室生犀星集 童子―文豪怪談傑作選 (ちくま文庫)

著者 :
制作 : 東雅夫 
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 147
感想 : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (366ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480424877

感想・レビュー・書評

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  • 夏になったね。今年の夏は幻想怪奇系の積読を消化するよ。
    一冊目は10年近く積んでたこれを読みました。

    積んでた10年の間にわたしは子どもを産んで母になってしまったので、前半の「みずうみ」まではきつかった。積まずにすぐ読んでればぜんぜん感想違ったやろうけど、積んじゃったからね。

    後半はどれも面白かったよ。「幻影の都市」なんか読むと、当時の都会はやっぱり境界ぽくてええなあと思う。「あじゃり」は「青頭巾」のリメイクなのかな。モチーフとかでなく室生犀星版青頭巾て感じ。視点が増えてて分かりやすいし、はかなくてかなしい部分が強調されててよかった。

  • 2010-8-21

  • 「童話」「童子」「後の日の童子」「みずうみ」「蛾」「天狗」「ゆめの話」「不思議な国の話」「不思議な魚」「あじゃり」「三階の家」「香爐を盗む」「幻影の都市」「しゃりこうべ」を収録。

    読んでいると、人間の不安定であること、その心の移ろいやすいことが強く意識される。ふとしたことに左右されて思い悩んだり、それまでとは違った見方で物事を受け止めたりする、そういう人間臭さが鬱陶しくも親しみ深い。「うわあ……」と「あるある、仕方ない」の混じったいとしさ。文章自体にもそういう趣があったのか読みにくさを覚えることもあったけど、それも含めて味だったのかも。
    心が現実を侵して幻想を生む様も楽しめた。雨戸を締め切った中での父は、そこでようやく童子を思い出にできるんだろうか。もしそうなら、主を失う幻想の行方が気にかかる。

  • 怪談というよりは幻想文学。
    幽玄な世界を楽しんだ。
    やっぱいいな。

  • 怖い、恐ろしい、おぞましい……とは全く違う。「妖しい」。それが日本の怪談。

  • 子供を亡くした悲しさが伝わってくる。

    子供は死んだ。だが亡くなった子供が夫婦の元に帰ってきた。

    違います。
    絶望のあまり、あなた方が亡くなった子供を死から呼んだのです。
    どんなに生々しく見えても、あなたがた御夫婦が見ているのは、あなたがたの子供ではないです。

  • 「妖しき文豪怪談」
    是枝監督の「後の日」がとても良かったので、
    室生犀星に俄然興味が。
    引用される文章の美しさにもくらくら。

  • じっとりと冷たくて、ぐなぐなした怪談話、息苦しくなるような悲しみで満たされた幽霊譚。どの話も、薄暗い中に長く影をひいて、映像がぼんやりと浮かび上がってくる。大正時代に書かれたなんて信じられないような鮮やかさ。本読みには誰にでも、一度はページをめくってみて!と勧めたい。


  • ・童話
    ・童子
    ・後の日の童子
    ・みずうみ
    ・蛾
    ・天狗
    ・ゆめの話
    ・不思議な国の話
    ・不思議な魚
    ・あじゃり
    ・三階の家
    ・香爐を盗む
    ・幻影の都市
    ・しゃりこうべ

    の14話が集録されている。
    初めから最後まで幽暗な無気味さと透徹された哀しみが沸き起こっているような気分になる。
    個人的に、後の日の童子とみずうみと三階の家が好き。

    (2009.08.14)

  • 後の童子が好きです。うっすら濁っていて、一度冷めてしまった冷たさがある。でもそれが不快じゃない。

    この人の書く文章がどうにも好き。美しいと思う。

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著者プロフィール

1889年石川県生まれ。詩人、作家。1915年、萩原朔太郎、山村暮鳥らと交わり、『卓上噴水』を創刊。18年『愛の詩集』を自費出版、以後『抒情小曲集』『寂しき都会』など数々の詩集を刊行。58年『杏っ子』により読売文学賞、59年『我が愛する詩人の伝記』により毎日出版文化賞、『かげろふの日記遺文』により野間文芸賞を受賞。1962年没。

「2021年 『写文集 我が愛する詩人の伝記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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