ノーサンガー・アビー (ちくま文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480426338

感想・レビュー・書評

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  • ジェイン・オースティンの処女作。私にとっては4作目である。

    冒頭はこんな感じで始まる。

    "子供のころのキャサリン・モーランドを知っている人は、彼女が小説のヒロインになるように生まれついたなんて絶対に思わないだろう。彼女の境遇、両親の人柄、彼女自身の容姿と性格など、どこから見てもヒロインとしては完全に失格だった。"

    本作のヒロイン・キャサリンは17歳と年若く、世間知らずだけれど心優しく、特筆すべきは妄想家であること。
    キャサリンは10人きょうだいの4番目、優しい父母のもとすくすく育てられる。ちなみに、これまで読んだオースティンのヒロイン家族は大体強烈だったけど、キャサリンのモーランド一家は一転、皆平凡で善良である。

    朗らかでちょっと天然な、"普通のパッとしない"ヒロイン。
    そんなヒロインが、しゅっとしていて洗練された身のこなしの、シニカルで優しいイケメンのヒーローと恋をする。
    …なんとなくキラキラした目にほっそりしたウェストと手という、昭和の少女漫画がイメージとして浮かぶ。今やステレオタイプともいえるヒロイン像だけど、この小説の書かれた200年前、こんな平凡なヒロインの方が異例で型破りだったのだ。いわば、昭和のヒロインの先駆け(?)ともいえる。

    高尚な文学や詩との比較で、小説なんて…と低俗な扱いをされていたらしい時代、オースティンは猛然と小説を擁護し、新しいヒロインを作り出し、これぞ我らがヒロイン!として売り出した。そんなオースティンの鼻息の荒さは、作者語りの多さにも見てとれる。

    "そう、我らがヒロインは、作品の中で小説を読んだのである。なぜなら私は、小説家たちのあのケチくさい愚かな慣習に従うつもりはないからだ。"

    そんなわけで、キャサリンは小説が大好きなヒロインとして描かれ、作中には、たくさんの当時の流行りの小説が登場する。

    キャサリンは一家の住むフラートン村の地主夫妻に連れられて、リゾート地のバースを訪れる。ここでキャサリンは牧師のティルニー氏と出会い、恋をする。ティルニー氏の妹のミス・ティルニーは、清楚で気品のある美人で、キャサリンと親交を深める。
    タイトルのノーサンガー・アビーは、ティルニー家の屋敷で、屋敷の名前に『アビー』がつくと元修道院だったことを示す。キャサリンは、ミス・ティルニーに誘われて、ノーサンガー・アビーに滞在するのだけど、アビーはキャサリン愛読のゴシック小説の舞台として出てくることから、キャサリンは今でいうところの聖地巡礼!的なミーハーさで、ノーサンガー・アビーでの滞在を堪能する。妄想が暴走するところはご愛嬌(笑)

    ティルニー氏らの父、ティルニー将軍は、キャサリンを丁重に遇するのだけど、ときどき暴君でどうも嫌な感じが拭えない。このティルニー将軍が一応はキーになるのだが、その他にも、バースで知り合ったイライザとジョンの兄妹が話をかき回してくる。このへんのオースティンお得意のコミカルさは読みながら笑いがこぼれる。

    最後はけっこう駆け足ではある。読者に委ねるスタイル?をとったのかもしれないけど、せっかくなのでもう少し丁寧に描いてほしかったかな。

  • 以前に読んで面白かった代表作『自負と偏見』に続いて読んだ著者作品。

    十七歳のキャサリンが、大地主の夫婦に連れられて訪れた温泉地の社交場でヘンリーという美男子の牧師に恋をする。タイトルの「ノーサンガー・アビー」はヘンリーの実家である、イギリスでも一番古い屋敷のひとつ。「アビー」は元修道院を意味する。主人公キャサリンは主に中盤まで温泉地バースに滞在し、その後に舞台はノーサンガー・アビーへと移る。

    起伏の少ない物語がダラダラ続くと感じるうちに最終盤に差し掛かり、少ない紙数でどのように折り合いをつけるのだろうか懸念していると、まるで打ち切りにあった連載作品かのように強引に着地してしまう。恋愛ものとしては大きな見せ場であるはずのプロポーズの描写までもが非常に簡素に終わる。親友の翻意、ヘンリーの兄である大尉の行動の不審さ、ヘンリーの父のキャラクターなど、不可解または読者の理解を得られそうにないままで結末を迎える。エンタメ作品でありながら、そこで期待される要素を無視するかのような展開に戸惑う。

    「当時の小説のワンパターンのヒロイン像に異を唱え、これをからかうパロディ小説」を書くためにあくまで普通の少女を主人公に据えたとする訳者あとがきに納得する。嫌悪感まで抱かせはしないまでも、キャサリンという平凡な少女にも取り立てて美点は見当たらず、年相応の妄想好きな少女にすぎない。終盤に表される、ヘンリーがキャサリンに好意をもつに至った理由などは、まさしく作品の性格を象徴する一文だろう。一部登場人物であからさまな金銭的な動機付けも含め、人間の聖より俗を描くことに重きが置かれている。

    本作は執筆後に『スーザン』『キャサリン』とタイトルを変えながら(作品内で『ノーサンガー・アビー』が特別に何かを意味するでもなく、主人公名そのままのほうが妥当に感じる)、結局著者の死後にいたるまでは出版されなかったようなのだが、そのことをあまり不思議だとは感じない。当時のステレオタイプな小説に異を唱えるという試みを差し引いても、それほど優れた作品ではないだろう。同著者の『自負と偏見』と比較してもその差は歴然としており、あえて誰かに薦めたいとは思わない。それにも関わらず、エンタメ作品には似つかわしくないある種の現実味が特に説明もなく植え付けられている奇妙さのためか、妙な印象を残す小説ではあった。

  • 【ジェーンオースティン祭り6冊目】
    ジェーンオースティン祭りの最期の一冊。前半は少しかったるいが、登場人物が出そろい動き始める後半、相変わらずの面白さ。主人公キャサリンは6冊の中で一番素朴で自然に可愛い。全て自分に都合良く考える美人のイザベラの軽薄な発言が楽しすぎ。

    しかし、ジェーンオースティン。一応「文学」なのに、それも、自分は恋愛小説嫌いなはずなのに、ホントに楽しく読み終えた。通勤の細切れの読書でも、一頁一頁をめくるのが楽しいなんて思いを久しぶりに経験した。終わってしまってホントに寂しい。

    【ジェーンオースティン祭総括】
    さて総括。オースティンの小説は、6冊の主人公のキャラクターが違うところが読みどころらしい。このうち年齢が最も若く幼く素朴なのが「ノーサンガー」のキャサリン。跳ねっ返りで機知に富みからかい好きなのが、「高慢」のエリザベス。これに知性を少し差し引き、お馬鹿さ・お節介好きの陽気さを加味したのが、「エマ」のエマ。反対にひたすら内気ななのが「マンスフィールド」のファニー。「分別と多感」のエリナーが知性もあるバランスのとれた良識型。これが更に成熟してやたらできすぎた人間なのが「説得」のアンか。主人公としては、やはり一番エリザベスが魅力的。

    全体についていうと、物語キャラクター(男性キャラクターも)共に面白いのが「高慢」で、登場人物が全て分別くさすぎだけど、ストーリー展開が面白いのが「マンスフィールド」あたりだろうか。「エマ」は階級臭が強すぎてちょっとというところがあった。ただ、皮肉っぷりなど一番冴え渡ってオースティンらしいのが「エマ」かもしれない。ただいずれにせよ、どの本も粒ぞろいで十二分に楽しんだ。

    【余談】
    ここでつらつら、自分が一番好きな女性主人公って誰だろうと考えてみたが、多分、「ジェーンエア」のジェーンだと思う。不美人で愛嬌も全くなく、頑固。でも、自分の足でスックと立ち、身一つで全てを引き受け、観察眼が鋭くシニカルで、率直で、大人。最も好きな外国文学であり、思春期に何度も読み返した思い出の書の一つでもある。

  • 日本人にもつとも愛されてゐるイギリスの小説家はだれか。

    もちろん大衆作家はのぞきますよ。さうしないとコナン・ドイルとアガサ・クリスティーの一騎討ちになつてしまふ。(それにしてもこの二人の人気は驚くべきものである。現今の作家が束になつても十九世紀生れの紳士と淑女に勝てないのだ)
    シェイクスピアも劇作家なので対象からはづれますね。すると、ディケンズは『クリスマス・キャロル』以外はなじみがないし、ブロンテ姉妹はそれぞれ一作しかない(残念ながらアンは予選落ちです) 。
    ヴァージニア・ウルフ? あまりに知識人向けである。
    D・H ・ロレンス? グレアム・グリーン?
    いまひとつ決め手に欠ける。

    ではだれかーーみなさんもうおわかりでせうね。それはジェイン・オースティンである、といふのがわたしの結論です。カズオ・イシグロもイアン・マキューアンも十八世紀生れの閨秀作家にかなはないのである。

    なぜオースティンは現代人にも人気があるのか。
    第一に、すべてハッピーエンドであること。読み終つていやな気分になることがない。これは大事ですね。素直な読者を喜ばせる。
    第二に、皮肉な観察眼がある。つむじまがりの読者も白けることなく読み進められる。
    第三に、しかしそのユーモアは穏やかである。イヴリン・ウォーのやうな黒い哄笑は読者が限られる。少なくとも家庭向きではない。
    第四に、日常描写が心地よい。読者は女主人公に 好感を持ち、彼女の幸せを願ふ。
    第五に、サスペンスが充満してゐる。これは説明がいるかもしれませんね。(「説明がいる」を「説明がゐる」と書くのは誤用である)
    彼女の小説はみなラブロマンスではないか。どこにサスペンスがあるのか、と反論してくる人もゐるかもしれません。しかしすぐれたラブロマンスはたいていサスペンスの要素を備えてゐるものである。オースティンの描く女主人公はみな恋の障害に悩まされる。その障害はある時はものわかりの悪い父親であり、ある時は意地の悪い女友達であり、またある時は自分自身の心である。女主人公はすんでのところで恋をあきらめかけるが、ひよんなことから成就の手がかりが舞ひ込んでくる。この緩急のつけ方がオースティンはたいへんうまいんですね。彼女が二十世紀に生れてゐたら探偵小説を書いてゐたのではないかしら。『エマ』などを読むと特にさう思ひます。軽薄な美男子の不可解な行動は何を意味するのか。もの静かな娘はなぜピアノを見ただけで動揺したのか。そして主人公エマが真に愛する人とは誰なのか。これらの謎が解き明かされる終盤はまさに探偵小説そのものといつてもいいでせう。(しかしかう論ずると、探偵小説はのぞくといふさきほどの規定にひつかかりますね。まあ狭義の探偵小説ではないといふことで目をつぶつてください)
    第六に、娘ごころを熟知してゐる。これは『高慢と偏見』を翻案した『ブリジット・ジョーンズの日記』が大ベストセラーになつたことを挙げれば十分でせう。ちかごろは少女マンガが隆盛を極めてゐるさうですが、オースティンの小説は元祖少女マンガといつてもいいでせうね。

    さて『ノーサンガー・アビー』の女主人公は小説を読みすぎた十七歳の娘キャサリン・モーランドである。小説を読みすぎた小説の主人公といへばもちろんドン・キホーテだが、セルバンテスが騎士道小説のパロディを書いたやうにオースティンはゴシック小説のパロディを書いた。(ところで、地の文に作者の主張がはさまるのはフィールディング『トム・ジョウンズ』の影響なのだらうか。識者の教えを請ひたい)

    われらがキャサリンは温泉街バースで素敵な紳士ヘンリー・ティルニーと出会い、彼の実家である古い屋敷、ノーサンガー・アビーに招待される。 古い屋敷といへばゴシック小説では幽霊や血まみれの死体が出ると相場が決つてゐる! キャサリンは妄想をふくらませ、箪笥の奥から巻紙を見つける。これは謎の古文書に違ひない! しかし案に反して巻紙はただの洗濯物の請求書だつた。
    こりないキャサリンはヘンリーの父ティルニー将軍に疑ひの目を向ける。妻は病死したと言つてゐるが、本当は殺されたのではないか? いや、この屋敷のどこかに幽閉されてゐるのかもしれない! キャサリンは一人で屋敷を探索するが……。

    かうした妄想は大兄(この漫文を読んでゐる君のことです)には大なり小なり身に覚えがあるでせう。オースティンは小説の愛読者の痛いところをついてゐる。それでゐて辛辣ではないんですね。彼女の風刺はあくまでも穏やかで、快活である。そしてからかふ相手(ここでは主にアン・ラドグリフ『ユードルフォの謎』)にも敬意と愛情がある。次のやうな会話を読めばそれは一目瞭然でせう。

    「でもキャサリン、今日はいままでひとりで何をしていたの? 『ユードルフォの謎』を読んでいたの?」
    「ええ、今朝起きてからずっと読んでいたの。いまちょうど黒いヴェールのところよ」
    「ほんとに? まあ、すてき! でも、黒いヴェールのうしろに何があるか、ぜったい教えてあげないわ! ものすごく知りたいでしょ?」
    「ええ、すごく知りたいわ。いったい何かしら? でも言わないで。言ってもぜったい聞かないわ。たぶん骸骨ね。きっとローレンティーナの骸骨だわ。『ユードルフォの謎』はほんとに面白いわね。一生読んでいたいくらい。あなたに会う約束がなかったら、ぜったいに途中でやめたりしなかったわ」

    小説を読む興奮がなんといきいきと描かれてゐることだらう! (それにしてもここまでほめちぎられてゐる『ユードルフォの謎』のまつとうな邦訳がいまだにないのは憂ふべきことである。出版社の奮起を望む)
    ところで本作がほかのオースティンの小説と同様、メロドラマの要素を兼ね備へてゐることにも注意が必要である。実はキャサリンが妄想をふくらませる場面はそれほど多くはない。前半のバースでは不愉快な自己宣伝家ジョン・ソープと財産目当ての美女イザベラ・ソープの兄妹がキャサリンとヘンリー(そしてその妹)との仲を引き裂かうとするし、後半のノーサンガー・アビーでは傲慢なティルニー将軍がキャサリンを翻弄する。

    愉快なパロディが横糸にある一方で、いつもの、いや、後年のオースティンらしい恋の障害が縦糸として存在してゐるからこそ、読者は飽きずにページをめくることができるのである。

    本作はオースティンが二十二、三歳のころに書かれたといふ。その後かうしたパロディ的要素は次第に影をひそめてゆくのだが、どうだらう、もし彼女が五十六十と長生きしてゐたら、またこちらの世界に戻つてきたのではないだらうか。惜しげもなく笑ひをふりまき、スターンの『トリストラム・シャンディ』にも比肩しうるナンセンス文学の傑作を書いたのではないだらうか……

    おや、妄想がすぎたやうだ。わたしも少し小説を読みすぎたらしい。

    • 穂波さん
      丸谷才一さんご登場ありがとうございました。ふふ。いつもながら上手いなぁと。

      いま手元には『ジェーン・オースティンの読書会』文庫版があり...
      丸谷才一さんご登場ありがとうございました。ふふ。いつもながら上手いなぁと。

      いま手元には『ジェーン・オースティンの読書会』文庫版がありまして、読み始めようかでもわたしまだ『高慢と偏見』しか読んでないしもうちょっといろいろよんでからにしようかなとかぐずぐずしているところです。『ノーサンガー・アビー』(ダウントン・アビーとちょっとごちゃごちゃになっている)もおもしろそうですねぇ。
      2014/06/09
    • シンさん
      こんばんは。久しぶりに読んだオースティンでしたが、びっくりするほどスラスラ読めました。その意味ではライトノベルと言ってもいいくらい。そして楽...
      こんばんは。久しぶりに読んだオースティンでしたが、びっくりするほどスラスラ読めました。その意味ではライトノベルと言ってもいいくらい。そして楽しい。『ジェーン・オースティンの読書会』私も未読です。面白そうなんですけどね~。丸谷さんの文体についてですが「娘ごころを熟知してゐる」のところは自分でも書いててニヤリとしてしまいました。娘ごころなんていまどき言いませんもんね(笑)。そういう、今の時世から取り残されているところも好きでした。
      2014/06/10
  • あっはっは!
    やー、笑った笑った!
    冒頭からオースティンが冴え渡っていて、何度吹き出したことか。
    物語も面白くはあるんだけど、何冊もオースティンを読んでいると、ちょっとヒロインが年上男性に導かれるパターンが多いのが気になる。
    「高慢と偏見」などはダーシーの方もエリザベスによって変わるけど、今作ではキャサリンが崇める一方だし。
    でも、今作はところどころでオースティン自身の突っ込みが一人称でガシガシ入るのが良かった!
    『そう、われらがヒロインは作品の中で小説を読んだのである。なぜなら私は、小説家たちのあのけちくさい愚かな慣習に従うつもりはないからだ。(中略)ああ! 小説のヒロインが、別の小説のヒロインから贔屓にされなければ、いったい誰が彼女を守ったり、尊敬したりするだろうか?』
    最高!

  • いやー、面白かった!
    200年以上前の小説とは思えないぐらい普通に面白かったです。なんか少女漫画っぽい。少し間抜けで、ちょっとおバカだけど優しくて可愛らしい女の子キャサリンが主人公。ゴシック小説が大好きで妄想が凄い。そんなキャサリンが周りの濃いキャラクター達のなかで翻弄しながらも素敵な男性を射止める物語。
    とりあえず、イザベラとジョンの兄妹がウザ過ぎて笑える。でも、今でもよーゆー奴っているよなー!って思うわ。
    主人公キャサリンの間抜けぶりも愛らしくて可愛いです。

  • 小説のヒロインが美人ばかりなのに憤慨してたのはジェイン・オースティンだったでしょうか。いや、笑わせていただきました。登場人物紹介欄から笑える本ってなかなかないですよ。
    我らがヒロイン・キャサリンは、美人だと褒められれば大喜びできる程度の容姿と、ゴシック小説は大好きだけど歴史小説になるとお手上げというレベルの知性と、音楽も絵画もまるっきり、家の内装もどこを褒めたらいいのか分からないような教養の持ち主。性格も特別個性があるわけではありません。ただとにかく素直で正直、世間知らず。親友にないがしろにされたのにも気づかないし、他人に否定的な感情をもつにも時間がかかるという有り様です。「そんなやつ、とっとと喧嘩ふっかけて追いやってしまえ!」「いやそれ全然親友じゃないから。」と読者をやきもきさせるほどです。しかしその純朴さと素直な愛情で夫を手にいれるのですから、性格の良さは身を助けますねー。
    たまに著者の視点を小説に登場させていて、その意見がまた面白い。小説家が自分の作品の登場人物に小説を読ませないのをけちくさいといい放ち、突然ストーリーに絡まない人間をだすような作法に反することはしていないと明言。ことあるごとに「普通小説の中では~」と例をひく。小説家としての立ち位置が実に興味深いです。小説のテーマが何かは読者の手に委ねるとなっていますが、これは「想像力を無駄に発揮せず、現実を見て自分の身の丈を受け入れるのが幸せへの近道」ということだと私は思います。

  • ジェインオースティンの作品の中では『ノーサンガー・アビー』が1番好きです。
    ヒロインの妄想が突っ走り、とても微笑ましく思います。

    アビーと言えばドラマDownton Abbeyも有名ですね。

    ゴシック様式の貴族館!
    そこには何か秘密が詰まっていそう。
    フフフ❤︎

  • オースティンの長編、4作目だがもしかしたら一番好きかもしれない。瑞々しい少女の可愛らしさと、ドタバタした筋立ての妙に満ちている。なにより小説に対するオースティンの考えが良い。

    「つまり小説とは、偉大な知性が示された作品であり、人間性に関する完璧な知識と、さまざまな人間性に関する適切な描写と、はつらつとした機知とユーモアが、選び抜かれた言葉によって世に伝えられた作品なのである」

  • オースティンの処女作。
    23歳から24歳の頃に書かれたという。

    主人公キャサリン・モーランドは、作品中もっとも若い17歳。
    頭の良い元気な娘だが、ゴシック小説と現実と混同したりして、なかなかコミカルタッチ。

    物語の展開や最後のオチが乱暴なのは第一作の故だろうが、いくらオースティンといえども、それぐらいはね。

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著者プロフィール

ジェイン・オースティン(Jane Austen)
1775年生まれ。イギリスの小説家。
作品に、『分別と多感』、『高慢と偏見』、『エマ』、『マンスフィールド・パーク』、『ノーサンガー・アビー』、『説得されて』など。
1817年没。

「2019年 『説得されて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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