ちくま日本文学022 宮本常一 (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480425225

感想・レビュー・書評

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  • 対談相手が学生時代に愛読していたということで、手に取ってみる。いい文章で、解説は石牟礼道子さん。

  • 日本の地方を巡って、人や風景生活 昔語りを聞いて来た著者の鋭くでも優しい文章が魅力的。生まれ故郷の波の音色の移り変わりの描写が逸品。

  • 農漁村の素朴な人々の営みがある。ほっこりする。見ず知らずのよそ人である民俗学者も受け入れる寛大さ。その生活を掘り起こしている。

  • 某所読書会課題図書.何気ない日常の生活を巧みな文章で記述していることに感動した.100年後に例えば「私のふるさと」を参照すると明治・大正・昭和の時代に、子供たちがどのような遊びをしていたのかが分かる.天皇が、政治家が 等々の歴史的事実は記録に残りやすいが、庶民の生活がどのようだったかを記述した文書が少ない.そういう意味で本書は庶民の歴史書だと感じた.周防大島、私は"大島郡"を呼んでいたが、でも本土と同じような生活が繰り広げられていたことを知ることができた.

  • 読み終わるのがもったいないほど、ずっと読んでいたい。時空は違えど、日本の奥深さが伝わる。

  • ●2009年12月中旬頃読了
    大好きな宮本常一の著作を集めた本。
    有名な「土佐源氏」や「梶田富五郎翁」をはじめ、「対馬にて」「子供をさがす」「女の世間」「高野豆腐小屋」「子に生きる」「船の家」「すばらしい食べ方」「私のふるさと」「御一新のあとさき抄」「子供の世界「萩の花」が収録されている。
    特に印象的だったのが「萩の花」。
    宮本自身の子供が病気に侵された際の話が描かれていて、子を思う親の気持ち、旅ばかりの宮本とそれを理解している妻との関係が感じ取れる話。

  • 言わずもがなの「日本残酷物語」の作者。
    とは言え、そちらはまだ読んでないので※もよく知りません。
    文体に関して言えば、柳田より柔らかくて読みやすいかと思います。全体として素朴な感じ。考察というよりは、例示かな。
    読んで取り敢えず思ったのは、昔の人(江戸末期頃?)はわりと自由に土地を行き来できたのだということ。農民であっても、ふらりと陸続きで旅に出たり、山に入って行ったりと、世間を見ることが出来たのが意外でした。

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著者プロフィール

1907年(明治40)~1981年(昭和56)。山口県周防大島に生まれる。柳田國男の「旅と伝説」を手にしたことがきっかけとなり、柳田國男、澁澤敬三という生涯の師に出会い、民俗学者への道を歩み始める。1939年(昭和14)、澁澤の主宰するアチック・ミューゼアムの所員となり、五七歳で武蔵野美術大学に奉職するまで、在野の民俗学者として日本の津々浦々を歩き、離島や地方の農山漁村の生活を記録に残すと共に村々の生活向上に尽力した。1953年(昭和28)、全国離島振興協議会結成とともに無給事務局長に就任して以降、1981年1月に73歳で没するまで、全国の離島振興運動の指導者として運動の先頭に立ちつづけた。また、1966年(昭和41)に日本観光文化研究所を設立、後進の育成にも努めた。「忘れられた日本人」(岩波文庫)、「宮本常一著作集」(未來社)、「宮本常一離島論集」(みずのわ出版)他、多数の著作を遺した。宮本の遺品、著作・蔵書、写真類は遺族から山口県東和町(現周防大島町)に寄贈され、宮本常一記念館(周防大島文化交流センター)が所蔵している。

「2022年 『ふるさとを憶う 宮本常一ふるさと選書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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