説得 (ちくま文庫)

制作 : Jane Austen  中野 康司 
  • 筑摩書房
4.24
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本棚登録 : 361
レビュー : 51
  • Amazon.co.jp ・本 (430ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480425348

感想・レビュー・書評

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  • 映画「ジェイン・オースティンの読書会」の中で一番印象に残った作品。

  • 解説に取り上げられている quotes は、物語を読んでいて自然と私が感激した箇所と一致していて嬉しい。円熟した作品だからこその、あの優れた表現なのだろうか! こういう引用したくなる優れた表現は、長編6作品を読んだが、唯一だと思う。

    ところで、主人公アンは、大人しいタイプに入るが、「マンスフィールド・パーク」のファニーや、「分別と多感」のエリナーとは違う。だから私は彼女に苛つかなかったし、彼女は家族から冷遇されているけれども、結末まで楽しく読むことができた。

  • こうなるはず、というところへの進み方を楽しむ本ですね。終盤、キタァ!!という気分でした。

  • この主人公アンは、いただけないですね。細やかな気遣いをして人に尽くし、地味で目立たないけど実はきれい。知性も教養もある。こういうタイプが一番苦手だし、嫌いだな。

  • 【ジェーンオースティン祭3冊目】
    美貌・家柄自慢・浪費家の虚栄心タップリの父・姉。悪気はないのだけど、不満たらたらで人を不快にさせがちな妹。そんな中で、軽んじられこき使われる嫁ぎ遅れの年増(?)の静かな良識派・アンの愛が成就するまでのラブコメディ。悪者達(?)の描写がこれでもかというほど過剰で痛快だが、この物語の肝は、話ができる人・通じる人の得ることのかけがえのなさ、価値であろう。

  • 映画でジェーン・オースティンの世界にハマってしまい、読んでみました。細かい心理描写に、もうほとんど主人公の気持ちになって読んでました。どんどん読めちゃう。まわりの登場人物も面白いですね。
    ブリジット・ジョーンズの日記を読んでたので、途中笑っちゃいました。

  • イギリスの階級制度とそれがもたらす強烈な特権意識は、読んでいてあまり気持ち良いものではないが、現実だったのだろう。主人公二人のような恋愛は夢のようで。私たちの実際は、八年もの間があればそれなりに適当な相手を見つける方が多いのではないかと思うと、小説が夢を見せてくれる。オースティンの描く人物は、性格づけがはっきりとわかりやすい。

  • オースティン作品の中、唯一映像化されたものが入手できなかった作品。
    でも読んでいて頭の中に映像が広がり、地味ながらもドキドキしながら読み進みました。
    主人公アンは目立たないが感受性と愛情の深い、素晴らしい大人の女性で、とても魅力的でした。
    オースティンはアンのような女性だったのでしょう。

  • 図書館で。これで長編は全部読んだかな。
    今回の主人公は若かりし頃の恋を諌められそのうちもっと良い人が現れるかもと思いつつもふっきれずに8年たってしまったというある意味可哀想な主人公。年配者は悪いことは言わない、若い人はせっかちだからと有益な助言を下さるけれどもある意味大きなお世話なのかもしれない。でも実際問題結婚した後で彼が敗戦し死んでしまったら目も当てられないし。結果論ってのはあると思いますけれどもね。
    まあでも覚悟が出来ているなら18でも自分の意志を貫くのもありかもしれません。とは言えそこまでの覚悟をその年で持つのはなかなか難しいとは思いますが。

    ありそうな俗物な登場人物が面白いですね。流石です。

  • オースティンの物語の主人公たちはいつもジェントリ出身であり──それは当時の文学界(作家・批評家・読者たちの構成する世界)のあり方の一端を想像させるけれど──、当時で言えばよほど生活に余裕がある人びとではあるけれど現代的にいえば「上流」に近接した「中流」である彼らの精神世界は、意識されるものであれそうでないものであれ、隣接する"クラス"との関係性により規定されている。

    上級貴族階級に対する憧れ・上昇願望はいつも公式の階級制度(爵位)によりさまたげられており、商人階級や農民階級に対する優位は彼らの経済的成功によりいつも脅かされている(産業革命、植民地帝国の版図拡大や第一帝制フランスとの戦争がこれを助長した)。

    したがって、公的権限の制約、経済的優位性の危機、構成メンバーの流動性(≒歴史と伝統の欠如)という事態に直面して、「教養」や「理性」、「礼節」や「気品」といった概念が持ちだされる。ようするに用法次第でどうとでもなる概念であり、メンバー間の暗黙の合意のもとで使用されることで"閉鎖性"を創り出すことば。それらの涙ぐましい努力について、作者は明らかにときに真剣にときに茶化して、繰り返し言及している。

    加えてオースティンの作品を読んでいて気が付くのは、19世紀初頭のそうしたジェントリの子女たちのこころが、いつもどちらかと言えば上方への同化願望ではなく下方への差異化願望により多く占められていることであり、当時における男女の対称性が透かし見える気がしなくもない。つまるところ上昇婚よりも、その反対のほうが大いにあり得るし、実際女性の側で何か"手を打つ"ことができるとすれば、それはやはり自身の地位を守るという方面においてだったということ。

    作者は、以上のようなことをどこまで意識的に自身の作品の中に織り込んでいったのか。それやこれや考えながら読むことができるのがおもしろい。

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