分別と多感 (ちくま文庫)

制作 : Jane Austen  中野 康司 
  • 筑摩書房
3.83
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本棚登録 : 379
レビュー : 59
  • Amazon.co.jp ・本 (535ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480423047

感想・レビュー・書評

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  • 感情豊かなマリアンと、
    何事にも理性的で公平な心を持つエリナー。

    ありふれた恋や日常といった題材で
    これほどに人間の美点・欠点、人間関係における
    問題点や思考の問題を浮き彫りにするなんてと、
    まさに多感なる女性の代表格として登場する
    メアリーのように高揚した読後。

    200年もの時代の違いや国の違いはあれど、
    そう変わることのない人間の性質や悩み。
    誰しも欠点もあり美点もあること、
    自分の知り得る思考や知識だけで物事を
    理解したつもりになることの危うさ。

    夏目漱石が写実の泰斗であると
    評価するのも納得の見事な人間描写と、
    日常を読ませながらも読み手を退屈させない
    非凡なるオースティンの文才。

    目の前に映像のように広がる2人の女性の
    恋の喜び、悲しみ、苦しみに魅了され、
    本を読むことの醍醐味を存分に味わった時間でした。

    • nejidonさん
      あやさん、おはようございます♪
      素敵なレビューですね。
      これ、未読です。
      好きな作家さんのはずなのに、なんてことでしょ!
      それに、そ...
      あやさん、おはようございます♪
      素敵なレビューですね。
      これ、未読です。
      好きな作家さんのはずなのに、なんてことでしょ!
      それに、それに、好きと言ったところで「高慢と偏見」と「エマ」の二冊を読んだことがあるだけ(笑)。
      この本は、「いつか晴れた日に」という映画の原作ですよね。
      漱石が「写実の泰斗」と評価していたのですね。私も納得です。
      う~む、時間がほしい。でもなんとか探してみます。
      2014/05/30
    • 山本 あやさん
      nejidonさん♡

      分かります!![*゚ー゚*]
      読んだ本が10冊だろうと、1冊だろうと、
      この作家さんが大好きって思う気持ち。...
      nejidonさん♡

      分かります!![*゚ー゚*]
      読んだ本が10冊だろうと、1冊だろうと、
      この作家さんが大好きって思う気持ち。
      たとえ本がすべて好きではなくても、
      やっぱりその人の視点の先にあるものに
      嫌いなものはないんですよね[*´▽`*]♡

      きっときっとnejidonさんの大好きな世界が
      いっぱい広がってると思います。
      いつも通り、人間の悪い部分もリアルに
      ごっそりそのまま露呈してます[笑]

      良いも悪いもどちらもあって人間で
      それを含めて人間って面白いなぁって
      魅せてくれるジェイン・オースティンはすごいですよね。
      さすが漱石様、お目が高い♡[笑]

      「分別と多感」もいろいろとドラマにも映画にも
      なってるからすべてとり揃えて見比べしたいですね~♡
      2014/06/02
  • 初期の作品だということもあり、18世紀末から19世紀初頭にかけて、「理性の時代」から一転「感情重視」の時代になったことをテーマにした今作品の登場人物はそれぞれが「理性」か「感情」のどちらかのアーキタイプになっているように思う。
    残念なことに、シナリオには納得がいかない。また、主人公のエリナーは「ノーサンガー・アビー」のエリナーとは反対に、私は好きになれない。主人公だけではなく、エドワードやウィロビーもそうで、彼らの言動や、それに対するエリナーらの同情と最後の結末は、理解しがたい。

    ただ、それでも読み進めてしまうオースティンは見事だ。私は、毎回オースティンの小説の注釈が勉強になって好きだ。「マンスフィールド・パーク」とどっちがより面白くないかとちらりと疑問に思った人は私の他にいるだろうか? どっちもどっちなのだが、敢えて面白くない作品同士を比較し順位を付けるのは、誠に無意味なのでこの疑問は忘れることにした。

  • おもしろかったけど、映画のほうがファンタジーよりになってて、小説のほうがよりリアル。ロマンチスト妹の悟りとか。おねぇちゃんは本当によかったです。

  • 高慢と偏見、エマ、に続きこちらも読んだ。デビュー作(?)ということで、言われてみれば『エマ』より練られてない所もあるかも。こういう奴いるわーというのを過剰に戯画化した人物描写が毎度楽しい。
    人間模様と会話を楽しむ小説だから、筋を知っていても何度も読み返して楽しめる。

  • オースティンの「高慢と偏見」
    翻訳読み比べばかりしていないで
    他の作品も読もう週間

    ストーリーは、
    「主人公が紆余曲折ののち、結婚する」と言う
    他のオースティンの作品と粗筋で言えば同じ~

    ただ、今回は
    オースティンの作品で必ず現れる素敵な殿方、
    アン・スティールの言葉を借りれば
    魅力的な「伊達男」があらわれないのが残念!

    主人公エリナーが選んだ人は
    はっきりしないモジモジモジ男で、
    この人のどこが良いのか、
    最後までさっぱりわからなかった!

    しかもモジ男の母親は意地悪、
    お姉さんもいけ好かないケチ女、
    弟は気障な鼻持ちならない奴、
    弟の嫁も嫌らしい性格、
    と来たら、結婚後についてなんだか嫌な予感しか
    しませんが…
    モジ男もあんまりお金も無いし…

    この作品は翻訳読み比べしなくても大丈夫そう~。

    オースティン作品で私の好きな順位、
    1位はダントツで「高慢と偏見」
    2位は「マンスフィールド・パーク」
    その後の順位はちょっと考えさせて~
    と言うかんじだけれど、6位はこれかな。(ごめんね)

  •  『分別と多感』は二人の姉妹による物語である。「分別」を持つ姉と「多感」な妹によって繰り広げられる恋愛小説である。彼女らの恋愛を多彩な人間関係による紆余曲折を経ながらがいていく作品である。
     ジェイン・オースティンの作品の説明については他の彼女の記事で描いた通りである。描かれるのは恋愛でありそこには思想的な、あるいは小説家としての目新しい技法や描写があるわけではない。平凡と言えば平凡な恋愛小説だが、なぜか読んでいて陳腐さは全く感じない。思想的に円熟した人間が読んでもついつい続きが気になってページをめくってしまう面白さがある。この作品もまたそうであり、分量は比較的多いが、文学愛好者にもお勧めできる作品なのは間違いないと私は胸を張って言える。
     
     この作品をジェイン・オースティンの他の作品と比較して述べる場合、だいたい彼女の六作ある作品のうち、3つめか4つめに好きな作品である、と考える。個人的にいえば彼女の作品を全部読んだ後、本作を読むとややマンネリ気味だったことは否定できない。やはりどれも恋愛小説で、最終的には婚約してハッピーエンドを迎えることになるという筋は大体一緒だったので、本作のラストに至って「またか・・・・・」という感想を抱いたことは事実である。しかしながら、その部分に目を瞑ればやはり本作も魅力をもった作品であることは間違いない。3,4番目というのもあくまで彼女の作品の中で、ということを頭に入れておいていただきたい。
     
     今作の魅力となるのはやはり、性格がある意味正反対と言える二人の姉妹によって紡ぎだされる物語ということであろう。恋愛にはしゃぐ妹がどのような結末を迎えるのか、彼女の打ちひしがれ姿をみれば例え少女とはいえ恋愛経験を持つ者がこの作品を読んだのならば同情を禁じ得ないだろう。分別の持つ姉の恋愛も癖のある人間に囲まれながら、騙された恋愛はどのような過程を経てどのような結末を得るのか、ついつい気になってしまうはずであり。一人の恋愛ではなく二人の恋愛を描くことがポイントなのだろう、と私は考える。
     
     二人の姉妹の性格が何よりも読み手を引き込む。そこには未熟さはあるだろうが、いやらしさというのとは無縁であり、どこまでも澄んでいる。その澄具合がこの作品の魅力を一層輝かせ、読んでいる読み手は心地よいプールで泳いでいるような感覚になるのではないか。無論、主人公を描く際、それは読み手にとって好感を持つものでなければならないのは当然だが、その主人公がこれだけ「澄んでいる」というのも中々に珍しい。作者の手腕を大いに褒め称えたいところだ。

  • 【ジェーンオースティン祭り4冊目】
    分別のエリナーと多感なマリアン。この対極な姉妹が紆余曲折の上結婚に辿り着くまでの話。結論は予想されてはいても、疾走感タップリで、どうもっていくのか今まで一番ハラハラ。おしゃべりで想像力を駆使しすぎてゴタゴタを生じさせるけどひたすら善人のおばちゃん、人にとりいり操作しまくり自分をうまくもっていくのに長けまくったお嬢さんなど、脇役の描写もはじけまくりで魅力的。あと2冊しかない・・

  • 人間の感情の機微を描くことにおいて天賦の才を持つ作家ジェインオースティン。現代でも作品の魅力が全く色褪せないからすごい

  • ウィロビー、エドワードの最後のどんでん返しには首を傾げたくなるけれど、メロドラマ的にはドラマチックな展開と言えるのだろうけど、ちょっと現実味が薄かった。
    エリナーの分別、マリアンの多感さを際立たせるためのキャラクターとして生み出されてしまったのかもしれない。
    感情移入はしにくいけれど、展開としては飽きさせなかった。

  • 内容はおもしろかったのですが、日本語訳が親しみやすさを出そうとして、中途半端にくだけた言葉をえらんでいたのが残念だった。

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