近所の景色/無能の人 (ちくま文庫 つ 14-4 つげ義春コレクション)
- 筑摩書房 (2009年1月7日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (345ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480425447
作品紹介・あらすじ
マンガ家として行き詰まった「私」は、中古カメラ業、古物業にも失敗し、多摩川で石屋を始める。売れないマンガ家の無為の日々を描いた連作"石屋シリーズ"『無能の人』など10篇を収録。
感想・レビュー・書評
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夫に勧められて拝読。
夫が石を拾う、俳句に興味を示すところが、登場人物と重なる。
生きにくい人が生きて行くための独特の世界観。
しみじみしたくないのに、しみじみしちゃう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
山の人からお借りした本。
暗い。暗いなぁ。
リゾートしらかみに乗ってるときに
読むべき漫画ではなかった。
主人公の奥さんが言った言葉
「私怖いわ。あなたの性格って自分で自分をだめな方へ追い込んでゆくんだもの。」が印象的
あとがきにあるストリップ女優
一条ゆかりさんのコメント
「自分の弱さを正直に表現できるのって、やっぱり内面の強さがあるからだし、才能のある人だから、弱さも魅力的に見えてくる」
これには深く頷いた。思い当たる節がある。
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情けない男(夫)とそれに振り回されても耐える女(妻)の話。
こんな男が実際に周りにいたら嫌だが、つげ義春の漫画の中ではなんとも云えぬ哀愁を感じさせ、ずーんと胸に迫るからほんと不思議。
社会の流れから取りこぼされた男達のダメっぷりが、傑作を生み出している。
「散歩の日々」のラストでは頭をガーンと殴られたような衝撃を受けた…。
貧乏くさくて陰気な子どもも、作品のみじめさをいっそう盛り上げる。
何度も出てくる三助が可愛くて好きだな。
ダメダメな父親なのに「父ちゃん、ぼく迎えに来たよ」とやってくる三助がいじらしい。
三助達親子3人が宇宙の星の中にたたずみ、「なんだか世の中から孤立してこの広い宇宙に三人だけみたい」と言うコマに、なぜか一瞬ホッとする。好きなシーン。 -
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/764265 -
心がドーン、、、
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石、拾ってきますね。
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寡作かさく 相模原で古本屋を営んでいる 藤沢の江ノ電デパート鎌原観音堂 戦後のどさくさに朝鮮の人たちが集まり 調布市 狛江市 雷魚 檸檬の気分 野川 焼きそば屋 三百円くすねた 福生市 米軍基地 菖蒲しょうぶ湯 多角経営 母ちゃんがね父ちゃんは虫けらだって 貧すれば鈍する 日活撮影所 競輪場のある駅 笛吹川 カスミ網 甚深無量広大無辺 なる東洋の思想こそ人類救済に残されたる唯一の道なのである 目白 深山幽谷を彷彿させ 零落 甲州の釜無川 ただ寂寞と年をとるだけだ 虚無僧 高度資本主義社会に機能しない無用の存在ってわけだ 漫画業界に芸術は無用の長物なんだよ 伊那の高遠出身というが 背取師 鴨長明 蒸発譚 俳諧はいかい 辞世の句 井月全集 推敲を重ねた後 情けなくって可愛いい人 男の弱さが好きな女をホロっとさせる色っぽさを持っているのだろう
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以前新潮文庫版は読書済みだが、既に手元にない本なので購入。
(新潮文庫版とは作品の選択に違いあり?)
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つげ義春もまた漂泊者なのである。
そのアリアはちんまい実生活と漂泊への夢想の中で揺れ動きつづけ収まることはない。
小説には「私小説」というジャンルがあるが、つげ義春のこの作品群はいうなれば「私漫画」なのである。
おそらく今後もこれだけの「私漫画家」は現れないだろう。 -
もし女に生まれていたなら、つげ義夫さんみたいな人と一緒になりたかっただろう。粋でセクシー。お金は無くても。