- Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480426727
作品紹介・あらすじ
篆刻、書画、陶芸、料理などに多彩な才能を発揮し、斬新なアイデアと卓越した美意識とで一大旋風を引き起こした魯山人が、生涯にわたって追究した料理の真髄。四季折々の食材への徹底したこだわり、その持ち味を最大限に引き出す料理法、さらにはもてなす客人への細やかな気配りなどを、余すことなく披瀝する。
感想・レビュー・書評
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篆刻、書画、陶芸、料理に才能を発揮した魯山人が、生涯にわたって追究した料理の真髄。
食材への徹底したこだわり、持ち味を最大限に引き出す料理法から、客人への細やかな気配りなどを披露します。
高級料理だけではなく、家庭料理にも言及。
若い時に読みましたが、今再読してみると、また違った発見がありました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
例えば「握り寿司の名人」の章では、「今にトマトの寿司、コンビーフの寿司、サンドイッチの寿司、トンカツの寿司など、創意創作が無暗やたらと現われ、江戸前を誇った勇み肌の寿司屋など跡を絶たねばならなくなるだろう。サンドイッチの寿司だって本当に現れないとは限るまい」と、まるで現在の回転寿司チェーン店のメニューを予言するかのような記述を取ってみても、魯山人が料理に関する極めて確かな見識を持っていたことが首肯される。
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【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/764200 -
著者の考え方はぶれることなく頑強で、平均からずいぶんと振り切れたところにあるみたい。私は距離を取って、すごいなあと楽しむことができるけど、料理に本格的にかかわる人が読むとどうなんだろうと、少し心配になるくらい、バッサバッサと切り捨てている。一方で、先入観のために美味しいものを知り逃すことのないよう、まずは試してみるらしい。印象に残ったのは「実行することが大切」「まずいものはなんとしてもうまくならぬ(材料の吟味が大切)」。
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画家・陶芸家・書家・料理家 etc... 様々な分野で活動した、北大路魯山人の、料理哲学と人生観がまとめられた一冊。時代背景などを考慮して読まなければなりませんが、若い世代の料理人の皆様にも、きっと発見のある一冊だと思います。個性とは何か… 家庭料理と料理屋の料理の違いは何か… などについて、独特の考えを表明しているのです。
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美食家、北大路魯山人の料理本ということになっている。確かに美食家の話が収録されていて、その具体的な方法なども書かれている。丁度最初と最後の部分に魯山人の食に対する総論が語られている。食に美を求めた魯山人の話は、料理に限らず、あらゆる分野に通じる誠の言葉があるように思えた。各論の部分では、鵜呑みにできない話もあるかもしれない。ただ、全体として、正しく大意を受け取るなら素晴らしい本だと思う。特に女性にとは言わない、近代人すべてに今一度、食べ物ってものを再考し再認識するのにもいい本だと思う。
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超凡たる文化人の料理本とのことで、おっかな手に取ったが面白い。だしの取り方、茶漬の作り方、真似はできないけど根本の考え方は参考になる。
結局言いたいのは、真心と誠実が大切、ということかなあと勝手に思ってる。あと素材 -
北大路魯山人。食と美の巨匠が料理の神髄を語る本書は、彼の残した最大の遺品の一つだろう。超上から目線のもの言い、一般の料理人を小馬鹿というよりはバカと決めつける。彼の目線には何が見えていたのか、本当に興味がある。
料理と食器。その双方がなし得るハーモニーを楽しむ。最高であること、を求め続ける。その彼が認めるのは、久兵衛だ。寿司とも江戸前ともうたっていない店構え、久兵衛の主の人柄とその彼の作る味にはケチのつけようもない。薄く切った寿司だねに懸念を示すのみだ。
わさびの軸を料理に使う。この食材を使い切る、使えるところを最大に活かす使い方を心得ることが料理人の質を決めるという部分はさすがと唸る部分であろう。知るとは、ここまでやって知るということ。やはり、考え抜くこと、感じ抜くことでしか見えない世界がある。これは料理に限った話ではないなと思う。
そしてもう一つが、嗜好品や高級なものが美味しい理由はもちろんあるが、一方で庶民的な食べ物にもこれまた精通しているところがすごい。納豆茶漬けである。納豆を練る、少し練っては醤油を少したらす。これを繰返して、納豆を練り上げる。それを熱いご飯の上にかけて、お茶を注ぐ。これが美味いと言う。今度やってみようかな、と思える。お茶は煎茶に限ると。天茶も好きらしい。大根おろしと天ぷらを熱々の茶でいく、塩で味を整える。タレは濃いのでやめた方がいい。この茶漬けのくだりあたりでぐっと唸る。魯山人とは何者なんだろうか。 -
エッセイ。
著者の他書と同じくサクサクした美学の切り口。
落ち着いた時に読み直したい。 -
俗人を見下し気味。