闇屋になりそこねた哲学者 (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
4.00
  • (7)
  • (10)
  • (5)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 116
感想 : 13
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480427113

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 【あらすじ】
    木田元という哲学者がどのように若い時に生きて、哲学者になったかの自伝。
    【感想】
    何がきっかけでこの本を取ったのか思い出せないが、非常に読みやすい語り口だと思った。
    この人が大成したのは色々な要因があるんだろうけど、私が思うにとにかく人と触れ合うことが好きだったからだと思う。本の中にはかなり多くの人が出てくるが、どの人についてもよく知っていて、何かしらのエピソードを交えて語れるのは、すごいと思う。
    あと、哲学については詳しくないので、よくわからないが、語学の勉強方法や語学の勉強が精神を安定させる効果があるという話は興味深かった。

  • タイトルに惹かれ購入。
    木田元という哲学者らしからぬ哲学者の自伝。

    満州での少年時代や日本に帰国後の闇市でのテキ屋の使い走りや運び屋の時代の話は正直驚いた。
    一歩間違えばそのままチンピラかヤクザになりそうなものを、著者の性格からか生まれの良さなのか運の良さのなのか、哲学の道を歩み始める。
    そのエピソードが面白い。
    後半のハイデカーや現象学についての記述は僕には手に負えず正直分からないことばかり。哲学はやはり一筋縄にはいかない学問らしい・・・・、ということは分かった。


    印象に残っているのは語学について。
    ハイデカーやヘーゲルなど難しい哲学書を原書で読みこなす語学力は凄い。英語だけでなくドイツ語、ギリシャ語、ラテン語、フランス語とマスターし原書を丁寧に翻訳していく。学問の基礎体力は語学力を身につけることなのかな、と感じた。それに語学の勉強は精神を安定させるところがある、とは目から鱗でした。。

著者プロフィール

中央大学文学部教授

「1993年 『哲学の探求』 で使われていた紹介文から引用しています。」

木田元の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×