ねにもつタイプ (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
4.05
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本棚登録 : 1352
レビュー : 193
  • Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480426734

作品紹介・あらすじ

コアラの鼻の材質。郵便局での決闘。ちょんまげの起源。新たなるオリンピック競技の提案。「ホッホグルグル」の謎。パン屋さんとの文通。矢吹ジョーの口から出るものの正体。「猫マッサージ屋」開業の野望。バンドエイドとの正しい闘い方-。奇想、妄想たくましく、リズミカルな名文で綴るエッセイ集。読んでも一ミクロンの役にも立たず、教養もいっさい増えないこと請け合いです。

感想・レビュー・書評

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  • ミランダ・ジュライの「いちばんここに似合う人」を訳した人、で知る。ミランダのあの不思議な世界を自然な日本語で訳していて、感動した。どんな人なんだろうって気になった。

    読んで、ミランダとタイぐらいぶっ飛んでいて、またびっくりした。大声笑いが止まらなくなって、電車では読めなくなった。

  • 三浦しをんさんが絶賛されていたので読んでみるも、、、うーん、、シュールを超えてちょっと怖い。
    いくつかふふっとなる部分もあるのだけれど、全体的に何かねじが飛んじゃっているようなふわふわしたエッセイ。

  •  笑えるエッセイ数あれど、爆笑の域にまで達するのは原田宗典だけだった。何年かぶりに概念が覆った。この岸本さんの『ねにもつタイプ』に収録されている話にはどれもこれも笑った。電車で肩が震えた。家で思う存分笑いながら読まないと駄目だと思った。文章がすごくリズムが良くて間が絶妙。この間を感じさせる文章って技術だなぁ。匠だなぁ。それと表現もおもしろくて、例えば「生きる」という項目では、トイレットペーパーを新しく買ってきて補充しようとすると以前の分が1個だけ残っていたけれど構わず新しいのを手前に入れたら突然その古いトイレットペーパーが抗議の声を挙げだす。もうこの時点で大概可笑しいのだけれど、岸本さんはそんな抗議の声を無視して呪いの言葉を吐かれる。

    “やれやれと思い、私は机に向かう。だがなんだか気持ちが落ち着かない。物の分際で生意気な。「呪ってやる」とは笑わせる。だいたいトイレットペーパーごときに呪いの力があってたまるか。仮にあったとして、どんな呪いが可能だというのだ。トイレで並んでいると必ず横入りされるとか。でもって入ると必ず紙がないとか。それが一生続くとか。”(133ページ)

     岸本さんはとてもユーモラスで脱力した笑いの持ち主だと思う。電信柱の根本をくんかくんかと嗅いでいる子供がいるような(他にもおかしなことが起こる)町で暮らすのが不安になり、引っ越した先の町が普通なことに喜んで、嬉しさのあまり電信柱の根本をくんかくんかと嗅いだとか、短期バイトの寮のおばさんが変わっていて、友人が体調崩して寮に戻ると全裸で立っていたとか、会社の命令でフレンチ・カンカンを踊るためだけに大阪に行ったとか、もうとにかく笑った。力を抜いて笑いたいときには是非お供に。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「脱力した笑いの持ち主」
      それだから、ケッタイな小説を見つけてきて訳されるのか、それとも癖のあり過ぎる翻訳をされているうちに、感化されたの...
      「脱力した笑いの持ち主」
      それだから、ケッタイな小説を見つけてきて訳されるのか、それとも癖のあり過ぎる翻訳をされているうちに、感化されたのか、、、知りたい。
      2014/04/14
  • 半妄想系脱力エッセイ。普段気にもとめないことが、とたんに無性に気になったりする、そんなかんじが、この本を読んでいると、ふつふつとわきあがってきました。書きすぎず、説明しすぎずという文章のつくりかたもまた、その「ふつふつ」をうまい具合に促してくれます。とても楽しい読書でした。ところが、知人に貸して、返ってこなくなりました。かなしい。(2015年12月2日読了)

  •  岸本佐知子女史の二冊目になるエッセイ集。
     前作と同じくニヤニヤしながら読み進めた。
     やはり「ニコニコ」ではなくて「ニヤニヤ」が似合う面白さだ。
     虚実入り混じった作品もあれば虚あるいは実だけで押し通した作品もある。
     虚だけで押し通した作品の面白さを考えたら、ちょっとした短編を書いても面白いものが出来るんじゃないかって思えてくる。
     機会があったらぜひ書いて欲しいものだ。

  • 一つ一つに愉快な妄想が詰まった風船の束。そんなエッセイ集。

    岸本さんが訳した本を読んで、気になって手にとってみたら、こんなにも面白い文章を書く方だったとは。
    電車で何度もにやついてしまった。

    ホッホグルグル問題、疑惑の髪型、ピクニックじゃない、マイ富士
    が印象に残っている。強烈に。

    各話についているイラストもまた魅力的。

  • 岸本さんの虚実織り交ぜたエッセイ集です。
    日常生活から、助走もなく、ぐぐんっと妄想の世界に引っ張りこまれている。
    ああ、この感じ、本当に癖になる。
    今回はちょっと虚の割合が多めだと感じたのですが、実は本当のことだったりするんだろうか…?、と妙にどきどき。

    しばし笑いが止まらなくなって困ったのは、「矢吹ジョーの口から飛び出すものを腎臓だと思っていた」というくだりです。(…無論、マウスピースのことですw)
    もうあのシーンを目にするたびに、「あ、腎臓…」と思ってしまうに違いない…。

  • 面白いんだけど、最後の一行でオチをつけるパターンが続くのが気になる。

  • どこかでお勧め本にされていたので手に取ってみた。
    オリンピックが嫌いだという理由は私の考えとタブるものがあって共感できたが、今一つなエッセイ集だったな。

  • 「見えない車軸を飛び越える遊び」
    やりました。小学生時代、アホほどやりました。小学生の妄想は、一切なんらかの有益さも産みださない純度100%の妄想だ。ひとつオトナになる度に妄想は薄ぼんやりした現実へと移行し、気が付けば汚れっちまった悲しみに浸っている。

    しかし稀にこの妄想を「経験と語彙」という武器を携えて、時に白痴めいた、時に狂気を孕む妄想へと昇華させるオトナが現れる。妄想の天才。妄想を描き続けるのもひとつの才能だ。この天賦の才を持つ立派なオトナは、当世みうらじゅんか伊集院光か穂村弘かこの人、な気がする。

    ニタニタニタニタニタニタ。
    ニヤニヤニヤニヤニヤニヤ。
    止まらない。

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著者プロフィール

翻訳家。訳書にリディア・デイヴィス『話の終わり』『ほとんど記憶のない女』、ミランダ・ジュライ『最初の悪い男』、スティーブン・ミルハウザー『エドウィン・マルハウス』、ジャネット・ウィンターソン『灯台守の話』、ジョージ・ソーンダーズ『短くて恐ろしいフィルの時代』など多数。編訳書に『変愛小説集』『楽しい夜』『居心地の悪い部屋』ほか、著書に『なんらかの事情』ほか。2007年、『ねにもつタイプ』で講談社エッセイ賞を受賞。

「2019年 『掃除婦のための手引き書 ルシア・ベルリン作品集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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