夜露死苦現代詩 (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
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レビュー : 29
  • Amazon.co.jp ・本 (391ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480427021

感想・レビュー・書評

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  • 詩っていうのは身の回りにあふれているんだなぁと思う。何気ない標語なんかも詩だし。いま現代詩を行き詰まらせてるのは、難しくして生き残ろうとしている奴。『すべての芸術はまず落ちこぼれに救いの手をさしのべる、貴重な命綱だったはずだ。』

  • 痴呆系、点取り占い、お色気五七五、池袋母子餓死日記、玉置宏の話芸、32種類の夢は夜開く、ヤンキー刺繍、ヒップホップ、統合失調症、ネット、誤変換、湯飲み、見世物小屋の口上詩、渋谷の街の即興歌人。相田みつを美術館。

    普段いろいろなところで目にするフレーズこそが詩だよ、といわれるとなるほどと思います。

  • 文学の一ジャンルとしての「現代詩」は古びて世間から乖離見られない存在になってしまったが、市井の中にはリアルな「現代詩」が存在するーそうした観点から、徹底的に街中の現場に落ちている「現代詩」を収集し、まとめあげた労作。

    登場するのは、点取占い、死刑囚の俳句、風俗店のキャッチコピー、アンダーグラウンド・ヒップホップなど、本当に多岐に渡る。

    その中でも特に素晴らしいと感じたのは、玉木博の話芸である。昔の歌謡曲のイントロの間にその歌の世界観を自らの言葉で表現し語る司会者としての力量には感服させられる。

    ============
    言えないことを 言いたくて
    飲めないお酒を 飲みました
    見れない夢が 見たくって
    切ないうそも つきました
    みんなとけてく グラスの氷
    恋も 涙も 思い出も
    「酒と泪と男と女」
    川島英五さんが唄います
    (本書p112より引用)
    ============

  • あらゆる権威や名声からも一番遠い所にある現代詩に光をあて、
    あれとこっちと何が違うんだ?と鋭く問う。

    読んでいても小馬鹿にしたような調子はなく、リアリティを持った言葉を生み出した人に対する敬いや共感が滲み出ているのは、都築さんの人柄だと思います。

  • 人生八十年と言いたかったであろう痴呆の方の発言「人生八王子」に始まるパワフルなことばの数々。前奏における玉置宏の話芸がすごい。ナレーションは活字ではなかった。一回しゃべると消えてなくなってしまうものでよいという潔さ。都築さんが集めた巷のことばと現代詩の違いは谷川俊太郎さんとの対談で説明されます。詩人格がありやなしや。痴呆や認知症、商業目的の呼び込みせりふの中に「詩」人格があるか、という観点から仕分けされるようです。

  • そこに詩を見るセンスがすき

  • 単行本で既読。

著者プロフィール

1956年東京生まれ。ポパイ、ブルータス誌の編集を経て、全102巻の現代美術全集『アート・ランダム』(京都書院)を刊行。以来現代美術、建築、写真、デザインなどの分野での執筆・編集活動を続けている。93年『TOKYO STYLE』刊行(京都書院、のちちくま文庫)。96年刊行の『ROADSIDE JAPAN 珍日本紀行』(アスペクト、のちちくま文庫)で、第23回木村伊兵衛賞を受賞。その他『賃貸宇宙UNIVERSE forRENT』(ちくま文庫)、『現代美術場外乱闘』(洋泉社)『珍世界紀行ヨーロッパ編』『夜露死苦現代詩』『珍日本超老伝』(ちくま文庫)『ROADSIDE USA 珍世界紀行アメリカ編』(アスペクト)『東京スナック飲みある記』(ミリオン出版)など著書多数。

「2018年 『白い孤影 ヨコハマメリー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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