- Amazon.co.jp ・本 (178ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480428318
作品紹介・あらすじ
アメリカ'60年代カウンターカルチャーの生んだ文学者、ブローティガンの代表的詩集。俳句のように結晶化した詩60篇を、この訳者ならではの名訳でお届けする。物質文明への批評性を持ちながら、ユーモアと心優しい抒情に満ちた、その世界。時代を超えて愛読されてきた不朽の作品。文庫化にあたり原文を加えた。
感想・レビュー・書評
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文学
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R・ブローティガン詩集「チャイナタウンからの葉書」(R・ブローティガン:池澤夏樹 訳)を読んだ。その世界では、『カフカの帽子』のようなアイスクリームがあり、『モビー・ディック』がトラックを運転し、『外科手術的な雨』が降っていたりする。すごく好き。ちくま文庫版は原文付きでいいね。
「チャイナタウンからの葉書」の中の一編に、『シドニー・グリーンストリート・ブルース』というのがある。ふと思い出したんだけれど、村上春樹さんの「中国行きのスロウ・ボート」の中に「シドニーのグリーン・ストリート」っていう作品あったよな。偶然にしても出来過ぎだね。どっちも好きだけどさ。 -
池澤夏樹氏訳によるブローティガン詩集。
原文付で文庫化されていたので購入。
僕はあまり詩に関しては詳しくないし、詩集とか読んでもあまり面白いとは思わないんだけれど、ブローティガンだけは別。
もともと彼の小説にしても詩のような印象を受けるし、この「チャイナタウンからの葉書」を読んでも彼の小説を読んでいるときのような面白みを充分に感じることが出来る。
彼独特のユーモアや優しさや感性がヒシヒシと伝わってくるのだ。
ブローティガンの翻訳といえば藤本和子さんが定番だが、池澤夏樹氏による本書の翻訳も読んでいて気持ちが良い。
高橋源一郎氏翻訳による詩集「ロンメル進軍」や、青木日出夫氏翻訳による小説「愛のゆくえ」も気持ち良く読めたのだから、翻訳者によって左右されることのない相性の良さみたいなものが、ブローティガンと僕の間にあるのだろう。 -
1977年サンリオから刊行の池澤夏樹訳詩集のちくま文庫版。
原文併記が嬉しい。訳者あとがきも1977年版、1990年版、2011年版と折々のが載っているのが感慨深い。
簡素といえるほどにシンプルな英語詩。この詩集では、私にはよさがピンと来ない詩も多かった。訳者の違い(藤田和子さんではない事)のせいなのかはよく分からない。
好きな詩
「宿業(カルマ)修理キット 一項から四項まで」
「寡婦の嘆き」短歌や俳句のよう。
「こんなに優しくやってもらったことはなかった」
「ビューティフルな詩」いちばん有名かな。
「ぼくは二十世紀に生きている」
「星穴」
「きみがあんまりきれいなんで雨が降りはじめた」
“マルシア”の事が大好きなブローティガン。
「自然の詩」 -
2013/5/28購入
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やはり良い。ハンバーガーが特に良い
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ブローティガン大好きだぁ―とあらためて思った。
「こんなに優しくしてもらったことはなかった」とか「ビューティフルな詩」とか、エッチなんだけどかわいい。そんでもってとってもやさしい。
エッチ=キュート=やさしいの三段論法で僕は完璧にノックアウトだ。
小難しい詩のイメージとは真逆で、本当にすとんと落ちていく言葉。「愛の詩」なんてすとんと落っこちすぎて自分のどこに入ったのかわからず心配になるくらいだ。「発見」も好きだ…ああ、なにもかも好きだ。
池澤夏樹の解説もなかなか興味深い。
クーパーやヘミングウェイといった男性文学の系列がアメリカではもともと強かったけど、それがサリンジャーの「ライ麦畑をつかまえて」あたりから「やさしさ」という美徳、価値を再発見した。自然は征服すべき敵ではなく、付き合っていく友だと。
ブローティガンが俳句的手法を使うのも、俳諧というものが日本人が親しんできた自然との対話のあり方をより端的に示しているから、と。
そういえばサリンジャーも俳句に親しんでいたよなあ、とか。
本に小難しいことを求めているわけじゃない。
僕は結局のところ本を読むことによってこの「やさしさ」に包まれていたい、そういう気分に浸されていたい、そう思ってるだけなのだ。 -
アメリカ カウンターカルチャーが生んだ文学者の代表詩集。池澤夏樹の翻訳、文庫化。原文と翻訳が併載されているのが良い。ユーモアとナンセンスと優しさ溢れる詩の数々。何度も噛み締めるように読みたい。
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原文ものっていたのがよかった。
声に出して読むと、リズムとかがよくわかって、楽しい。
バカに見えるから家でしかやらないけど。