- Amazon.co.jp ・本 (366ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480424877
感想・レビュー・書評
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夏になったね。今年の夏は幻想怪奇系の積読を消化するよ。
一冊目は10年近く積んでたこれを読みました。
積んでた10年の間にわたしは子どもを産んで母になってしまったので、前半の「みずうみ」まではきつかった。積まずにすぐ読んでればぜんぜん感想違ったやろうけど、積んじゃったからね。
後半はどれも面白かったよ。「幻影の都市」なんか読むと、当時の都会はやっぱり境界ぽくてええなあと思う。「あじゃり」は「青頭巾」のリメイクなのかな。モチーフとかでなく室生犀星版青頭巾て感じ。視点が増えてて分かりやすいし、はかなくてかなしい部分が強調されててよかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2010-8-21
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怪談というよりは幻想文学。
幽玄な世界を楽しんだ。
やっぱいいな。 -
怖い、恐ろしい、おぞましい……とは全く違う。「妖しい」。それが日本の怪談。
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子供を亡くした悲しさが伝わってくる。
子供は死んだ。だが亡くなった子供が夫婦の元に帰ってきた。
違います。
絶望のあまり、あなた方が亡くなった子供を死から呼んだのです。
どんなに生々しく見えても、あなたがた御夫婦が見ているのは、あなたがたの子供ではないです。 -
「妖しき文豪怪談」
是枝監督の「後の日」がとても良かったので、
室生犀星に俄然興味が。
引用される文章の美しさにもくらくら。 -
じっとりと冷たくて、ぐなぐなした怪談話、息苦しくなるような悲しみで満たされた幽霊譚。どの話も、薄暗い中に長く影をひいて、映像がぼんやりと浮かび上がってくる。大正時代に書かれたなんて信じられないような鮮やかさ。本読みには誰にでも、一度はページをめくってみて!と勧めたい。
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・童話
・童子
・後の日の童子
・みずうみ
・蛾
・天狗
・ゆめの話
・不思議な国の話
・不思議な魚
・あじゃり
・三階の家
・香爐を盗む
・幻影の都市
・しゃりこうべ
の14話が集録されている。
初めから最後まで幽暗な無気味さと透徹された哀しみが沸き起こっているような気分になる。
個人的に、後の日の童子とみずうみと三階の家が好き。
(2009.08.14)
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後の童子が好きです。うっすら濁っていて、一度冷めてしまった冷たさがある。でもそれが不快じゃない。
この人の書く文章がどうにも好き。美しいと思う。
著者プロフィール
室生犀星の作品





