説得 (ちくま文庫)

  • 筑摩書房
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本棚登録 : 433
レビュー : 55
  • Amazon.co.jp ・本 (430ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480425348

感想・レビュー・書評

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  • 8年前に別れた恋人と再会する話。最後の会話が聞こえていたっていうのがオースティンらしい。名誉とか自分がどう思われているかにしか興味ない人っているよなー、と思いながら読んだ。8年前の説得はアンを心配するラッセル夫人なら当然と思うけど、それを乗り越えられなかったことが悔しい思われるのかな。大切な人と離れ離れになってしまった人におすすめ。

  • オースティンの物語の主人公たちはいつもジェントリ出身であり──それは当時の文学界(作家・批評家・読者たちの構成する世界)のあり方の一端を想像させるけれど──、当時で言えばよほど生活に余裕がある人びとではあるけれど現代的にいえば「上流」に近接した「中流」である彼らの精神世界は、意識されるものであれそうでないものであれ、隣接する"クラス"との関係性により規定されている。

    上級貴族階級に対する憧れ・上昇願望はいつも公式の階級制度(爵位)によりさまたげられており、商人階級や農民階級に対する優位は彼らの経済的成功によりいつも脅かされている(産業革命、植民地帝国の版図拡大や第一帝制フランスとの戦争がこれを助長した)。

    したがって、公的権限の制約、経済的優位性の危機、構成メンバーの流動性(≒歴史と伝統の欠如)という事態に直面して、「教養」や「理性」、「礼節」や「気品」といった概念が持ちだされる。ようするに用法次第でどうとでもなる概念であり、メンバー間の暗黙の合意のもとで使用されることで"閉鎖性"を創り出すことば。それらの涙ぐましい努力について、作者は明らかにときに真剣にときに茶化して、繰り返し言及している。

    加えてオースティンの作品を読んでいて気が付くのは、19世紀初頭のそうしたジェントリの子女たちのこころが、いつもどちらかと言えば上方への同化願望ではなく下方への差異化願望により多く占められていることであり、当時における男女の対称性が透かし見える気がしなくもない。つまるところ上昇婚よりも、その反対のほうが大いにあり得るし、実際女性の側で何か"手を打つ"ことができるとすれば、それはやはり自身の地位を守るという方面においてだったということ。

    作者は、以上のようなことをどこまで意識的に自身の作品の中に織り込んでいったのか。それやこれや考えながら読むことができるのがおもしろい。

  • 映画「ジェイン・オースティンの読書会」の中で一番印象に残った作品。

  • あっという間に読んでしまった!
    今までのオースティン作品を連想する小説だったな。
    アンは今までで1番冷静で善良な女性という印象。
    だろうな。って結果だけどめでたし!よかった。

  • アンの控えめな美しさややさしさが、ずっと物語の根底に流れている作品でした。
    突き抜けた明るさや闊達さはありませんが、これはこれでおもしろかった。

    アラサーくらいになると、『高慢と偏見』よりもこちらの作品の方がしっくりくるかな。

  • ジェーンオースティンは、映画で題材の作品を観ることはあって、名前は知っていても読むことがありませんでした。

    今回初めて説得という作品を読み、こんな昔の作品なのになんだか自分もイギリスのこの舞台にいる気分になりました。


    アンという女性が繊細に描かれていて、その周りの人物の心理もとてもわかりやすく、結末がだいたいわかっていてもじっくりと読めました。

    こんな才能ある女流作家さんがいたんだなぁと。

    他の作品も読みたいです。

  • 解説に取り上げられている quotes は、物語を読んでいて自然と私が感激した箇所と一致していて嬉しい。円熟した作品だからこその、あの優れた表現なのだろうか! こういう引用したくなる優れた表現は、長編6作品を読んだが、唯一だと思う。

    ところで、主人公アンは、大人しいタイプに入るが、「マンスフィールド・パーク」のファニーや、「分別と多感」のエリナーとは違う。だから私は彼女に苛つかなかったし、彼女は家族から冷遇されているけれども、結末まで楽しく読むことができた。

  • こうなるはず、というところへの進み方を楽しむ本ですね。終盤、キタァ!!という気分でした。

  • この主人公アンは、いただけないですね。細やかな気遣いをして人に尽くし、地味で目立たないけど実はきれい。知性も教養もある。こういうタイプが一番苦手だし、嫌いだな。

  • 【ジェーンオースティン祭3冊目】
    美貌・家柄自慢・浪費家の虚栄心タップリの父・姉。悪気はないのだけど、不満たらたらで人を不快にさせがちな妹。そんな中で、軽んじられこき使われる嫁ぎ遅れの年増(?)の静かな良識派・アンの愛が成就するまでのラブコメディ。悪者達(?)の描写がこれでもかというほど過剰で痛快だが、この物語の肝は、話ができる人・通じる人の得ることのかけがえのなさ、価値であろう。

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著者プロフィール

ジェイン・オースティン(Jane Austen)
1775年生まれ。イギリスの小説家。
作品に、『分別と多感』、『高慢と偏見』、『エマ』、『マンスフィールド・パーク』、『ノーサンガー・アビー』、『説得されて』など。
1817年没。

「2019年 『説得されて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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