ヘミングウェイ短篇集 (ちくま文庫)

制作 : 西崎 憲 
  • 筑摩書房
3.66
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本棚登録 : 200
レビュー : 19
  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480426840

作品紹介・あらすじ

マッチョなイメージの強いヘミングウェイだが、彼はモダニズムの作家として、繊細でおそろしいほどの切れ味をもつ短篇を生みだした。彼は、女たちをひじょうに優しい手つきで描く。弱く寂しい男たち、冷静で寛大な女たちを登場させて描きだしたのは、「人間のなかで人間であることの孤独」だった。ジョイスが完璧と賞賛した「清潔で明るい場所」をはじめ、14作を新訳・新編集で贈る。

感想・レビュー・書評

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  • ヘミングウェイはいいぞおじさん

    「清潔で明るい場所」が好き

  • 長編のほうが面白い気がする。
    台詞のテンポ感が短編だと物足りない。

  • 「清潔で明るい場所」…家庭を持っているか否か、孤独を解するか否かで二人のウエイターのどちらに共感するかが分かれると思う。上司との飲み会に死んでもつき合いたくない部下の君には理解できないが、「この人もいろいろ大変なんだな」とちょっとならつき合ってやる余裕のある君には理解できるだろう。
    「白い象のような山並み」…この男の、「結局はどっちでもいい」感が、服屋で彼女に「どっちが似合うと思う?」と聞かれて適当に答える彼氏の図に見えた。
    「殺し屋」…自分の部屋でベッドに横たわり静かに死を待つ男。「明日世界が滅ぶなら今日一日何をする?」と問われたら自分もこうなりそうだと思った。
    「贈り物のカナリア」…最後の「ぼくたちは別居するためにパリに戻ってきたのだった」がモームっぽい皮肉だなと思った。
    「あるおかまの母親」…おかまは借りた金を決して返さないってひどい偏見だな。つまり君との絆を借金という形でもつなぎとめておきたいんだよ、わかってあげて。
    「敗れざる者」…ヘミングウェイ闘牛好きだったんだな。私の感覚では闘牛ってすごく残酷な見世物だと思うのだけど、血が滾るという人たちもいるんだね。弁髪と書かれるとどうしても清朝を想像してしまうので、訳は変えた方がいいと思う。
    「密告」…死ぬまで「いい店だった」と思わせておいてやりたいという、ちょっと上から目線の優しさ。
    「この身を横たえて」…好き。眠れない人間の気持ちは眠れない人間にしかわからない。夜横になりながら、蚕が葉っぱを齧る音を聞いているこの感じや、川の一か所一か所で釣りをする様子を思い浮かべること、知っている人間を一人一人思い出してその人たちのために祈ること。眠れないのに慣れている人間が数えるのは羊などではない。
    「この世の光」…一番大きい女が350ポンドはあるに違いない、と書かれているのだけど、キロに換算すると約158kg?158kgの売春婦?横綱鶴竜が156kg…混乱。しかしアリスの顔と声は清らかで澄んでいるさわやかな印象が残る不思議。
    「神よ、男たちを愉快に憩わせたまえ」…ヒエェ…
    「スイスへの敬意」…カフェの店員って面白いですよ。
    「雨のなかの猫」…とことん甘やかしてくれる他人と、無関心で冷ややかな夫。対比がすごい。
    「キリマンジャロの雪」…談話室でおススメしてもらった。感想は「短い小説を読む会」参照。
    「橋のたもとの老人」…動きたくないんだろうなぁ…。原発事故で汚染されようと津波で押し流されようと故郷に留まりたいと願う人たちがいるように。

  • 『清潔で明るい場所』はホントに短くて、すぐ読めた。
    『キリマンジャロの雪』は難解な作品だった。

  • 場面展開はしない代わりに、カフェに流れる空気感とか、場の雰囲気がとてもいい。
    言葉のおもしろさでいえば「清潔で明るい場所」ほか多数、構造のおもしろさでいえば「スイスへの敬意」といったように、それぞれに見所あり。一読で分かってもないくせに、あれもこれも挙げたくなる。
    10年以上前に「老人と海」を読んだときは、テーマは明確でも間延びを感じるような点があった気もする。他方、この人の短編の、テーマが見えづらいのに何かしら惹きつけ続けてくるこの力は、強い。

  • 何かの本でヘミングウェイの殺し屋達の会話に注目していたが確かにインパクトある。
    他の短編も訳が良いせいか会話が淡々と深くて良い。

  • 清潔で明るい場所、キリマンジャロの雪が秀逸。敗れざる者も良い。「彼女をまったく愛さなくなって、噓をついているのに、彼女がくれる金への代償を前より多く与えることができるようになったのだ。」もう一度読み返したい。

  • 『清潔で明るい場所』『白い象のような山並み』『殺し屋』『贈り物のカナリア』『あるおかまの母親』『敗れざる者』『密告』『この身を横たえて』『この世の光』『神よ、男たちを愉快に憩わせたまえ』『スイスへの敬意』『雨のなかの猫』『キリマンジャロの雪』『橋のたもとの老人』全14篇

  • 「清潔で明るい場所」が一番すき。ヘミングウェイもこういう場所を求めていたのかな。

  • 配置場所:摂枚文庫本
    請求記号:933.7||H
    資料ID:95100221

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