- Amazon.co.jp ・本 (364ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480423139
感想・レビュー・書評
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売れる本をカテゴライズして分析・レビューした小気味いい内容。思わず吹き出してしまったり、苦笑いしてしまったり...。そこまで扱き下ろす? これは持ち上げちゃうんだ...。直球と変化球の組み立てが絶妙で、読者から三振の山を築くこと必至!
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(2023/06/17 3h)
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斎藤美奈子氏による書評本
刊行されたのは20年ほど前
古いのだが、対象をベストセラーとしているところが面白い
話題になっているけど身銭を切ってまで買いたくない本を代わりに読みます、と言うスタンスも拗らせた読書人には惹かれる
取り上げられた作品個々の評価は好みがあるので特に触れないが、作品を論じる際にその時の社会情勢や流行りを取り上げている視野の広さに好感が持てる
出版業界の観点だけでなくサブカルチャー的に時代を平面として切り取っているのが面白い -
そっか、普段本を読まない人が読むから、ベストセラーになるんだ。
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2022神田古本祭りで購入。読みやすそうなので200円で手に入れた。ベストセラー本を酷評しながらも、なぜそれを買ってしまうのかなど批評。本の時代背景を知る意味で良かったのか。
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忖度なし文芸評論家斎藤美奈子さんが1999.7~2002.10四十数冊のベストセラー本を読書しない人に代わり読み紹介してくれる。飯島愛、梅宮アンナ、石原真理子、大橋巨泉などのほとんど忘れ去られたタレント本達。日本語練習帳、買ってはいけない、動物占いなどのブームとともに去っていったもの。大河の一滴、鉄道員、東京タワー、模倣犯海辺のカフカも、永遠の仔なども
今後20年後残れるかは微妙そうです。 -
独身の頃に読んだ斉藤美奈子さんの本ってすごくおもしろい!と思っていたのですが、40を過ぎてから読むにはこの人の文章はアグレッシブすぎて、ちょっとしんどい気がします。
また、ベストセラーの書評って新鮮な間に読まないと面白くないから、書籍になってずいぶん経ってから読んでも・・・
ということで、途中でやめちゃいました。ごめんなさい。 -
世の中にはベストセラーを読む「善良な読者」と、「あんなものは読むに値しない」と呟いて書斎にこもる「邪悪な読者」がいる。前者が注目する本は100万部も売れる一方、後者が注目する本は1万部売れるかどうかだそうである。
「邪悪な読者」のために文芸評論家斎藤美奈子がベストセラーを代読し、褒め称えたり扱き下ろしたりしてくれたのが本書である。
大野晋『日本語練習帳』の小難しいクイズと旧制高校的茶飲み話に音を上げ、『動物占い』がサラリーマンの間で流行した理由を読み解き、エセ科学本を完膚無きまで扱き下ろす。そう、立ち読みで済ませてしまいそうな本をザッと眺めることのできるとっても楽しい読書体験である。
ちなみに、それなりに読書しているつもりの自分が(立ち読みでなく)読んだ本は『海辺のカフカ』と『声に出して読みたい日本語』ぐらいのもの。自分はどうやら「邪悪な読者」に属するようだ。 -
まさに立体的な読書、とでも言うべきか。書いてある内容をただただ「ふーん…」と読み飛ばしていくのではなく(こうなりがちな気がするけど)、これでもか!?というほど各所にメスを入れていく。この好奇心、探究精神こそが知性に繋がるんだと思うし、記憶に残る読書になるんだと思う。時に割と身も蓋もないような言い方もこの本の中にはあるんだけど、いいんですそれで。それが面白いし、新たな発見というか、時に自分の"痛さ"に気付かせてくれたりもするから。
例えば『五体不満足』だったり『だから、あなたも生きぬいて』だったり、世間の評価に流されて結局「なんかいい本だったな」ぐらいの感想しか持たず終わってしまうということも割とありがち。だからこそ、斎藤美奈子氏のように率直に自分の感想を持つ読書というのははなかなか貴重だ。
近頃の若者は本を読まない、なんて言うけれど、自分の考えや在り方を補強してくれるような本ばかり読んでると、なんだかとんでもない"勘違い野郎"になってしまいそう。それだったら本を読まなくてもそんなに変わらない。面白くない本でもそれはそれでどこかに楽しさがあるかなー、いろんなジャンルを読むのも楽しいかなー、なんてことをこの本は思わせてくれる。 -
いやあ、おもしろかったわコレ。
新聞の書評を読むのは大好きで、どれも面白そうに書いてあるんだけど、読むと「?」ということも多々あった「邪悪な読者」な私には非常にツボでした。
斎藤美奈子ハマりそうー^^