの移行が一番急激だったもののひとつだろう。当事者ならではの述懐、いくつか引用など。
    ・「ロリコン漫画の初期は、警視庁保安課の呼び出しも、都条例の不健全図書指定も皆無。チェックしてなかった訳ではなく、劇画世代のお役人連中にゃ、エロとしての実感がわかなかったのだ」(p223)
    ・90年代始め、エロ漫画がマスコミで最も騒がれ叩かれていた頃には、かえって売れたのだそう。
    ・出版社の書店営業の話。「バタバタ閉店してるよ、エロ本扱う小さい書店は。特に"ブック・オフ"がある所は全滅」(2002年の記述、p273)
    ・単行本を出した漫画家が原画に固執することへの批判。
    ・2004年にはネット配信の話題あり(p308)

  • エロ漫画雑誌編集者が雑誌で連載していた日記。1990年から2005年の日記を再編集。「成年コミック」条例などの規制騒動の影響が色濃く、日々の悪戦苦闘が面白い。著者の悪口芸が冴えまくる。ただの悪口でももっともらしさと言い回しに変化があり人には真似できないなと。癖のある人物が多数登場してくるが、聞いたことのあるエロ漫画家の名前や作家がいろいろでてきて嬉しい。高レベルの読書家で本を選ぶセンスと読書量に惚れ惚れする。こうありたいものだ。

  • 手元に2冊あるこの本。さらりと出てくるエロ漫画家の名前に覚えがあったりして、90年代当時のエロ漫画業界はこんなのだったのかとフムフムできる一冊。

  • ご自身含めて全方向に毒舌皮肉を吐き続ける様は、いっそ清々しい。
    また、世紀の狭間の業界の動きを追体験できるのも面白かった。
    2005年で途切れているけど、是非続きも読んでみたい。

  • 39098

  • 編:南陀楼綾繁、解説:福田和也

  • 2006年7月10日、初、並、帯無

  • 毒気と雑多感がくせになる。ゆっくり読み進めたい本、一気に読んだけど。こんだけ長いスパンでいっこの業界みてみると変わるとこは変わるし、変わんないとこはまんまってのがよくわかる。

  • 2012/2/21購入
    2012/8/4読了

  • 悪口の切れのよさ。下請けの過酷さ。

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