説得 (ちくま文庫 お 42-7)

  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (430ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480425348

感想・レビュー・書評

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  • キアヌ・リーヴスとサンドラ・ブロックの映画『イルマーレ』で出てくる小説。
    それをきっかけに読むことにした。

    『高慢と偏見』のジェイン・オースティンの小説だ。
    『高慢と偏見』は過去に読んだことがあるが、印象としては、少女漫画的だった。

    この小説も同じ印象だけど、高慢と偏見のような笑いがない。

    愛し合っていたのに結婚せず別れた2人が8年後に再会。
    アンの切ない気持ち、揺らぐ気持ち。

    しかし、読んでるとイライラしてくる。

    この人たちの生活がバカらしく見えてきてしまう。
    地位や金で人を見て、遊び回り、仕事はしてない。
    女は生きてる価値がわからない。こういう人たちって、生きてる価値があるのかと思う。
    結婚ばっかり考えなければならない。結婚しないと貧乏になって大変なことはわかるけど、女の地位はほんとに低すぎるな、と思わせる。

    パーティーしましょ。
    お金持ちと結婚しないとね。
    あの人は地位の低い人、高い人。

    そんな話に多くを割かれていて、そのあたりは本当につまらない。噂話好きな世間話を聞かされているようだ。
    そういう時代だったのだから仕方ないけど。もうわかったから、そんなのどうでもいいわーというぐらいしつこく書かれている。

    私は8年前のアンとウェントワース大佐の出会いと愛についての方をもっと詳しく描いてほしかった。
    どれだけ愛してたのか。そういうのを深く描いてほしかった。
    その8年前の愛と辛さを伝えたうえで、再会で2人はどうなっていったのか。
    そんなふうに描いてたらなぁ…と思った。

    結局のところウェントワースが金持ちになったから、結婚OKなの!
    この時点で貧乏だったら、本当に愛だのなんだの言いながら愛優先で結婚するかは甚だ疑問である。
    過去に一度のプロポーズで引き下がらず、仕事についてからもう一度プロポーズしたら良かったんだね!僕のプライドが許さなかったからそれができなかったんだ!もし2度目のプロポーズがあれば、結婚してくれた?
    アンは、それに、はいと答えている。

    結局のところ、お金は重要だから仕方ない。
    貧乏は愛をすり減らしていくから。
    だからこそ、本来は女性は自立できる力が必要なんだよなぁ。
    夫に買ってもらった高級車や装飾品を身につけてぶらぶら遊んでる女性はつまらない。
    理想は自立して稼いで自分でなんでもできる女性だなぁ。

著者プロフィール

ジェイン・オースティン(Jane Austen)
1775年生まれ。イギリスの小説家。
作品に、『分別と多感』、『高慢と偏見』、『エマ』、『マンスフィールド・パーク』、『ノーサンガー・アビー』、『説得されて』など。
1817年没。

「2019年 『説得されて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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