春夏秋冬 料理王国 (ちくま文庫)

  • 筑摩書房
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本棚登録 : 100
レビュー : 18
  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480426727

作品紹介・あらすじ

篆刻、書画、陶芸、料理などに多彩な才能を発揮し、斬新なアイデアと卓越した美意識とで一大旋風を引き起こした魯山人が、生涯にわたって追究した料理の真髄。四季折々の食材への徹底したこだわり、その持ち味を最大限に引き出す料理法、さらにはもてなす客人への細やかな気配りなどを、余すことなく披瀝する。

感想・レビュー・書評

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  • 著者の考え方はぶれることなく頑強で、平均からずいぶんと振り切れたところにあるみたい。私は距離を取って、すごいなあと楽しむことができるけど、料理に本格的にかかわる人が読むとどうなんだろうと、少し心配になるくらい、バッサバッサと切り捨てている。一方で、先入観のために美味しいものを知り逃すことのないよう、まずは試してみるらしい。印象に残ったのは「実行することが大切」「まずいものはなんとしてもうまくならぬ(材料の吟味が大切)」。

  • 画家・陶芸家・書家・料理家 etc... 様々な分野で活動した、北大路魯山人の、料理哲学と人生観がまとめられた一冊。時代背景などを考慮して読まなければなりませんが、若い世代の料理人の皆様にも、きっと発見のある一冊だと思います。個性とは何か… 家庭料理と料理屋の料理の違いは何か… などについて、独特の考えを表明しているのです。

  • 美食家、北大路魯山人の料理本ということになっている。確かに美食家の話が収録されていて、その具体的な方法なども書かれている。丁度最初と最後の部分に魯山人の食に対する総論が語られている。食に美を求めた魯山人の話は、料理に限らず、あらゆる分野に通じる誠の言葉があるように思えた。各論の部分では、鵜呑みにできない話もあるかもしれない。ただ、全体として、正しく大意を受け取るなら素晴らしい本だと思う。特に女性にとは言わない、近代人すべてに今一度、食べ物ってものを再考し再認識するのにもいい本だと思う。

  • 超凡たる文化人の料理本とのことで、おっかな手に取ったが面白い。だしの取り方、茶漬の作り方、真似はできないけど根本の考え方は参考になる。
    結局言いたいのは、真心と誠実が大切、ということかなあと勝手に思ってる。あと素材

  •  北大路魯山人。食と美の巨匠が料理の神髄を語る本書は、彼の残した最大の遺品の一つだろう。超上から目線のもの言い、一般の料理人を小馬鹿というよりはバカと決めつける。彼の目線には何が見えていたのか、本当に興味がある。
     料理と食器。その双方がなし得るハーモニーを楽しむ。最高であること、を求め続ける。その彼が認めるのは、久兵衛だ。寿司とも江戸前ともうたっていない店構え、久兵衛の主の人柄とその彼の作る味にはケチのつけようもない。薄く切った寿司だねに懸念を示すのみだ。
     わさびの軸を料理に使う。この食材を使い切る、使えるところを最大に活かす使い方を心得ることが料理人の質を決めるという部分はさすがと唸る部分であろう。知るとは、ここまでやって知るということ。やはり、考え抜くこと、感じ抜くことでしか見えない世界がある。これは料理に限った話ではないなと思う。
     そしてもう一つが、嗜好品や高級なものが美味しい理由はもちろんあるが、一方で庶民的な食べ物にもこれまた精通しているところがすごい。納豆茶漬けである。納豆を練る、少し練っては醤油を少したらす。これを繰返して、納豆を練り上げる。それを熱いご飯の上にかけて、お茶を注ぐ。これが美味いと言う。今度やってみようかな、と思える。お茶は煎茶に限ると。天茶も好きらしい。大根おろしと天ぷらを熱々の茶でいく、塩で味を整える。タレは濃いのでやめた方がいい。この茶漬けのくだりあたりでぐっと唸る。魯山人とは何者なんだろうか。

  • 希代の美食家、北大路魯山人によるエッセイ集のような本。初出は1960年とのこと。

    およそ食い物にまるで興味のない自分がなんでこんな本を持っていたのか、いまとなってはよくわかりませんが、意外に読みやすそうだったので、この暮れの御殿場・山中湖旅行中に読みました。

    料理人の心構えみたいなものを厳しく説いている本です。個々の料理に関しては案外具体的に、というかいささか偏執的なまでのこだわりが見て取れるのですが、つまるところは料理に対する向き合い方が問題になっています。

    "よいものがよく見えないで、悪いものが良く見えるのは単に料理だけに限らない。この傾向は今日の日本のあらゆる面にはびこっている。そしてこの事実は、日本の価値を低下させている。料理する人は、料理に対する深い自覚と反省がなければならない"(P.225)

    ううむ。頑固じじいの説教といえば確かにそうかもしれない。他人に対する露骨な批判も多く、料理に一家言ある人には反論したくなるところもありそうです。ただわたしはとにかく食い物に無頓着なもので、感心して読んでおりました。

    実行に重きをおいた人物らしく、魯山人の残した著作は数少ないようです。日本料理のお好きな方は何かの縁だと思って読んでみるのも一興かと思います。

  • エッセイ。
    著者の他書と同じくサクサクした美学の切り口。
    落ち着いた時に読み直したい。

  • 俗人を見下し気味。

  • 異端の人。料理への思い入れが半端ないって。

  • 美食というよりゲテモノ食いのようになってしまっているのだが、食を追求するとこうなるのだろうと納得したりもする。面白い趣向だ。

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著者プロフィール

北大路魯山人 (きたおおじ ろさんじん)
料理研究家・陶芸家・書家=本名房次郎。1883(明治16)年、京都・上賀茂神社の社家の次男として生まれる。1904(明治37)年、日本美術展覧会の千字文の書で一等を受賞。その後、篆刻、陶芸に手を染める。19年には古美術商を営むかたわら、会員制の「美食倶楽部」を発足させる。25年には東京麹町に、当時のセレブを対象にした日本料理の料亭、星岡茶寮を創設、顧問兼料理長に就任。26年、北鎌倉の山崎に窯を築き、星岡窯と称した。料理と陶磁器と書に鬼才を発揮、新境地を開いた。美食に人生をかけ、美的生活に耽溺した。1959(昭和34)年12月21日、好物のタニシのジストマによる肝硬変で死去。

「2020年 『魯山人の和食力』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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