ちくま日本文学027 菊池寛 (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480425270

感想・レビュー・書評

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  • 「恩讐の彼方に」を読むために図書館で借りたが、「忠直卿行状記」がダントツでよかった。
    リーダーとして他人の上に立つ人の孤独感がひしひしと伝わる。
    ひょっとしたら総理大臣も、会社の社長も、こんな気持ちになるのかもなぁ…。
    どの作品を読んでも、人の心理を描くのが巧みな作家だなと思った。

  • 純粋に読み物としておもしろい話が多い。重くなく、かといって軽くはない。短編が中心の構成。時代物が多い気がするが十分に楽しめる。

  • うーん。面白い。

    これぞ、近代文学。

    元々は「ある抗議書」が読みたくて購入。『何もかも憂鬱な夜に』が死刑を目前にした未成年加害者側の話なら、こちらは死刑を救いとして受け入れる犯罪者を通した被害者親族の話。
    考えさせられる。

    「島原心中」の死による救いの話は、『高瀬舟』を微かに思い出させるようで……死に追いやった男を自白させた検事の心の動きが非常に面白かった。


    「勝負事」「三浦右衛門の最後」「忠直卿行状記」「藤十郎の恋」「入れ札」「ある抗議書」「島原心中」「恩讐の彼方に」「仇討三態」「仇討禁止令」……などを所収。

  • 野中郁次郎『経営は哲学なり』では、菊池寛の文壇におけるリーダーシップを解説!!

  • 驚くほどに、収録作品総てもれなく面白かった。

    ☆一番のお気に入り

    『藤十郎の恋』

  • 菊池寛

  • 短編/翻案系/菊池寛ときてちくまシリーズなのだから、全部良かった。

    意外と道徳の教科書での記憶があるのが多い。

  • これまで私は、正直そこまで物語の力を意識してきませんでした。けれども、この人の描くお話には、短いお話の中にも人間のどうにも抑えられない、沸き上がる感情や関係性の妙~じんわりと心にしみる光が散りばめられており。世界の中に自分を見つけ、救われた気持ちになりました。

    元々の目的は「私の日常道徳」だったのですが、これはやっぱり素晴らしい。こういう軸があることで何事にもぶれず、自分の人生を謳歌することができたのだろう…と思いました。

  • 「恩讐の彼方に」が素晴らしい。
    一分も無駄がなく、隙もなく、最後まで一気に読んだ。
    人間という生き物を完璧に描いている。
    赦し、赦されて、人は生きていくのだという教え。

  • 菊池寛がこれほど面白いとは…!
    大正から昭和20年ごろまでに書かれた作品群が収録されているが、時代設定こそ戦国であったり、明治維新であったりするものの、描かれた人間模様は全く古さを感じさせず、唸らされるものばかりだった。
    有名な「恩讐の彼方に」や「父帰る」なども収録されており、初めて菊池寛を読む人にうってつけかも。

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著者プロフィール

1888年生まれ、1948年没。小説家、劇作家、ジャーナリスト。実業家としても文藝春秋社を興し、芥川賞、直木賞、菊池寛賞の創設に携わる。戯曲『父帰る』が舞台化をきっかけに絶賛され、本作は菊池を代表する作品となった。その後、面白さと平易さを重視した新聞小説『真珠夫人』などが成功をおさめる一方、鋭いジャーナリスト感覚から「文藝春秋」を創刊。文芸家協会会長等を務め、文壇の大御所と呼ばれた。

「2023年 『芥川龍之介・菊池寛共訳 完全版 アリス物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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