僕らが死体を拾うわけ 僕と僕らの博物誌 (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 175
感想 : 24
  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480428011

作品紹介・あらすじ

タヌキの死体、飛べないゾウムシ、お化けタンポポ。これらすべてが、「自然」という大きな世界への入り口になる。拾ったタヌキの死体は解剖後、骨を取り出し、骨格標本に組み立てる。飛べないゾウムシの存在から、飛ぶという行為の利点と飛べない理由を考える。巨大化した"お化け"タンポポの発生の謎を追う…。生物教師が、学校の周りで見つけた自然の疑問に生徒と取り組む、丁寧なイラスト付きの入門的博物誌。

感想・レビュー・書評

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  • ものすごく面白かった。ほぼ全ページに挿絵があり、標本好きのための絵本のような感じになっている。ところどころ、思うところはあるが、まあスタンスの違いなので、批判はしない。いろいろな生物や植物の標本を採取(言い換えると、死体拾い)し、自然を観察し、人間(生徒など)も含めて観察し、スケッチをのこしている。私も同じく標本を拾い、剥製を作る者として、興味深い箇所がたくさんあった。そのなかでも、
    さすがにこれはすごい、と思ったのがp240
    あるバンダーさんが、自宅近くの林での標識調査をしようとしていたら、白骨化しかけた人間の死体を発見した話。調査中に発見、というのは聞くはなしではあるが、自分が発見したくないものの筆頭です。発見した後の手続きなども含めて、本当に発見したくない。
    そのバンダーさん曰く、
    「盛口さん、死体すきでしょ。よっぽど電話して見に来るかどうか聞こうと思ったんだけど。絵を描きたかった?」
    ある意味、人間も動物も平等、というエモーションを感じる。筆者は「人間のはダメなんです」と、断った、というEP。
    その後は標識調査の見学のスケッチなどになる。
    筆者が長年みたかったシラミバエをつかまえて、
    興奮する様子が生き生きと描かれていて、
    しかも”シラミバエちゃん”と、愛を感じるちゃん付で、
    なんとも、知りあいにこう言う人おるな、、と思いながら
    楽しく読了した。
    昆虫や、死体全般苦手な人にはおすすめしないです。
    が、博物学に興味のある人は一読をおすすめしたい。
    ティーンにもおすすめ。

  • 生き物の死体を
    拾ってきては
    骨格標本に勤しむ
    友達がいる

    本書を
    手にした時
    あまりの面白さに
    こんな本を読んでいる
    と 連絡したところ

    くだんの友達が
    「それは 私のバイブルです!」
    の返事が返ってきた

    こんな けったいな人
    いや
    こんな すてきなナチュラリストがいる
    うちは
    まだ この国は
    大丈夫じゃないか
    と 思ってしまう

    ただ
    そうではない人が
    激増している現状には
    大きな危惧を抱いている

  • 2013 5/4読了。恵文社一乗寺店で購入。
    京都でも有名な恵文社をぐるぐる見ていた中で、目に止まったのでふと買ってみた本。
    高校の生物教員をしていた著者が、書きためたスケッチをあわせて掲載しつつ、生徒たちと解剖したり拾ってきた死体から骨格標本を作ったりゴキブリについて色々考えたり・・・な日々について書いた随筆(?)
    博物学的というか、自然史(natural history)的な興味がふつふつ湧いてくるいい本。
    著者のほかの本も気が向いたら手にとって見るかも。
    あと、こんな感じで学生とワイワイしている様子を本にまとめられるくらいちゃんと記憶/記録してるっていいよなあ、とか思う。

  • 「頭骨コレクション」に引き続き、動物の死体を拾う話。こちらもあきらかに変な人(もちろんいい意味で)。よくもまあこんな才能をみつけてきたなと、本にしてくれた人に感心する。自由の森学園の理科の先生の超マニアックな日常エッセイ。

    ほぼ全ページに、動物や植物への熱が伝わる精緻なスケッチ。昆虫の足先や小動物の歯などのスケッチを眺めていると、細かすぎてだんだんおもしろくなってくる。骨格標本をつくる過程は「頭骨コレクション」で学習済なので、さらっと読んだのだけれど、この本ではなんと高校生も骨格標本を自分たちでつくる。楽しそうに解剖をしている様子に、ほほえましいような、うらやましいような、でもにおいが気になるような。
    子供が生物に興味があるのであれば、こういう先生のいる学校にいかせてあげたいと思う。

  • 大学の生物科を卒業したあと埼玉の飯能にある中高一貫校で教職に就いた著者は、「生き物の死体を持っていくと喜ぶ変な先生」として生徒に知られていた。子どもたちが持ってきた死体を一緒に解剖し観察するうちに、いつしか周りにも骨格標本づくりが天才的に上手い子や虫捕り上手な子が集まってくる。生き物たちの不思議を通して子どもたちと触れ合った生物教師のエッセイ。


    文章以上に著者自身による博物スケッチが魅力的。虫は苦手なのでゴキブリを扱ったパート3はキツかったものの、絵ならギリ薄目で乗り切れることがわかった。メスしかいないナナフシモドキの生殖の話はSFみたいで面白い。
    クジラの耳骨を通して進化の歴史を辿るパート2も、小さな骨から壮大な物語が見えてくる研究の醍醐味が詰まっている。陸上の哺乳類では頭蓋骨と一体化している耳の骨が、海中の雑音をシャットアウトするために分離されたのがクジラの耳骨なのだとか。クジラとイルカには自前のノイズキャンセラーが付いているのだ。

  • 死体、はともかく、骨は好き♡w

    ってわけで、表紙のイラストをみただけで読みたくなってたこの本は、本友さんにいただきましてん♡

    なので、これもチビチビ読んでたんだけど、半分以上過ぎたあたりで一気読みww

    いやー、好きだわ!www

  • 時々、著者の盛口さんの写実的なイラストに、眼を背けたくなる時もありましたが、中身は、とても良いお話で
    す。
    読んで損は無いです。

  • 貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
    http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784480428011

  • 気になる!をとことん調べていくと道が開けていく・・・かも?と思わせてくれる本。進路に悩む中高生に読ませてあげたいなあ。
    これだけ根気よく調べてスケッチを描き込んでいくというのはすごいです。
    それにしても「ホネホネたんけんたい」も「イモムシハンドブック」もゲッチョ先生ネットワークの人だったとは~!

  • 進路に迷っている時期に読んだら、骨格標本作りの魅力に憑りつかれて仕舞ったかも知れない。危ない危ない。
    こんな先生が身近に居たら楽しかっただろうなあ、と感じ入りながら読んだ。

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著者プロフィール

盛口満
1962年生まれ.千葉大学理学部生物学科卒業.自由の森学園中・高等学校(埼玉県飯能市)の理科教員を経て,沖縄へ移住.著書に『僕らが死体を拾うわけ』『身近な自然の観察図鑑』『ゲッチョ先生と行く沖縄自然探検』ほか多数

「2023年 『沖縄のいきもの』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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