- Amazon.co.jp ・本 (396ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480427601
感想・レビュー・書評
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2010年8月10日、初、並、カバスレ、帯無2014年2月18日、鈴鹿白子BF。
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『対髑髏』が一番おもしろかった。
多分、露伴の作品はもう青空文庫あたりで読めるのではないかと思う。
山中に迷った男が、一晩の宿を借りた家には、鄙にも似つかわしからぬ美女。
彼女が山にこもった理由を訊いて、翌朝は……という話。
これを「ついどくろ」と読んだのと(「たいどくろ」である)、初読で理解が及ばなかったので、とんだ勘違いをした。
山中に隠棲する美人は美人として、転がっていた髑髏は癩病の女のもので、これらが別の境遇に生きた女を対比する意味で「対髑髏」だと思ったのだわ……ちらと読み返しただけでも、何でそんな勘違いが出来たろうと疑う。
そして女が青貝摺りの小箱に秘められた「世を離れる理由」にもさっぱり思い至らなかった読みの浅さに、呆れ果てた。
書評を読んで理解してからの再読では、お妙の感情の動きなど、細部が楽しめましたことですよ。
小説と、随筆とを取り混ぜた露伴集。
一番の感想は、「まあ文さんのお父上はこんなに漢文に堪能で博識な方であらせられたか。そりゃあ日常生活も、並大抵の気苦労じゃあ済まなかったろうなあ」というものでした。
それでもって、こういうものをすらすら読めていた昔の人って(太平洋戦争の十年か二十年くらい前かな。文さんが露伴先生抱えて空襲から逃げ回っていたので)、漢文の素養が身についていたんだなあ。正剛さんの言葉で言うと、「そういう水があった」ということで、それが失われてしまったのがもったいないなあ。理解の度合がまったく違うだろうもの。 -
何というか、もう流石としか。対髑髏や新浦島で著者本人が語り部だったり言及されてたりしたのが楽しかった。
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近代幻想文学の魁。