アメーバのように。私の本棚 (ちくま文庫 な 19-2)

著者 :
  • 筑摩書房
3.42
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本棚登録 : 81
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (525ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480426901

感想・レビュー・書評

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  • 古今亭志ん朝、森茉莉、荷風、東海林さだお、、というやや手練れの読書家の一つのパターン。橋本治というショウモナイオッさんの文脈がプンプン。

  • ベスト・オブ・中野書評。

    母親が買ってきて、読ませてもらい
    あまりにも面白く自分用に買ったのであった。

    思い返せば、
    私が大・大・大好きで、何回読んでいるかわからない、
    「言わなければよかったのに日記」(深沢七郎)
    「ボートの三人男」(ジェローム・K・ジェローム)、

    そして尾崎翠を教えてくれたのは
    中野さんなのであった。
    (こちらの本に「ボートの…」は出てきません)

    中野さんと森茉莉さんが出会ったエピソード、
    森茉莉ファンにはたまりませぬ。

    まだまだこの世にはこんなにも楽しく面白く
    読んでない本がたくさんある!

    と、嬉しくまたソワソワと焦ってしまう本。

    どこから読んでも面白く、でもちょっとのつもりが
    読み続けてしまう。

    ただ一つ、題名の「。」が嫌なのですが、
    これは本当に私の好みの問題。

  • 本は読んでも読んでも尽きることはないのです。
    読書欲も知識欲も煩悩。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「読書欲も知識欲も煩悩」
      求めて止まないコトは、人間の根源ですからね。
      「読書欲も知識欲も煩悩」
      求めて止まないコトは、人間の根源ですからね。
      2012/04/11
  • 本の本
    書評

  • 019

  • 2010年3月10日、初、並、帯無、ちくま文庫
    2015年5月2日、新潟関屋店BF
    2016年7月2日、金沢駅西本町BF

  • ちゃんとした批評眼のある人の書評は、本を選ぶときの指標になります。その人の選ぶものが例え偏っていようがなんだろうが、その書評家本人が「自分は偏っている」ということをきちんと自負していて、その書評家のスタンスをきちんと理解できていれば、特に問題は無いわけです。

    人間、どう頑張ったって一生のうちに出会い、読むことのできる本には限りがあるので、自分と感性が合う「行きつけの書評屋さん」の一人や二人でも見つけておいて(できれば硬い書評を書く人と柔らかい書評を書く人の両方)、彼らが勧めるものに乗っからせてもらう、というのがてっとり早いかと思ってます。自分で掘り出し物を見つけ出す喜びは減りますが、玉石混交の中から光るものを素人が見つけるのは難しいので。

    で、この本。
    著者がいろんなところで書いてきた書評のうち、「著者が後世に残していきたいと思っている本を紹介している書評」が集められてます。「上手く書けた書評」ではなく「ベストセラーの書評」でもないところがミソ。本が好きで、単純に好い本を語り継ぎたいんだろうなぁという意図が見えます。
    前半は新書(とは言っても古いものは90年代)、真ん中に著者の読書に影響を与えた作家の紹介、後半にいわゆる古典の書評を配してます。特に古典は渋い。ベタに知られてる作家から、高校の国語便覧でも数行しか紹介されていない(あるいは紹介されていないのではないかと思われる)作家まで含まれてます。

    書評集なので当然、ここから自分で着になった本をチョイスしてみたんですが、メモした本は意外にも10冊弱。100冊ちょいは紹介されてるんですが、これを基準に本を選ぶというより、中野翠という人の「偏愛」(これは後がきの著者自身の評から)によって作られた本棚を俯瞰で見て、そこから気になる本の背表紙に手を伸ばして中をペラペラ見させてもらった、というような印象です。

    紹介されてる本は、新書も古典もクセのあるものが多いと感じたので、普段、同じようなジャンルの本ばかり選んでしまうという方は参考までにチラ見してみてはいかがでしょうか。

  • NHK-BSマンガ夜話「ちびまる子ちゃん」の回でゲスト堀井憲一郎さんに野口さんに髪型もキャラも似過ぎと言われてしまった中野翠さん。単行本ではここの件はカットされてますw。

    以前のコラムや書評からのより抜きということで採り上げた本は基本的に絶賛しているのだが、例外的に荻野アンナ「背負い水」(芥川賞受賞作)の酷評だけがセンターポジションにw。ある意味レジェンドなので再録は当然なのだが。

    是非また「いいかげんにしてよアxネス(・チxン)」本を林真理子・群ようこと鼎談で。日本ユxセx(寄付金の流れが不透明らしい)と本家xニxフ(黒柳徹子さんがいる方)の比較対照とかつっこんで欲しい。日本で出版できないなら海外の出版社で日本語&外語訳付きでネット通販すれ!

  • ようやく出た、中野翠のちくま文庫。4月に購入。
    何年ぶりか。文の初出も10年以上前のものが多い。
    しかし、いつものように趣味も近く、中野女史のほうが自分より未熟感があるものがあったりで(円生も寅彦も評価が遅すぎ、である。)親近感あり。文中で出てくる”獅子文六の自由学校”なんかは先週末図書館でvideoで借りかけたものだった。

  • 文庫オリジナル編纂。とはいえ、『ムテッポー文学館』などから、および、各紙誌に掲載分をまとめたもの。「平成の初めから今に至るまで――。約二十年の間に書いた書評の中から、特に「これは残したい」と思ったものを中心に選んで、一冊にまとめました」とのこと。もちろん「残したい」のは、著者の文章ではなく採り上げられている本たちのほう、ということですけれど。? 平成雑食? 心の師たち? 古書探索? 本の時代に感謝をこめて以上の4章立て。「心の師」は、森茉莉、山田風太郎、福田恒存、ドナルド・E・ウエストレイク、の4人。こういう、採られている本そのものよりもむしろそれに仮託して著者自身の思いが語られるものが、私は好きです。彼女の書いたもの、もともと好きだし、「そうそう、そのとおり」とか「私はそんなふうには感じないけどなぁ」などと言いながら読めるので、とても愉しい。でも、20年という時間のせいか(第1章は、そのつどの新刊だったりする)、新刊・古書が1冊の中で語られているせいか、「このちくま文庫1冊」として見たときに、ちょっと支点が定まらないかなぁ、という気もしました。それも含めて「本の時代」にありがとう、ということなのでしょう、それはよくわかります。「読みたい本」もまた増えちゃいました。『アメーバのように。』って、アメーバのように分裂・増殖を続ける本たちのことかと思ったら、「アメーバのように、原形質の流動によって体の一部を突き出し、仮足を形成しながら行う運動」のごとく「あてどもなく興味のおもむくまま」に読んだり書いたりしてきた著者自身のこと、らしい。ヨナキウサギの頁では☆4つでいいのですが、読了直後の「感じ」で、☆を減らしています、ご了承を(☆3.5ぐらい、です)。いずれも私的感懐です。この本自身が「偏愛中野文学館」です。ウサギもまた、ウサギ的偏愛感想にて。失礼。

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