大人は愉しい (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
3.46
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本棚登録 : 180
レビュー : 16
  • Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480423559

作品紹介・あらすじ

何かと共通項の多いふたりの大学教授。ほぼ面識のないままメル友となり、芦屋と鎌倉でかわしつづけた交換日記。他者、ネット、映画、教育、イデオロギー、家族、身体、天皇制…深くて重いテーマでも、軽妙洒脱に語り合う。同意してかつナアナアではなく、対立してなお生産的。論じる内容の豊富さもさることながら、大人のコミュニケーション・テクニックを学ぶにも最適の一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 2016/11/21

  • 「書くこと」
    「インターネット文責」
    「父」

  • 内田樹と鈴木晶の往復書簡です。日本の母性の問題や教育問題が中心的なテーマとして取り上げられています。

    内田は「はじめに」の中で、「本書で私は、鈴木晶さんという対話の相手を得ることがなければ決して口にすることがなかったような種類のことを語っている」と述べていますが、個人的にはこれまでの内田の著書で読んだ内容から、それほど大きくかけ離れていないように感じてしまいました。ただ、対談相手の鈴木が精神分析を専門にしているということもあってか、日本の母性をテーマにした議論では、精神分析学的な言い回しが多く用いられているところに、多少新鮮さを感じました。

  • 内田樹と鈴木晶がネット上で交換日記してる本。映画、家族論、教育論etc…おお!と思う議論ももちろん随所にあるが、とにかく話題があっちこっちに行ったり戻ったりして、「よくわかんないけどこの人たち愉しそうだな」て感じが良かったです。共著はこれだから面白い。

  • 60
    「サスペンス映画における『犯人』は、彼以外のだれも知らないすべての秘密をにぎっている(…)から『犯人』が『確定する』ことは、『父の審級』を希求するものたちにとって、どうしても必要なこと」

    64
    「どうして映画はこういう『罠』を仕掛けるかといえば、観客が騙されることを渇望しているからです。うまく騙されれば騙されるほど、カタルシスが大きい。(…)でも、私たちは物語の瓦解を欲しているんではなくて、一つの物語が崩壊しても、べつの物語によってうまく解決がつく、というのを欲しているんですね。」
    ブレンダン・ベンソンの新アルバムWhat Kind of Worldより、Pretty Baby、お暇な方は聞いてね(ユーチューブにあるから)。←6/18追記、トンデモPV出たのでこれは無し。出オチてました。

    121らへん、喜劇役者と悲劇役者の差について。
    いわく、悲劇役者と違い、喜劇を演じるものは「素のわたし」「役者わたし」「演じている役」の三つを「行き来」している、その「『視点シフト』のスピードに私たちは魅了されるのです。」

  • 天皇が「母的」という話題があって、
    大戦中の瀕死の兵士が最期に叫ぶ言葉が、
    「天皇陛下万歳」
    「お母さん」
    だという話をよく聞くけれど、
    どちらも実は「母」への言葉なのではないか、
    ってのはものすごく興味深い話だ。

    母系社会の日本では、
    西洋的な「父なるもの」での統治が上手く働かず、
    関係性から個人が立ち上がる母系社会では、
    個人主義的なものもまた上手く働かないから、
    日本にあった思想のあり方を、
    探っていったほうがよろしいのではないかしらん。
    とか、
    そんな話もやっぱりいつもの内田節。

    また、
    内田先生の張良の故事と忠臣蔵の話は、
    さながら五代目志ん生の火焔太鼓のようですらある。

    ネットの情報は「読む」ものではなく、
    「調べる」「見る」もの、というのはひどく納得した。

    電子書籍を最後まで読めない人が多い、
    っていうニュースをどこかで読んだけれど、
    ネットの長文は最後まで読めないのよねえ。

    知識としては入ってくるが、
    体験としては入ってこない気がする。
    「クリックする」「スクロールする」というのが、
    没入の妨げになっているのかしら。
    「本をめくる」ほうがたぶん没入しやすいのだろう。

  • 内田樹さんと鈴木昌さん、2人の大学教授のメールでの交換日記。
    がっつりアカデミックな内容で、タイトルとのギャップにびっくりする。

  • 11033

    04/01 
    ・ヴァーチャルなキャラクター
    ・日常の劇化
    ・ウェブ日記とカラオケの類似(ヴァーチャルなキャラクター)
    ・映画
    ・天皇は母性権力
    ・大学教育批判

  • 本が手元にないので感想はのちほど。

  • 「邪悪な加害者」のいない暴力/戦争が1番怖い、そして現実の世界はそうである、と、頭の良さを想像力、又想像力の行使をためらわないこと、と言うのには同意です。
    対談(交換日記)形式というのも面白いものだなと思いました。
    多少専門用語が出てくるので、少し内田先生の他の著作の予習があると分かりやすいと思います。

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著者プロフィール

内田樹(うちだ・たつる)
1950年生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。東京都立大学大学院博士課程中退。凱風館館長。神戸女学院大学文学部名誉教授。専門はフランス現代思想、映画論、武道論。著書に『ためらいの倫理学』(角川文庫)、『「おじさん」的思考』『街場の憂国論』(共に晶文社)、『先生はえらい』(ちくまプリマー新書)、『街場の戦争論』(ミシマ社)、『困難な成熟』(夜間飛行)、『困難な結婚』(アルテスパブリッシング)、『そのうちなんとかなるだろう』(マガジンハウス)、『生きづらさについて考える』(毎日新聞出版)、編著に『転換期を生きるきみたちへ』『街場の平成論』(共に晶文社)など多数。『私家版・ユダヤ文化論』(文春新書)で第6回小林秀雄賞、『日本辺境論』(新潮新書)で新書大賞2010受賞。第3回伊丹十三賞受賞。

「2020年 『しょぼい生活革命』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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