北欧の旅 (ちくま文庫 ち 8-4 カレル・チャペック旅行記コレクション)

  • 筑摩書房
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480424983

感想・レビュー・書評

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  • カレル・チャペックが北欧3か国(デンマーク、スウェーデン、ノルウェー)を、新妻オルガとともに巡る旅です。フィンランドが外れているのが残念です。でも、それぞれの国の風景の美しさには心を奪われたようで、たくさんの風景画や街中のイラストがとても可愛くて、その感動が生き生きと感じ取れますね。

  • 壮大な風景からグルメまで 世界を旅する本5選 | CREA クレア ウェブ 好奇心旺盛な女性たちへ
    https://crea.bunshun.jp/articles/-/29263

    飯島周先生の想い出|チェコ語の翻訳/Wunderkammer|note
    https://note.com/kenichi_abe/n/n0cc6218b7f7a

    筑摩書房 チャペック旅行記コレクション4 北欧の旅 / カレル・チャペック 著, 飯島 周 著
    https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480424983/

  •  チェコ人の、この方はどう称していいかわかりづらいタイプの多彩な方のようだが、ジャーナリストであり劇作家であり多くの旅行記を綴っているチャペックによる北欧の旅行記である。
     当時新聞連載されたものであり、彼にとって最後の旅行記になっているようだが、鉄道と船での移動でデンマーク、スウェーデン、ノルウェーをめぐる旅行記となっている。彼の直筆によるイラストが多数含まれているのも特徴的だろう。

     とはいえ、この旅行記における翻訳は、正直言って意味を受け取るのに難しい部分が少なくない。
     直訳なのか、悪文なのかは不明だが、そこに込められた皮肉なニュアンスに首をかしげること暫しであった。
     そうした点を加味して星三つと評価している。あくまでこのちくま文庫版の翻訳本としての評価であることは述べておきたい。

  • デンマーク、スウェーデン、ノルウェーと、およそ75年前の北欧をめぐる旅の記。荒涼としたしかし力強い(人間を含めた)自然の美が、シンプルで丁寧なイラストを添えて記されている。

    旅行記といっても、見聞きした物事のみにとどまらないところがチャペックならでは。特に、白夜の世界を時間の観念が失われる領域として描く章に、叙事詩のような幻想性がありとてもよかった。

    • なつめさん
      nyancomaruさん
      『イギリスだより』も面白そうですね。さっそく読みたい本リストに入れました
      nyancomaruさん
      『イギリスだより』も面白そうですね。さっそく読みたい本リストに入れました
      2012/09/07
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      ご存知かと思いますが、チャペックはエッセイから童話、SF、哲学的小説と多岐に渡った執筆をされています。どれも素晴しいので、是非色々お読みくだ...
      ご存知かと思いますが、チャペックはエッセイから童話、SF、哲学的小説と多岐に渡った執筆をされています。どれも素晴しいので、是非色々お読みください。
      2012/09/10
    • なつめさん
      nyancomaruさん
      はい。チャペックを読んだのは、痛くなった歯を抜く村の人の話だか随筆だかを大昔に読んで以来でした。
      nyancomaruさん
      はい。チャペックを読んだのは、痛くなった歯を抜く村の人の話だか随筆だかを大昔に読んで以来でした。
      2012/09/11
  • カレル・チャペック氏の北欧旅行の記録。個人的に好きなノルウェー(オスロ→ベルゲン→ノールカップ)への旅が中心なので即購入してしまいました。
    20世紀前半の北欧の描写なのだけど、都市部以外はたぶん今も変わらない自然です。
    大量に挿入されている線画が素晴らしい。コミカルでいてすごく細かい。

    ただ文章は翻訳のせいか、時代のせいか、本人の癖なのか、詩と散文の間のような感じで少々読みにくい。

  • 白夜の船旅は楽しいことばかりではないはずなのに
    楽しそう

  • デンマークからノルウェー最北の旅行記。旅ガイドというよりはエッセイだが、自然の描写の語彙力や、ノルウェーが世界の果てだと欧州人は言うがここが世界の出発点だ、などという言葉にはっとさせられる。そういうところは小説だなと感じる。グーグルイメージ検索を併用するととても楽しい。

    著者は字書きとのことだが、イラストがかわいい。一筆ですっと描いていく風景、家、自然など非常に味がある。どの牛も草を食んでるのは思わず笑ってしまったが、こんなに少ない線でそれを表現できるのはただモノじゃないぞ、と本文の内容以外のところで食いついてしまった。

  • 北欧の旅にも忍び寄るナチスの軍靴。

  • 80年くらいの前の北欧旅行記。船旅がメインのこの本、今は何となくオシャレで素敵なイメージしかない北欧の国々は、厳しい自然の中で様々な歴史を経てきたのだ、という当たり前のことに気づかせてくれる。とりわけ海からむき出しの岩、時には荒れる広い広い海、とりまくたくさんの木々や森。自然について執拗なほどしつこく、ありったけの比喩で書かれているのでちょっと読みづらいけど、イラストが添えられていてなんともかわいい。
    旅であるがゆえの一過性物悲しさの切り取り方が響く。
    「何でもない、申し上げるが、何でもないのだ。しかし美しい。描くというよりもむしろ愛撫したいような美しさ。」

  • 1936年にデンマーク、スウェーデン、ノルウェーを巡った旅行記です。鋭い描写とユーモアラスで温かみのある表現と多数のイラストで、旅行で出会った北欧の自然・民族・文化を描いています。

    今夏の旅行中に読んでました。オスロからベルゲンを経由してトロンハイムまでの鉄道と船の旅の風景が、ほとんど変わっていないように見えて驚きました。また、著者は船旅の最中にアメリカの宣教師の布教集団の騒がしさに殺意を感じるほど辟易していますが、ヘルシンキ-オスロで乗った飛行機の2つ後ろの列でアメリカ人女性2人がずっと大声で話し続けているという状況に出くわして苦笑してしまいました。
    フィヨルドはこんな↓感じでした。

    「柔かく心地よくさざ波を立てる長い湖を航行している。何千もの細かい煌めく水面が、頂きに白い雪を持つ金色や青の岩の姿を映す。海峡はせばまり、岩と岩との間の小径に過ぎないようになる。ここでは水は、全く現実離れした状態で沈み込み、深い緑色となって、油のように滑らかに、夢のように静まり返る。」(P200)

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著者プロフィール

一八九〇年、東ボヘミア(現在のチェコ)の小さな町マレー・スヴァトニョヴィツェで生まれる。十五歳頃から散文や詩の創作を発表し、プラハのカレル大学で哲学を学ぶ。一九二一年、「人民新聞」に入社。チェコ「第一共和国」時代の文壇・言論界で活躍した。著書に『ロボット』『山椒魚戦争』『ダーシェンカ』など多数。三八年、プラハで死去。兄ヨゼフは特異な画家・詩人として知られ、カレルの生涯の協力者であった。

「2020年 『ロボット RUR』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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