- Amazon.co.jp ・本 (382ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480426499
感想・レビュー・書評
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「死者の書」が抄録なのが惜しいけれど、そのこだまのような「神の嫁」、湿度の高い「生き口を問う女」、神隠しに題材を採った「むささび」等、どれも絶品だった。小説は全体の三分の一ほどで、論考部分が多く、祭や古語、妖怪学と少しずつ多岐に渡っているので、折口の書いたものをちょっとずつかじってみるには良い本だと思う。折口や鏡花みたいに亡者や妖怪寄りの人が書いた本は、いつ読んでも面白い。
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やはり折口信夫の論文は読みづらいな
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民俗学者でもある折口信夫さんの小説や戯曲を東雅夫さんが1冊の本に編集したものです。
折口さんは『死者の書』で有名だけど、なんだかんだで死者の書も含めて未完のものばっかりなんだよね。
雰囲気は良くても話を完結させられないってのは、やっぱりどうかと思うなぁ…。
未完だからこそ名声を留めているのかもしれないと思ってしまったりもします。
最後がつまんなくてボロクソ言われちゃうお話も世間にはいっぱいあるからさ。
だから『ガラスの仮面』も未完のままなのかも? -
『死者の書』的な濃厚さを期待していたが少し違い、未完も含む短編の物語と各種論考。
論考に重きを置いて短編の物語があまり収録されていなくて残念。
でも『稲生物怪録』は以前『江戸怪奇草紙』で読んだものよりも生き生きとしていて挿絵も含めてかなり面白かった。 -
折口信夫の怪奇をテーマにした短編集。
とはいえ編者は、東雅夫氏で、未完の作品も多い。なので、帯にあるように「折口文学のエッセンス」だけだといえる。
釈迢空の歌が好きだし、何よりも「死者の書」が好きなのだ。「死者の書」は、何年かおきに読み返す数冊の中の1冊なのだ。
あの密度を期待すると、ちょっと肩すかしをくらう。
が、あの雰囲気を願えば、世界は一変する。もしかして、彼は見えざるものが見えていたのだろうか、そんな人外を感じている空気感に圧倒される。
おしいのは、未完が多いところなんだろう。
けれど、未完にしてしまったところも、また折口信夫らしいといえばらしいのかもしれない。彼は、画龍点晴なことになるのを恐れたのかもしれない。
そう思いたい。
著者プロフィール
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