幸田露伴集: 怪談 (ちくま文庫 ふ 36-15 文豪怪談傑作選)

著者 :
制作 : 東 雅夫 
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 92
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (396ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480427601

感想・レビュー・書評

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  • 高野聖と双璧をなすとのこと

  • 2010年8月10日、初、並、カバスレ、帯無2014年2月18日、鈴鹿白子BF。

  • 『対髑髏』が一番おもしろかった。
    多分、露伴の作品はもう青空文庫あたりで読めるのではないかと思う。
    山中に迷った男が、一晩の宿を借りた家には、鄙にも似つかわしからぬ美女。
    彼女が山にこもった理由を訊いて、翌朝は……という話。

    これを「ついどくろ」と読んだのと(「たいどくろ」である)、初読で理解が及ばなかったので、とんだ勘違いをした。
    山中に隠棲する美人は美人として、転がっていた髑髏は癩病の女のもので、これらが別の境遇に生きた女を対比する意味で「対髑髏」だと思ったのだわ……ちらと読み返しただけでも、何でそんな勘違いが出来たろうと疑う。
    そして女が青貝摺りの小箱に秘められた「世を離れる理由」にもさっぱり思い至らなかった読みの浅さに、呆れ果てた。
    書評を読んで理解してからの再読では、お妙の感情の動きなど、細部が楽しめましたことですよ。


    小説と、随筆とを取り混ぜた露伴集。
    一番の感想は、「まあ文さんのお父上はこんなに漢文に堪能で博識な方であらせられたか。そりゃあ日常生活も、並大抵の気苦労じゃあ済まなかったろうなあ」というものでした。
    それでもって、こういうものをすらすら読めていた昔の人って(太平洋戦争の十年か二十年くらい前かな。文さんが露伴先生抱えて空襲から逃げ回っていたので)、漢文の素養が身についていたんだなあ。正剛さんの言葉で言うと、「そういう水があった」ということで、それが失われてしまったのがもったいないなあ。理解の度合がまったく違うだろうもの。

  • 何というか、もう流石としか。対髑髏や新浦島で著者本人が語り部だったり言及されてたりしたのが楽しかった。

  • 近代幻想文学の魁。

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著者プロフィール

1867年(慶応3年)~1947年(昭和22年)。小説家。江戸下谷生まれ。別号に蝸牛庵ほかがある。東京府立第一中学校(現・日比谷高校)、東京英学校(現・青山学院大学)を中途退学。のちに逓信省の電信修義学校を卒業し、電信技手として北海道へ赴任するが、文学に目覚めて帰京、文筆を始める。1889年、「露団々」が山田美妙に評価され、「風流仏」「五重塔」などで小説家としての地位を確立、尾崎紅葉とともに「紅露時代」を築く。漢文学、日本古典に通じ、多くの随筆や史伝、古典研究を残す。京都帝国大学で国文学を講じ、のちに文学博士号を授与される。37年、第一回文化勲章を受章。

「2019年 『珍饌会 露伴の食』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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