織田作之助 (ちくま日本文学 35)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 103
レビュー : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (475ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480425652

感想・レビュー・書評

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  • ふと『夫婦善哉』と『可能性の文学』が読みたくなって購入。『ニコ狆先生』以外は読んだことあり。
    収録作品は前述の作品を含む11作品。以前読んだ『ちくま日本文学021 志賀直哉』と同じく、人名やあまり聞き慣れない単語は、欄外に簡単な注釈が付いている。読んでいる時とても助かった。

    ダメなところに目が行きがちだけど、どこか憎めず、たくましく生きる登場人物たち。軽妙な大阪弁。当時はこんな感じだったのかな、と思わせるミナミの情景。知っている地名やお店の名前などが出るたび、ニヤニヤしながら読んだ。

    収録作品の中で特に好きなのは『可能性の文学』。
    棋士・坂田三吉の死に始まり、そこから文壇の批判や自身の主張へと展開を持っていく手腕はお見事。織田作之助から見た、旧態依然とした文壇がどんなものだったか、なかなかに興味深かった。
    太宰治と坂口安吾と銀座のルパンで鼎談した時と、その後、織田作之助の泊まる宿舎に坂口安吾が乱入してきた時のエピソードが結構面白い。「坂口安吾フリーダムすぎるだろ!!」とか、「ちょ、オダサク、そんな理由で坂口安吾のこと大いに見直したの!?」とか、心の中でツッコミを入れまくっていたのはいい思い出。

  • 登場人物がどこか自虐的で明るい話がなかったが気分が悪くなるような後味が悪い話があまりないのがよかった。特に可能性の文学が面白いと思った。

  • オダサクようやく履修できた。落語の人情噺のような、独特な読後感。阿部定の話おもしろかったな。オダサク研究もちょっと目を通さないと

  • 勧善懲悪の途中まで。


    まだ夫婦善哉しか読めてないけど、もしかしたら織田作之助は苦手な類の作家では…?と思った。

    司書さんに探してもらったものなので、再度借りる時もそのように。

  • 著者自身も「無頼」を貫いた方だったようです。普段はあまり著者と作品を繋げて読まないようにしているのですが、この短編集にはまるで著者自身を投影しているような、所謂頼りにならず、どこか調子の良い(酷い言い草…!)主人公像が多く描かれています。
    以下印象的な作品を簡単に。

    『馬地獄』
    馬も人さえも越えるのに難儀するとある橋で出会った紀州訛のひとりの男。舞台はとある橋の上、作品自体たった4頁という枠の中でありありと広がる昭和初期の生きた風景。

    『夫婦善哉』
    しっかり者の妻と優柔不断なダメ夫が、喧嘩を繰り返しながら共に人生を歩んでいく様を描いた名作。今のご時世こんなダメ夫は自分のためにさっさと手放すのが正解だと思ってしまう。男も男だが女も女と言うべきか。

    『アドバルーン』
    人生はふわふわと右へ左へ、人の縁もふわふわと紡ぎ、離れ、また紡ぎ……放浪をするように歩んだ「私」の半生。

  • 2016年3月新着

  • ニコ狆先生が好きだなあ!

  • 最高でした。
    面白かった。

  • ここに収められている「木の都」を読みました。時折通る「口縄坂」が登場しているせいか、光景がスルスルと私の目の前に現れ、まるで私がつい何日か前に知人から「こんな事があったよ。」と聞いたような、親しみを感じます。とつとつと語られていて、素晴らしい一作です。

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著者プロフィール

1913年10月、大阪市生まれ。1933年から創作活動を開始し、1938年に小説「雨」を発表。1940年に「俗臭」が第10回芥川賞候補となる。同年に発表した「夫婦善哉」が改造社の第1回文藝推薦作品となり、以降、本格的に作家活動を開始。1946年4月に発表した「世相」が評判を呼び、作品発表の機会が劇的に増えるも、1947年1月、肺結核のため東京にて死去。その直前に評論「可能性の文学」を発表し、作風の転換を図っていた矢先のことだった。太宰治、坂口安吾らと共に「新戯作派」「無頼派」と呼ばれ「オダサク」の愛称で親しまれた。

「2019年 『織田作之助 女性小説セレクション 怖るべき女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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