エドガー・アラン・ポー短篇集 (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
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レビュー : 20
  • Amazon.co.jp ・本 (287ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480423214

感想・レビュー・書評

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  • 「エドガー・アラン・ポー、五フィート八インチ、目は灰色、髪は褐色。彼は人間のもっとも根源的なものについて書いた」(訳者解説「熱と虚無――エドガー・アラン・ポーとは何か」)
    西崎憲編訳の七篇。薄めの選集だが小伝と解説も読みごたえがあって充実の一冊。死に瀕した男に催眠術を施す「ヴァルドマール氏の死の真相」は初読。研究者受けは良くないそうだが面白かった。また暗黒燦めく「赤き死の仮面」はゴシックの極み。ポーは色々な翻訳があるので読み比べるのも面白いと思う。西崎訳は古めかしい言葉が磨き込まれ、スタイリッシュな印象を受ける。

  • 「黄金虫」と「モルグ街の殺人」を小学生のころに読んだ記憶がうっすらとあるのだが、読書を再開してからは初ポー。彼の文体は評価が分かれるようだが、私には合っていた。ほかの作品も是非読んでみたいと思う。

  • ポーって40才で亡くなってたんですね…。

  • 20120615いま読んでる
    「江戸川乱歩」はポーをもじって付けた名前だというので、この人も乱歩みたいに探偵小説家なのかと思っていた…こんなおどろおどろしい話を書いていたのだね。
    20120618読み終わった

  • 予備知識なしで読んでいった。
    「アッシャー家の崩壊」と「ヴァルドマール氏の死の真相」なんかは文章の凄味が感じられるようでよかった

    だけど…これはポーの持ち味なのか、翻訳の具合なのか、
    日本語にちょっと違和感を感じるところがあったような気もして、
    さらに解説のほうでも「ん・・?」と思うところがあって

    さらにポーは翻訳者いわく、修辞に特徴があるようで
    はたしてこの1冊だけでポーを楽しんだことになるのか
    他の翻訳と読み比べ、はたまた英語版を見てみるべきか?

    ここまで「うー」となったことはいままであんまりないかも・・・個人的には翻訳のせいかな・・?と思うのですが。

  • 表紙が何処ぞの本といつしょだ。

  • エドガー・アラン・ポーは、黒猫ぐらいしか読んだことが無かった。それも高校生ぐらいの時に読んだので、暗いという印象しかない作家であった。

    そして、本を読んだ感想は・・・。
    正直、大して印象が無い。おもしろかったけれど、それ以上ではない。
    若干うまく書かれたホラー小説を読んだ感じ。

    あとがきによると、ポーの評価は、国によってまっぷたつにわかれるらしい。

    イギリスやアメリカでは、「子供の書いたストーリー」とか「気味が悪いだけ」などの酷評を受ける反面、日本やフランスでは高い評価を受けている。映画の傾向などを見るとわからないでもない。白黒割り切ろうとする英米人と、割り切れない感覚がすきなフランス人や日本人。

    ポーの作品は、心の中に帰結しているものが多いように思う。いろいろな事件が起こっているように見えて、実は自分ヒトリの心の中だけで事件が起こっている。恐怖に駆られて殺人を自白したり、妄想に取り付かれたり。

    私にとっては、このような作風はもはや見慣れたものであり、題名を見るだけで内容がわかってしまった。これは、ポーのせいではないかもしれない。その後の多くの作家が彼の作品を真似、影響を受けた結果ともいえる。現に、この短編集を読んだだけで、いくつかの小説や映画が頭に浮かんだぐらいである。そういった意味では、ポーの偉大さは彼の作品の中にあるというより、その影響の中にあるのかもしれない。

  • ポーの短編集。

    聞いたコトがある作品が多いですが
    読むのは初めてのモノばかりでした。

    どれも怪奇的な要素が織り込まれてて
    面白かったです。

    • タンパさん
      タンパよ。エドガー・アラン・ポーかぁ。
      多分「落穴と振子」っていうのが、あしたのジョーに出てきて気になって読んでみたら、そのシーンの情景がよ...
      タンパよ。エドガー・アラン・ポーかぁ。
      多分「落穴と振子」っていうのが、あしたのジョーに出てきて気になって読んでみたら、そのシーンの情景がよく感じらて嬉しかったです ♪
      2011/01/11
    • クーコさん
      タンパさん>おぉぉ☆ブクログ始めてはったのですね(^∀^)ノ ミステリー好きな割にはあんまり海外作品読まないんですよね;『落し穴と振子』も読...
      タンパさん>おぉぉ☆ブクログ始めてはったのですね(^∀^)ノ ミステリー好きな割にはあんまり海外作品読まないんですよね;『落し穴と振子』も読んだコトないなぁ・・・今度探してみます♪♪
      2011/01/11
  • エドガー・アラン・ポーの短編集。
    なぜかこの人の文には惹きつけられるものがある。

    以下ネタバレ。

    黄金虫 ★★★
    黄金の虫を見つけたことから発展してキャプテンキッドの宝を見つけ出すといったストーリー。冒険心からワクワクさせられる。暗号の解き方や骸骨を利用した宝のありか探しなど描写が面白い。

    ヴァルドマール氏の死の真相 ★★★★
    人の臨床の際に催眠術をかけたらどうなるかという話。最終的に死んでいる体から催眠術を解くと体が腐っていく。なんというか発想と描写に脱帽。

    赤き死の仮面 ★★★
    世の中には悪疫「赤き死」が蔓延していた。そこでプロスペロ公は千人を宮廷の中に住まわせ、宮廷には高い城壁などを用いるとして閂をかけた。外イコール赤き死だった。公は千人のために仮装舞踏会を開いた。衣装は公の趣味でグロテスクであるべし。しかしその中でも差し置いて目立つ男が現れる。その男は赤き死を仄めかした衣装を着ている。その男はダガーで公を殺害する。客たちはその男の衣装を剥ぎ取るとそこには何もなかった。そして赤き死が覆いつくすといったストーリー。なんとも頭の中に様々なそれぞれの映像を描ける作品である。

    告げ口心臓 ★★★
    狂っていると思われている(読者やその世界にいる周りの人々に)と思っている男の話。男は老人を殺す決意をする。辛抱強く老人を殺し、片付けも三枚に下ろすなど冷静だと語る。しかし警察官などが来ていいわけも完璧に話すがある音が聞こえてくる。心臓の音。それは次第に大きくなり、男は床の下にある心臓の音だ!と警察官に話す。彼が聞いていたのはまぎれもなく自分の心臓の音だ。確かに狂っていない。

    メールシュトレームの大渦 ★★★★
    モスケシュトレームに巻き込まれた男の話。こんなのは見たことなかった(私の経験が少ないのもあるが)。なんだか渦の中にいる気分。

    アッシャー家の崩壊 ★★★★
    優秀な血統のアッシャー家のロデリック・アッシャーは気を病んでいた。そこで古い友人の男を呼んで憂鬱を解消してもらおうとする。アッシャー家は代々一つの死に方をするという。そしてそれは自分の身に近いと。館にはレディー・マデラインという病持ちの妹がいて彼女がアッシャー家最後の一人になるとアッシャーは言う。しかしマデラインは亡くなってしまう。アッシャーと男はアッシャー家の風習に従って一時的に安置しにいく。アッシャーの精神興奮は次第に強まっていった。そしてある日アッシャーはついにそこまで来ている、聞こえないのかと呪文のように力強い言葉で話し出す。そこにはマデラインの高貴な姿があった。そしてアッシャーの上に倒れこんでアッシャーの死も確実だった。男は逃げ出す。するとつむじ風によって立派なアッシャー家は崩壊するのだった。館から浮かび上がる情景。アッシャー家の先行きが見えない暗雲立ち込めるような空気。そしてすべてが崩壊する。詩的な話だ。

    ウイリアム・ウイルソン ★★★
    同姓同名のウイリアム・ウイルソン(仮名)に苦悩する話。大学時代でもどこでも彼は嫌がらせしてきた。最終的に仮面舞踏会で剣の勝負をし、主人公のウイルソンはもう一人のウイルソンを殺す。しかし彼は近づいてきてこう言う。「おまえは勝利を得た。そしておれも屈服した。しかし、いまおまえもまた死んだのだ。(中略)これはおまえ自身だ。なんと完全にお前はお前自身を殺したことか」と。本当の敵は己です。

    ポー小伝・熱と虚無 ★★★★★
    酒におぼれ、人の話を辛辣に批評し、恋多き男で、謎の死を遂げたポー。彼の波乱万丈な人生を語るにはこのページ数じゃ少なすぎるだろう。そのため年表のような感じになっているのは少し残念だが、それにもましてポーの人柄にひきつけられる。彼は決して人格者ではない。そこもいい。もっと生きていてほしかった。長生きした晩年にポーの書いた作品を見てみたかった。

  •  新訳で読むポーの短編。
     *黄金虫
     *ヴァルドマール氏の死の真相
     *赤き死の仮面
     *告げ口心臓
     *メールシュトレームの大渦
     *アッシャー家の崩壊
     *ウィリアム・ウィルソン

     どれも有名な作品なので、今更なんだが、新訳ということでちょっとイメージが違う。
     昔読んだのは、いかにも恐怖小説という感じだったのだが、今回のだと人間心理を描いたむしろ理的な感じを受けた。
     訳ってやっぱり、影響が大きいもんですな。

     表紙が松井冬子の「完全な幸福をもたらす普遍的万能薬」で、これがすごくあっていて、怖い。
     本の表紙って、やっぱり本の顔ですな。

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著者プロフィール

1955年生まれ。青森出身。作家、翻訳家、アンソロジスト。音楽家、音楽レーベル主宰。文学ムック『たべるのがおそい』編集長(書肆侃侃房、7号で休刊)。日本翻訳大賞選考委員。歌人(フラワーしげる)。電子書籍レーベル〈惑星と口笛ブックス〉主宰。趣味はフットサル。著書に『世界の果ての庭』(第14回ファンタジーノベル大賞受賞、新潮社2002年、創元SF文庫2013年)、『蕃東国年代記』(新潮社2010年、創元推理文庫2018年)、『ゆみに町ガイドブック』(河出書房新社・2011年)、『飛行士と東京の雨の森』(筑摩書房・2012年)、『全ロック史』(人文書院、2019年)ほか。

「2020年 『未知の鳥類がやってくるまで』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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