スロー・ラーナー (ちくま文庫)

制作 : Thomas Pynchon  志村 正雄 
  • 筑摩書房
3.28
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本棚登録 : 256
レビュー : 16
  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480424563

感想・レビュー・書評

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  • 「いったいおれはローチに帰らないで、こんなところで何をしているんだと思い、同時に、ローチに帰ったら、ローチなんかで何をしているんだと思い始めるだろうという気がし、あるいは今後、どこへ行ってもこんなことを考えてしまうのではないかと感じた。」
    小雨 the small rain
    思わず紙面を撫でたくなってしまうぐらいに、(甘美なことはほぼ書いていないのにも関わらず、)溶けるような感覚に襲われる。ひさびさにこの高揚感。好きだ。

    特に後半三つに苦戦。うまく読めない。難解と言われまくるピンチョンさすが……

  • 2008-07-00

  • 序、小雨、秘密のインテグレーションがよかった。
    解説は宮沢章夫「速度の内側から見る世界」

  •  ピンチョン初体験だった「競売ナンバー49の叫び」は完全に理解出来ていないながらも、ものすごく面白かった。
     ならば、短編であれば、理解も出来て面白さも倍増だろう、という目論見はもろくも崩れ果てた(汗)。
     確かに長編よりは理解し易いんだけど、それでも情報量の多さと回りくどい表現や何を指しているのか容易には察しきれない比喩が、僕のようなそれこそ「スローラーナー(のろまな子)」には手におえない。
     面白い場面もあるんだけど、やはり読み通すのはちと辛かった。
     それと訳者解説にひっかかる箇所が。
    「秘密のインテグレーション」に対する解説。
     この短編はとある大衆雑誌に掲載された。
    「難解と言われている純文学の作家がその水準を落とすことなく大衆雑誌のために書くことができるという自信があるように思われます。初期にピンチョン研究所を書いたジョーゼフ・W・スレイドはこの作品に低い評価を与えていますが、私も同意見に傾かざるを得ません。大衆雑誌ということを意識し過ぎたのではないでしょうか」と書かれている。
     なんか、難解な純文学作品が高級で、判りやすい大衆向けの作品は低級、と言われているような気がする。
     そうなのだろうか……。

  • 映画『インヒアレント・ヴァイス』は面白かったし、そのあと読んだ『競売ナンバー49の叫び』もとても面白かったので、てっきり自分はピンチョンとは相性いいんだ、と思っていたのだけど、まさかの、初期短編集のこの難解さよ(苦笑)

    序文ですでに躓きそうになり、しょっぱなの「小雨」でなぜか人名すらまともに頭に入ってこず、「低地」の後半でやっと奇妙にファンタスティックなラストが気に入って持ち直し、「エントロピー」は意味はともかく雰囲気で乗り切り、「秘密裡に」はスパイものだと思って割り切って楽しみ、最後の「秘密のインテグレーション」は少年4人のスタンドバイミー的な展開で読み易かったけど根底に黒人差別問題がありラストしょんぼり、結果、「低地」が唯一好きだったかなあという程度で、イマイチ手放しで面白かった!と言える感じの1冊ではありませんでした。

    ※収録作品
    スロー・ラーナー(のろまな子)序/小雨/低地/エントロピー/秘密裡に/秘密のインテグレーション

  • ビートに憧れていたが、ビートになれなかったというピンチョンの本音に感動。

  • ピンチョン習作時代の作品集に、自らによる長い「序」からなる。この序文はユーモアに富んでなかなか秀逸だと思う。
    それにしても、これで習作なのか、とあきれるくらいどれも難解だ。解説を読むと、筆者の守備範囲の広さに驚くが、こちらはそんな知識はないからついていけないのは当たり前か。唯一「秘密のインテグレーション」だけはまともに読み通すことができたが、解説によると、あえて解説を書くほどもないレベルの低い作品なのだそうだ。難しいですね。

  • ピンチョン初期の短篇を集めたもの。
    暗喩や伏線の鮮やかさは今更いうまでもないが、音韻への過度ともいえる拘りのほか、ストーリーを対位法的に展開させたり、現代に至るまで続く軋轢や葛藤(たとえば植民地主義や人種差別など)をランダムに主題化してみたりと、短篇でよくここまで書けるものだと、読みながら圧倒される。

    中でも比較的読みやすいのは「秘密のインテグレーション」で、悪ガキたちが大人たちに対して様々なイタズラを仕掛けようとする中で、大人たちによる黒人差別の"悪"を際立たせるようなつくりとなっている。
    そこには【子ども vs 大人】という単純な対立軸のみならず、
    【こっそりと行う差別・陰謀 vs 堂々とする迫害・イタズラ決行】、あるいは、
    【integration(積分、そこから転じて人種的統合) vs differentiation(微分のほかに差別の意味もある)】
    という二項も立体的に絡み合っている(ように感じる)。
    なおかつ、唐突な場面転換によって散らされた伏線が、最後にはすべて回収・収斂してインテグレートされてしまう、という話の持って行き方。

  • むずかしかった。
    再読の必要あり。

  • これも文庫化されてたのね。購入リストいき。
    ピンチョンはなかなか文庫化しない。

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