神も仏もありませぬ (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 299
レビュー : 28
  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480424938

作品紹介・あらすじ

呆けてしまった母の姿に、分からないからこその呆然とした実存そのものの不安と恐怖を感じ、癌になった愛猫フネの、生き物の宿命である死をそのまま受け入れている目にひるみ、その静寂さの前に恥じる。生きるって何だろう。北軽井沢の春に、腹の底から踊り狂うように嬉しくなり、土に暮らす友と語りあう。いつ死んでもいい、でも今日でなくていい。

感想・レビュー・書評

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  • 本書の前に読んだのが『私の猫たち許してほしい』と『シズコさん』、これで著者のエッセイは3冊目となり、個性的な文体にも幾らか慣れてきた。バイタリティー溢れる著者の田舎暮らしは、ちらちらと影を落とす老年の不安さえも、日常の中に見出だす幸せに紛れて活き活きとしている。自然体の心が、日だまりに吹く風のようで心地よい。

  • 「100万回いきた猫の」の作者のエッセイ集。

    北京で生まれ、戦後に日本に戻ってきたバックグラウンド、そして群馬の山奥で暮らす様子を語った一冊。

    基本は笑えるという意味でとっても面白い。

    でも、時たまズシーーーンとくる言葉に出会うことができます。

    家畜についての洞察、エジソンやピカソの情熱について、沈黙に耐えられない人についての描写。

    浮世離れしたような生活だけど、スコーンと本質を貫くような歯切れの良い言い回しがとても心地よいです。

  • 「フツーに死ぬ」
    畜生とはなんと偉いものだろう。
    時々そっと目を開くと、遠く孤独な目をして、またそっと目を閉じる。静かな諦念がその目にあった。
    私はフネの様に死にたいと思った。人間は月まで出かける事が出来ても、フネの様には死ねない。

  • 1.ネパールは鳥葬で墓もその概念もない
    2.岡本かの子 いよよ華やぐいのちなりけり。
    3.死ぬって気持ちよいのか。了解。

  • おばさまの日常の思考。
    まだ共感はできないが。
    こういうふうに正直に生きたい。

  • 老齢になり、迫りくる呆けと世間の意見に驚き怯える姿は他の作品にも見られる。作者のあからさまに見えて繊細でするどい感受性が大好き。

  • 佐野洋子さんの人生を語るエッセイ「神も仏もありませぬ」2003.11刊行、2008.11文庫化です。「いつ死んでもいい、でも今日でなくていい。」名言だと思います(笑)<あとがきから>生きる意味・・・。私は、その日その日を生きていて、飯食って糞して眠るのだ。それなのに、春のきざしの蕗のトウをさがしに行き、感動して・・・。意味なく生きても人は幸せなのだ。今日死ななくてもいいなあ、と思うのだった。そして私は六十五歳になった。 ーーーじ~~~んと胸を打つ「語り」ですね!ーーー

  • しゃべるみたいに自由に書く人だなあ。話がちょっと飛ぶ感じがあって慣れるまで少々入り込みにくかった。

  • ブログに掲載しました。
    http://boketen.seesaa.net/article/413255906.html
    いつお迎えが来てもいい。でも今日でなくてもいい。
    佐野洋子63~4歳のころのエッセイ。
    鏡を見て「ウソ、これ私?」、映画館で顔をみただけでシルバー割引の対象とみなされれば少しムッとする。
    無慈悲に老いていく自分と、どうやって折り合いをつければいいのかとジタバタする佐野洋子。
    2003年出版だから、もう10年以上前のエッセイだが、名エッセイというものは色あせないものだなあ。
    もはや執筆時の佐野の年齢をはるかにこえた身で読むと、いっそう味わい深い。

  • 全体を通して潜む死と老いのイメージ。母が呆け、かつて騒ぎあった友達はどんどんと先立っていく。気付けば時代はもっと若い世代のものになっていて、自分は主役たちを外野から見守る立場になっている。これからどうやって人生をクローズしていこうか、終わり方を意識する生き方というのは自分には全く遠い話だけれど、ほぼ間違いなくいつか来るだろうし、そのときようやくここに書かれている本当の気持ちが分かるだろう。
    素晴らしい本だけど、昔の人だからなのか、フリーランス仕事だからなのか、少し偏屈で自分の考えの外にある価値観を受け入れることは少々苦手なようだ。特に植村直己とかに対する冒険への無理解はちょっとなぁと思わざるを得ない。そこだけ星マイナス一つ。

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著者プロフィール

1938年、北京生まれ。絵本作家、エッセイスト。おもな著作に、絵本『100万回生きたねこ』『わたしのぼうし』、童話『わたしが妹だったとき』、エッセイ『神も仏もありませぬ』など。2010年没。

「2019年 『はればれ、お寿司 おいしい文藝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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