お寺の経済学 (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 105
レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480426772

作品紹介・あらすじ

日本全国にあるお寺の数は約7万6000。これはコンビニの4万店を大きく上回る。その「お寺」の世界を経済学的に分析することで見えてくる檀家制度・葬式・戒名・本山と末寺の関係などの本質とは?そして、経済学と仏教という人間の知恵を共存させるためにするべきことは、いったい何か?「法衣・仏壇ビジネス」の仕組みについて分析した「補章」も収録。

感想・レビュー・書評

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  • へぇ~。お寺でのの「お金」について
    わかりやすく述べられています。

  • お寺についてあまり知らない人もぜひ。

  • 2010年(底本2005年)刊。
    著者は慶応義塾大学商学部教授。

     表題に「経済学」とあるが、お寺事業の社会的・利用者目線の効用分析を示すわけではない。とはいえ、仏教思想を議論するというわけではない。
     本書は、仏教活動の歴史的経過と現行制度(税務面を含む法制度)、あるいは現代での利用者の意識変革を踏まえつつ、お寺の事業体(表向き非営利が基軸だが、それに限られず、黒に近いグレーゾーンは数多)の特徴を解説し、その上で未来像を素描する書である。

     仏教の宗教的行動・活動に関する歴史的な経過に相当の頁を割いている。確かに、宗教行為は歴史的な経過を経て現代に至っていることからすれば、これを無視すべきでないことは明らかだし、叙述自体はなかなか面白いが、正直、こちらが期待した内容とは違ったかもしれない。

     一般に信教の自由⊃宗教的活動の自由とされる中、信教の自由を錦の御旗に立て、宗教活動を行う組織体を監督する権限をどこにも持たせていない。
     にもかかわらず、信者から受け取る布施や預かり資産が多額であったり、税務上の優遇措置、つまり非課税対象が広範囲で認められている。
     そのため、税務当局ですら把握できない資産につき、その管理がブラックボックス化し、ひいてはこの制度を悪用する者の跳梁跋扈を防ぎ得ていない。
     これが仏教を含む宗教団体の社会的な問題意識の最たるものではなかろうか。

     しかし、実のところ、どのようにバランスをとるべきかという理念も、具体的な対応策も見出せているわけではなく、本書もそういう意味ではそれほどの内実を感じるわけではない。


     なお、本書で最も興味深い記述は、沖縄内の仏教・寺の在り方、その特異性である。ウチナンチューの史的展開も踏まえるので、トリビアは多い。

  • なるほど。お寺さんも大変である。

  • 解説: 山形浩生

  • 3か月前に読んで、もう忘れてしまった。

    経済学者からみたお寺の色々。
    黙ってても人が集まってくるような、
    有名じゃない大多数の小さい寺は、
    もっと努力して、自由経済に身を投じてみよう。
    じゃなきゃじり貧だよ。
    という話だった気がする。

  • 一般人からすると、不明瞭にも思えるお寺の資金源や経済体系を、過去、仏教が歩んできた経緯をたどることで、いかに合理的なシステムであったかを知ることができた。

    経済学という俯瞰で捉える視点が新鮮であり、他の仏教解説本にはない切り口。墓質や葬式仏教と揶揄される、現在の日本仏教。これは、日本人の宗教観が抱える潜在的な問題。

    生々しい具体的な金額や暴露話はないが、日本人であるなら一読の価値はある。

  • ちょっと物足りなかった。
    視点は斬新なんですが。

    お寺や教団が公開しているお金に関するデータや利用できる数字が少ないので仕方がないのかもしれない。
    経済学と銘打ってるけど、それほどつっ込んだ分析はない。
    経済学というより檀家制度、戒名、本山と末寺の関係などその歴史や制度・文化的側面を軸にして書かれている。保護規制や規模の経済や情報の非対称性などの経済ワードは出てくるんだけどね。

    お寺の仕組みと日本仏教の歴史の知識を整理するのにいい本かと。。

  •  お寺の経済学と題されているが、経済学的な分析は多くを占めていない。むしろ歴史的に形成されてきたお寺をめぐる状況についての評価が大部分を占める。経済的な分析が不十分となっているのは経済的なデータが公表されていないことに依るが、その点の改善は必要ではないだろうか。

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著者プロフィール

中島 隆信(ナカジマ タカノブ)
慶應義塾大学商学部教授
慶應義塾大学商学部教授。1960年生まれ。慶應義塾大学大学院経済学研究科後期博士課程単位取得退学。博士(商学)。専門は応用経済学。著書に、『経済学ではこう考える』(慶應義塾大学出版会)、『高校野球の経済学』(東洋経済新報社)、『お寺の経済学』(東洋経済新報社)、『大相撲の経済学』(東洋経済新報社)など。

「2018年 『新版 障害者の経済学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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