オランダ絵図 カレルチャペック旅行記コレクション (ちくま文庫 ち 8-5 カレル・チャペック旅行記コレクション)

  • 筑摩書房
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本棚登録 : 98
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (158ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480427281

作品紹介・あらすじ

故郷をこよなく愛するとともに、世界の多様な風景・風俗を愛したチャペックは多くの旅行記を遺している。その優しくユーモラスな筆致は、深い悲しみと叡智を底に秘め、世界中に今もなおファンが多い。本書は1931年、世界ペンクラブ大会出席のためオランダを訪れたときの観察記。運河、自転車、犬、風車、橋、オランダ絵画…。独特の視点からその民族性を抽出し描く手つきは見事。イラスト多数。

感想・レビュー・書評

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  •  いまさらのカレル・チャペックですが、友達と100days100bookcovesとハッシュタグをつけて、遊びながら本を紹介しあっていて出てきました。
     彼の口調もいいのですが、似顔絵や風景のスケッチが何ともいえずいいのですね。1930年代のヨーロッパを生きたモラリストであり、かつラジカルな思想家であったチャペックの、ニコニコ笑っている文章がここにあると思いました。
     感想はブログに書きました。覗いてみてください。
      https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/202010200000/

  • チェコスロバキアと同じ小国としての思い入れが深かったようだ。

  • 著者が1931年にオランダを訪れたときの観察記。80年以上前に書かれたとは思えないほど現在のオランダ風景と重なる。運河、自転車、風車、犬。オランダの光は本当に透明でものの輪郭が細部まで見える。その色彩はクリーンで涼やか。こういう風土からレンブラントやフェルメール、ヴァン・ゴッホが出てくるんだなあという感じ。チャペックの旅行記はウィットがあって面白い。

  • 北欧・スペインの旅行記に比べると、期間が短いからかあまり紀行本の感じはしなかったけれど、チャペックの欧州の融和にかける思いが伝わってくる一冊だった。欧州の小学生は教科書で読むといいのに。

    第二次世界大戦前からオランダ人は自転車に乗っていたとは。チャペックがあまり自転車乗りに好感を持っていないのが可笑しかった。気持ちはよくわかる。

  • 80年程前に書かれたエッセイらしいですが、今のオランダにも通ずるところがあって楽しく読めました。

    カレルさんの本を初めて読みましたが視点がおもしろい!他の本も読んでみようっと。

  • 短いながら的確にその国の姿を描いている。楽しくあり、かつ文化というものを考えさせてくれるいい一冊だった。

  • またオランダに行きたくなった。オランダ、大好き。
    典型的なオランダ男はどちらかと言えば、開放的でなく、なんとなくいかめしい。
    オランダの犬たちは口輪をはめていないが、健化はせず誰にも噛みつかない。
    オランダ人たちは自分たちの町を家と水で設計した。1つは地上の町であり、もう一つはその水鏡に映ずる町である。
    運河は生きている。
    もっとも運河らしい情景は夕闇迫るころ、薄暗い運がの上から塔の鐘の音が流れるとき。
    オランダにはたくさんの牛がいる。
    水、花壇、牧草地、運河、干拓地、そして牛。
    オランダは植民地大国でオランダ人一人に対して、約7人のジャワ人やマレー人がバナナやコプラ、サトウキビを栽培している。

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著者プロフィール

一八九〇年、東ボヘミア(現在のチェコ)の小さな町マレー・スヴァトニョヴィツェで生まれる。十五歳頃から散文や詩の創作を発表し、プラハのカレル大学で哲学を学ぶ。一九二一年、「人民新聞」に入社。チェコ「第一共和国」時代の文壇・言論界で活躍した。著書に『ロボット』『山椒魚戦争』『ダーシェンカ』など多数。三八年、プラハで死去。兄ヨゼフは特異な画家・詩人として知られ、カレルの生涯の協力者であった。

「2020年 『ロボット RUR』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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