- Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480427830
作品紹介・あらすじ
電話一本で、ネットのワンクリックで、老舗の鍋セットや地方の旬の野菜、海産物が手に入る時代。それは便利だけれど、ホントにそれでいいのでしょうか?一晩寝かせたお芋の煮っころがし、土瓶で淹れた番茶、風にあてた干し豚の滋味…日常の中にあるおいしいものたち。お金では決して買えない味がある。自分の身の回りにある買えない味の数々を綴ったエッセイ集。第16回Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞。
感想・レビュー・書評
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本書は、『dancyu』の連載エッセイ「台所の時間」を編んだ一冊となっていて、2006年度ドゥマゴ賞受賞作とのことです。
本書はもちろん、「○○のお店の絶品□□」などのグルメ本ではありません。ある意味、そういったものに日々踊らされている人たちへの警鐘(大袈裟かも?)でもあるかもしれません。
平松洋子さん曰く「買えない味。そのおいしさは日常のなかにある。」
なるほど読むにつれ、豊かな季節感が立ち上がり、風や水などの自然、食器や調理道具へのこだわりと愛情が繊細な筆致で描かれています。爽やかさ・優雅ささえ感じさせてくれます。
とても滋味あふれる文章から、幸せな食生活とは何かを教えられたような気がします。細やかな気持ちが行き届いた暮らし、心地よい空間、好きな器に盛って食べる食事…。
日本人ならではの〝和〟の心に満ちあふれた一冊でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
煮詰まると
平松さんのエッセイが読みたくなる。
絶対こんな生活はできないのに
なんとなく心ひかれるのはなぜなんでしょう。
たとえば鉄瓶で湧かすお白湯のはなし。
使いはじめのお手入れが大変。
そんなめんどうなこと
できそうにないな〜と思うんだけど
でも「おいしいんやろな…」と
勝手に味を想像してみるのだ。
そうかと思えば、実感を呼び起こす話もあり。
つまみ食いならではのおいしさや
冷やご飯の意外なおいしさ。
あじわい深いです。 -
味にまつわる多彩な材料、もちろん食材もあるけれど、食器や調理道具への愛情があふれんばかり。勢いがつきすぎた感はあるものの、繊細な組み合わせの妙や食卓の雰囲気まで楽しみたい1冊。
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第16回ドゥマゴ文学賞(2006年度 山田詠美 選)
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平松さんのエッセイは軽く読めていつもお腹がすく.
食いしん坊が書く本.
食いしん坊が読む本. -
目次から惹きこまれ、あっという間に読んでしまった。
美味しくて、たのしい一冊。
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平松さんのエッセイはよく読むのですが今回もすごくよかった。お外で食べるごはんの話もよいですが、今回は家庭料理だったり、台所道具だったりのお話。さいきん冷たいご飯がけっこうすきだなあと思っていたところに冷たいご飯の話があって、そうそう!とものすごく共感。湯気がなんだか重たいなあとおもうときの冷たいご飯はいい。平松さんの食べものに対することばの選び方がとにかくすきです。