魔法の庭 (ちくま文庫)

制作 : Italo Calvino  和田 忠彦 
  • 筑摩書房
3.48
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本棚登録 : 137
レビュー : 16
  • Amazon.co.jp ・本 (201ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480423511

作品紹介・あらすじ

「ジョヴァンニーノはセレニッラと遊ぶのが大好きだった。ある日二人は噴水にプールに並木道がある、大きなお屋敷の庭に迷い込んだ。何もかも素敵に見えたが、そこには魔法のような、昔犯した悪事のような恐怖がたちこめていた」(「魔法の庭」)。アルプスの自然を背景にどこか奇妙な、青年警官、若い犯罪者、無能の猟師など、大人社会のいわゆる"異物"をユーモラスに描いた11編を収める。

感想・レビュー・書評

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  • 子供が抱く子供ならではの強迫観念、残忍さがシンプルな語り口ながら豊かに描かれる。戦争というものが、日常見る夢のようで、それがかえってリアルで、滑稽ながら常にどこか寒々しさを感じる。作者カルヴィーノへの興味が更に湧いた。

  • 原書名:(Calvino, Italo, 1923-1985)
    蟹だらけの船◆魔法の庭◆不実の村◆小道の恐怖◆動物たちの森◆だれも知らなかった◆大きな魚、小さな魚◆うまくやれよ◆猫と警官◆菓子泥棒◆楽しみはつづかない

    著者:イタロ・カルヴィーノ(1923-1985)
    訳者:和田忠彦(1952-)

  • 2008年10月24日~28日。
     短編集。凄く面白い作品と、そうでも無い作品の差が大きかったように感じた。

  • 短編集。「魔法の庭」というタイトルのイメージだけでファンタジー系かなと思って読み始めたらそうではなかった。やたらとパルチザンが出てくるし、戦争中というかファシズム政権下の農村が舞台になっているものが多く、日常の中のちょっとした違和感からくる不穏さや恐怖心などを描いたものが多かった印象。そんな中でもそれなりに子供たちはのびのびしているのが救いだけれど、楽しく遊んでいてもふと現実に引き戻される瞬間の寂しさや、「うまくやれよ」のような、子供のうちからすっかりクズみたいな子も戦争中は出てきちゃうんだよなあとしょんぼりもする。

    「動物たちの森」はやっぱり戦争中の話ながら、民話的な展開でホッとした。金銭めあてで泥棒に入ったのにお菓子やケーキがいっぱいでそっちに夢中になっちゃう「菓子泥棒」は、ケーキの上で転げまわりたいとか甘い物好きとしてはわかるわかる!と思う反面、実はケーキなんて庶民の手にははいらないくらい貧しく厳しい時代背景を考えるとやっぱりちょっとしょんぼりしてしまうのでした。

    ※収録作品
    蟹だらけの船/魔法の庭/不実の村/小道の恐怖/動物たちの森/だれも知らなかった/大きな魚、小さな魚/うまくやれよ/猫と警官/菓子泥棒/楽しみはつづかない

  • 途中放棄

  • 「ジョヴァンニーノはセレニッラと遊ぶのが大好きだった。ある日二人は噴水にプールに並木道がある、大きなお屋敷の庭に迷い込んだ。何もかも素敵に見えたが、そこには魔法のような、昔犯した悪事のような恐怖がたちこめていた」(「魔法の庭」)。アルプスの自然を背景にどこか奇妙な、青年警官、若い犯罪者、無能の猟師など、大人社会のいわゆる“異物”をユーモラスに描いた11編を収める。

  • ロダーリやブッツァーティなどを読んで、イタリア文学が気になりだしたので、イタリア文学界の巨匠カルヴィーノの初期短編集を。この中では「菓子泥棒」が好きかな。ほかの作品も読んでみようと思う。2013/113

  • 自然や日常風景の描写がきれいで繰り返し読んでしまう。遊ぶ子が無邪気さを失う一瞬をもちながらも再び遊びの中に戻っていくしなやかさが感じられる表題作「魔法の庭」「楽しみはつづかない」、背景にあるのは物資不足の生活苦なのにドタバタ喜劇のような「動物たちの森」「菓子泥棒」などどれも好き。佳作揃いの短篇集。

  • カルヴィーノといえば実験的な作風が思い浮かんでしまいがちだが、本作は白い雲、青い海、可愛い子どもたちがよく映える佳作が揃っている。清々しい一冊。

  • 池袋ジュンク堂の『ちくま文庫 在庫僅少本フェア』で購入したカルヴィーノの短篇集。
    戦争やパルチザン体験をモチーフにしたものが多いが、何処か明るいのは文中の自然描写が美しいからだろうか。特に『大きな魚、小さな魚』の海の描写がいい。
    他に『小道の恐怖』と『菓子泥棒』が好み。

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著者プロフィール

1923年キューバ生まれ。両親とともにイタリアに戻り、トリノ大学農学部に入学。43年、反ファシズム運動に参加、パルチザンとなる。47年、その体験を元に長篇『くもの巣の小道』を発表、ネオ・リアリズモ文学の傑作と称される。その前後から雑誌・機関誌に短篇を執筆し、49年短篇集『最後に鴉がやってくる』を刊行。エイナウディ社で編集に携わりつつ作品を発表、一作ごとに主題と方法を変えながら現代イタリア文学の最前線に立ち続ける。主な長篇に『まっぷたつの子爵』(52年)『木のぼり男爵』(57年)『不在の騎士』(59年)『見えない都市』(72年)『冬の夜ひとりの旅人が』(79年)などがある。85年没。

「2018年 『最後に鴉がやってくる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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