サヨナラ、学校化社会 (ちくま文庫 う 17-3)

著者 :
  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480424600

作品紹介・あらすじ

93年、東大に移ってきた上野先生は驚いた。なんて素直な、課題を効率よくこなす学生なんだ、と。そして怒り心頭に発した。レポートがどれも講義の要約だったからだ。…「国民」を育てる近代装置である学校。変革の時代にこのシステムの弊害は大きい。知識よりも知恵があり、どんな状況にもサバイバルできる能力を備えた人間を育てるにはどうしたらいいのか。実践的マニフェスト。

感想・レビュー・書評

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  • 「劣等性の不満、優等生の不安」テストの結果が悪ければ残される。小言も言われる。生徒には不満が残る。やる気が出なくなる。勉強しない。また悪い結果になる。この悪循環を抜け出さない限り、格差は広まるばかり。偏差値60を取った生徒は、次もがんばるように言われる。でも、次も同じ結果になる保証はない。次のテストが怖い。不安になる。勉強自体が楽しく、成績の上がり下がりはそれほど気にならなければよい。けれどそうでない子どもたちが多い。学校では、皆が同じところからスタートする。という建て前になっている。だから、うまくいかないのは自分の努力が足りないからだと思わされている。先生の教え方がどうかは棚に上げられている。「がんばれ、次こそがんばれ、がんばれば何とかなる。」やればできると皆が思っている。思わされている。私自身が日々、現実に目の当たりにしていることばかり。そして、大人の社会・会社も学校と同じような状況になっている。ここから抜け出すことはできるのか。そのヒントが本書には数多くちりばめられています。ところで、京都精華大学は偏差値四流校なのだそうだ。私は、20年位前には、「精華大にはおもしろい先生がいるよ。」と生徒たちに言っていた。それは柴谷学長(当時)であり、生物学の斎藤光であり、本書の著者だった。講演会にも頻繁に通ったし(茂木健一郎のサインももらった)、芸術学部はおもしろそうだったし、人文学部のフィールドワークなんかも興味深かった(本書でも触れられている)。社会に出ると偏差値なんて・・・と思うんだけど、社会に出るにあたっては、まだまだ偏差値は高いほうがいいようだ。「京大出身? ふーん。で?・・・」さあ、その質問になんて答える? 京大出身のア・ナ・タ。(解説もおもしろい。)

  • 図書館で見つけた。

    上野千鶴子さんが東大生に教えた経験から、
    講義の内容を忠実に要約する能力に長けているが、
    そこから自分の意見を出さない学生が多いとゆうはなし。

    逆にいわゆる四流の学生のなかには、おっとゆう、
    自分の意見を荒削りだが、出す人もいる。

    正直わたしは、どちらの能力もないけれど、
    どちらかとゆうと、与えられたことをこなしていく
    楽な方を選びがちだなと思った。 


  • ・東大生は権威主義的
    ・学校は再生産を正当化させる機能をもつ。
    ・学校的価値を内面化した結果、頑張っても報われない育児に直面し児童虐待へ繋がる。
    ・身体性や美もまた学校的価値にからめとられる。「ナイスボディは努力すれば手に入るのに、どうしてあなたは努力しないの」
    ・「生産材」としての学位、「消費財」としての学位
    ・遠山啓「学校は自動車学校タイプ(スキルのため)と劇場タイプ(楽しみのため)になるべきだ」

  • ちょっと前の本なのに、現状は本の通りに起こっているのに、解決には程遠いと…。わかっていても変えられない変える気はない、一部の人だけでは変えられないというのが凄くよくわかりました。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/763901

  • 日本の学校制度と、その価値観に浸った社会を斬る本。滅茶苦茶面白く読んだ。まぁ確かにエッセイであるとはいえ、デカすぎる主語(「東大生は〜」「アメリカは〜」など)や、過剰にスッキリした二分法が読む者をハラハラさせもする。でもそれと同数かそれ以上に、「だよね!!!」と思う主張やオリジナルの見解で面白いものも多く、肩の力を抜いて読めた。そしてワードチョイスが秀逸すぎる。「頭の天井がスポーンと抜ける」には声だして笑った。漫画みたいに読めるけど注釈も丁寧で、教育者としての上野先生が、読者をちゃんと考えさせる本だった。

  • これは面白い本

  • 大学在学時に古本屋さんで見つけて読んだ本。2008年に発行された本でもうそれから12年経っているのに、あまり変化がないなぁと思わざるを得ない。学校の悪しきシステムだけではなくジェンダーや生き方など内容豊富な本でした。個人的には参考文献にある本とたくさん出会えたのが良かった。

  • 内容としては、納得できる部分は確かにある。偏差値教育を実社会にも当てはめて、序列化が蔓延しているというのはまあそうだろう。(=学校化社会)だけど、その論の運び自体に、大変に偏見に満ち満ちている部分もあって、頂けないところもあった。

  • 面白い!
    これが約20年前に書かれていることを思うと、今の教育改革はようやくここで書かれた方向に舵を切ったのだと思わざるを得ない。さすがは上野千鶴子。

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著者プロフィール

東京大学名誉教授,NPO法人ウィメンズアクションネットワーク(WAN)理事長

「2024年 『挑戦するフェミニズム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

上野千鶴子の作品

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