よいこの君主論 (ちくま文庫 か 54-1)

  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480425997

感想・レビュー・書評

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  •  学級内統一のために小学生たちが奸計謀略を巡らし抗争するというイカした物語。
     癖のありすぎる5年3組の小君主たちが、遠足、ドッジボール大会、マラソンといったイベントも巧みに利用しながら政争を繰り広げる様を、マキャベリズムの視点から解説してくれるので、何となく勉強になった(ような気分にもなる)。

     やり過ぎ感溢れるノリと解説の鬼畜コメントにグッとくる。また、プリンの誘惑に負ける小学生らしさと、愚民をコントロールしてのける辣腕とが共存するあたりの配分もいい。読んでいる最中は終始変な笑みが浮かんできて愉快だった。



  • 〈困ったなあ、クラス替えから2ヶ月経つのに、いまだにクラスで覇を唱えられないんだ〉

    そんな太郎くんに、マキャベリの君主論を持ったフクロウ先生がレクチャーをしてくれます。

    遠足の300円分のおやつ、5円のお菓子をクラス全員に配るか、300円のお菓子を仲の良い友達と分けるか、どちらが好感度上げに有効かな?

    ライトノベルですね。さすがちくま文庫。
    君主論読んでみたいけど、難しそうだなという方は橋渡しに。
    しかし、悪ふざけがおおいなーー笑

  • 中世のマキアヴェッリの著『君主論』をモチーフに、小学5年生のクラスで権謀術数を用いて全グループを統一するという設定の小説。

    極悪非道な小学生が出てきて、ちょっと現実離れしているところがまた面白い(笑)最後は謎な大団円(笑)

    組織の中でこうした小学生のようにふるまうのはどうかと思いますが、まあ小説ということで良し・・・

  • 【いまの日本でも通じる??】
    君子論の主旨は理解できますが、現代、特に日本などの先進国においては少し違った意味で当てはまると感じます。

    かなりの部分で先進国は評価経済社会になってきていますので、評価が高い・人気があるひとが上位へランクされます。
    君子論では戦略的な興作を講じて評価(驚異)を高めていきますが、現代では、ほとんどプラバシーがないため、悪質な方法で評価を高めても、すぐに化けの皮が剥がれて意味がありません。

    評価を高めるという意味では同じですが、高める道筋が異なります。あまり悪質に評価を高めることはできません。

  • マキャベリの君主論なんて、高校の世界史で覚えただけで読んだこともないですが、本書を読んで是非とも読みたくなった。
    わかりやすく君主論を伝える為の本だけど、毒があって読み物としても面白い。
    子供には毒ですね。R12といったところかな(笑)

  • Mon, 07 Dec 2009

    マキャベリの「君主論」という有名な著作がある.
    君主たる者の心得を書いた本である.
    実は私も読んだことがない.
    かかれた当初は評価も高くなかったが,後になって
    評価がたかまって,今では古典の一つだそうだ.

    現代風としてはビジネス書で君主論の紹介が為される場合が多くリーダーシップ論を説く著作として紹介される事があるそうな.
    でも,君主論が役立つのってビジネスだけじゃ無いよね
    ということで,もっと身近な事例を通して,
    日常生活において「覇を唱える」為のノウハウとして君主論をわかりやすく解説しようというのが本書.

    実は,「完全教祖マニュアル」と同じ著者が以前に書いた本.
    「小学生の時から帝王学を学んで君も君主(社長)になろう!」
    とい啓発本!!???
    物語調ですすむのだが,
    部隊は目立小学校,五年三組.
    4月には 様々な仲良しグループという小国家(!!??)が乱立し
    群雄割拠の様相を呈する.
    各,仲良しグループには君主(リーダー的存在!!??)が存在し,
    これらのグループが様々なイベントを通して,統一されていくプロセスが
    描かれている.

    強引ななかに,少しはエッセンスというのは
    この著者ならではの感じだ.
    ・駄菓子屋さんの選択
    ・運動会
    ・ドッチボール大会
    などなど
    を通して,リーダーの名声が揺らいだり,各生徒がどのリーダーに着くのが有利不利か
    感じたりしながら五年三組の形勢は徐々に変化していく.
    まぁ,三国志を 五年三組に写しこんだような話しになっています.
    章ごとにイベントがあり,そのたびにグループが併合されたり,
    崩壊したりする.

    そこでマキャベリの君主論を用いて,その理由を解釈するってわけだ.
    そこそこ「なるほどなぁ」とおもう
    でも,マキャベリの君主論がどんなもんかわかったかといえば
    ビミョーかもしんない・・・・・・
    なかなか面白かったが,三〇名ほどの小学生の名前が全部ひらがなで
    誰が誰かをフォローするのが大変でしたorz

    最終的にはひろし君が天下統一します(笑)

  • 変な本。(誉め言葉)

    1990年代風ベッタベタ展開なのに、最近の子が最近出した本なのな!ふはは、愉快。嫌いじゃないよ?(告白)

  • さらっと読めた。小学校のクラスを舞台に君主論…面白かったw

  • 第28回天満橋ビブリオバトル テーマ「友」で紹介した本です。
    チャンプ本。
    https://www.facebook.com/photo.php?fbid=520543641331172&set=a.364728766912661.97479.322792657772939&type=1

  • マキャベリの君主論をおもしろおかしく理解したい人におすすめ。
    正直、君主論がわからなくても小学五年生の子供たちがクラスの覇権争いをするって話だけでも非常に面白かった。

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著者プロフィール

1980年生まれ。広島県出身。作家。著書に『仁義なきキリスト教史』『完全教祖マニュアル』(辰巳一世との共著)など多数。

「2020年 『仁義なき聖書美術【新約篇】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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