ちくま日本文学006 寺山修司 (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480425065

作品紹介・あらすじ

60年代のカルチャーヒーローの全体像。

感想・レビュー・書評

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  • 寺山修司のエッセンスがぎゅっと詰まった1冊。彼が紡ぐ言葉の端々から立ち上ってくるのは断ち切れぬ血縁としての血の匂いだ。また捨てきれぬ故郷の幻影が行間に揺曳している。本書の白眉は戯曲『毛皮のマリー』だろう。全てが裏返った世界の中で妖しい美しさが息づいている。劇作家、演出家、小説家、歌人、俳人、詩人、批評家、映画、歌謡、競馬評論、と寺山修司はいくつもの顔を持ち、言葉を巧みに操る魔術師でもある。彼の創る言葉の世界にずっと浸っていたい。

  • 寺山修司ーちくま日本文学
    教科書で知ってる寺山修司とは違う、確固たる何かを感じた。序盤の何作かはあまりにも刺激的だったし、ある意味で狂人だった。競馬の話はわからなかったので最後あたりは流し読み
    #読了 10/7

  • 猥褻

    人間関係よりも一着の訪問着をほしがる女のグロテスクさ

    首吊人愉快

    空中ブランコ「信頼の見世物化」

    性的ガソリン


    著者の世界観が詰まった一冊だった。

  • 頭のキレっぷりと、内なる気持ちの荒ぶりっぷりが感じられる著者&著作。
    生きている時に会ってみたかった。

  • https://cool.obirin.ac.jp/opac/volume/443680

    ひなたやまにもあります。

  • 読了

    寺山修司戯曲を読みたくて読んだけど予想以上に載ってなかった!毛皮のマリーは寺山修司のモチーフ((いわゆる)オカマ・チョウ・母)など が分かりやすく表出していて、寺山修司感を知れるという意味でとても良いと思った。

    最初の、終戦の時に10歳でセックスしてみない?と誘われたはなしとか、そんなことある?てウケてしまいました。性に関してめちゃくちゃな人生送りすぎでは?

    競馬のくだりは浅田次郎のエッセーと似ている気がしました。浅学で悪いのですが、浅田次郎は寺山修司の影響を少しは受けているのか、それとも扱うテーマゆえに似ているように感じただけだったのだろうか?

  • 初寺山修二。競馬のことはとんとわからないので、後半は流し読みになってしまったけど、本当にサブカルの奔りを煮詰めたような一冊だった。戯曲は他のも読んでみたい。虚構か真実か疑ってかかりそうなエッセイも良かった。

  • 10数年ぶりに読み返した。
    音楽でいうところのベスト盤みたいなモノ。入門編的にとらえる方。とりあえず、読んでおく的にとらえる方。映像作品等で知った方。そんな方々にも充分応えうる1冊。もちろん、ベスト盤なので、この1冊で全てを知ることは出来ません。
    その先は、他も読んでみるもよし。演劇、実験・長編映画へ行くもよし(出来れば、長編映画は劇場のスクリーンで一番最初に見て欲しい)。
    とにかく、氏の言葉は自分の脳を撫でたり、舐めたり、揺さぶったり、持ち上げて落としたり、カユくしたり……。
    大好物です。

  • [02][130201]<m市

  • 寺山さんは映画から入った。あの強烈な色彩はどこからきたのか本書にてがかりを探した。
    中にこんな話があった。父親の遺骨がとどいた夜お母さんが寺山と無理心中をはかろうと手首を切った血が一面に飛び散り彼はそれを冷めた眼差しで見ていたそうだ。寺山さんの紅はお母さん血ではないだろうかそう思えた。

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著者プロフィール

詩人、歌人、劇作家、シナリオライター、映画監督。昭和10年12月10日青森県に生まれる。早稲田大学教育学部国文科中退。青森高校時代に俳句雑誌『牧羊神』を創刊、中村草田男らの知遇を得て1953年(昭和28)に全国学生俳句会議を組織。翌1954年早大に入学、『チェホフ祭』50首で『短歌研究』第2回新人賞を受賞、その若々しい叙情性と大胆な表現により大きな反響をよんだ。この年(1954)ネフローゼを発病。1959年谷川俊太郎の勧めでラジオドラマを書き始め、1960年には篠田正浩監督『乾いた湖』のシナリオを担当、同年戯曲『血は立ったまま眠っている』が劇団四季で上演され、脱領域的な前衛芸術家として注目を浴びた。1967年から演劇実験室「天井桟敷」を組織して旺盛な前衛劇活動を展開し続けたが、昭和58年5月4日47歳で死去。多くの分野に前衛的秀作を残し、既成の価値にとらわれない生き方を貫いた。

「2024年 『混声合唱とピアノのための どんな鳥も…』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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