東京路地裏暮景色 (ちくま文庫 な 17-6)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480428806

作品紹介・あらすじ

東京の路地裏を歩き、酒場の扉を開けば、あの頃の記憶と夢と現実とが交錯する。歌だけでは食えなかった頃の洲崎、心が重くて壊れそうだったあのときの歌舞伎町、高田渡を追いかけた吉祥寺、地見屋のシゲちゃんに出会った東京駅の八重洲口…新宿、深川、銀座、浅草、本郷、上野、神田…。酒場の思い出、出会った人物の面影、酒と紫煙と、音楽…文章と写真でつづる私的東京町歩きの記。

感想・レビュー・書評

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  • 2023年現在、なぎらさんの著作のほとんどが入手困難になっている。特に、写真集が新刊で読めないのは残念だ。神田に生まれ、御城下町(おしろしたまち)の空気を、身をもって知る著者。売れないフォークシンガー時代の話も良かったが、都電荒川線案内は「ぶらり途中下車の旅」を彷彿させて、鉄道ファンで街歩きが好きな自分好みの文章だった。東京は、古き良きものを捨て去っていく街だ。昭和、平成も遠くになってゆく。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    東京の路地裏を歩き、酒場の扉を開けば、あの頃の記憶と夢と現実とが交錯する。歌だけでは食えなかった頃の洲崎、心が重くて壊れそうだったあのときの歌舞伎町、高田渡を追いかけた吉祥寺、地見屋のシゲちゃんに出会った東京駅の八重洲口…新宿、深川、銀座、浅草、本郷、上野、神田…。酒場の思い出、出会った人物の面影、酒と紫煙と、音楽…文章と写真でつづる私的東京町歩きの記。

    ミュージシャンというよりもバラエティー、薀蓄の人という印象が強いですが、最近アコースティックミュージックの世界に曲がりなりにも所属していると、ギターの上手さには舌を巻きます。さらりとハイレベルな事やってますね。喋りも上手いしタモリ倶楽部とかに出るとホント面白いです。
    これは古き良き東京の姿を留めようとする、おじさんのアナクロなセンチメンタリズム満載の本です。この昭和を懐かしむ後ろ向きな話大大大好きです。町歩き大好きで色々な昭和を感じさせる街並みを歩いてきましたが、この中にも失われゆく古き良き風景が沢山詰まっています。これからオリンピックに向かってさらに失われて行くんでしょうねえ・・・。

  • 東京に住んでいる時に、もっと都内を散策すればよかったなぁ。でも無理か。毎週末は野球とか見てたから。

  • この本自体がすでに5年前で、結構変わってしまっているけれど。この人の時代と今とはあまりに代わってしまっているけれど。酒を飲むことも今となってはいろいろついて回ってしまうけれど。
    この手の愛着は必ず残るのだろうなあ。

  • 東京にも昭和にもすごく憧れてるからこの本は嬉しい(⌒▽⌒)こんなかに出てくる人たちは大人になったいまどう生きてるのか不思議だ
    昭和の新宿のドロドロは、落ち着く感じする。いいなああああ

  • 2014.1.2
    昔の東京を描いた本。この本の作者なぎら健壱の世界観が好き。こんな感性で東京を今一度歩きたいと思う。昭和の東京に会いに安酒飲んで散歩してみよう。

  • 時間をかけて読みました。ここには、なぎらさんのいい町が沢山あります。

  • なぎら師匠のこの手の本を読んでいる時が一番至福だ。なんというか、自分の考え方、感じ方が割とまともだなあ、と思うからだ。師匠の考え方と比べて、ということではない。他の人のエッセイなんかを読んでいると、自分の考え方というのはひどく陳腐でつまらないもののように感じることが多いのだけれど、なぎら師匠の場合は、ああ、自分と同じように感じたりするんだなあ、と安心するような感覚なのだ。
    というよりも、下町酒場、街歩き、写真など、殆ど師匠の影響を受けてやってるんだよなあ。

  • 自分も、あと何年かしたら、自分が生きて過ごした町を、きちんと見直すことができるようになるんだろうか。
    それにしても、この人の文章は名文ではないが、本当に”読ませる”文章だと思う。

  • なぎら健壱作。
    僕らの世代の人間だと、フォークシンガーとして知っている人だけれども、こういうエッセイもなかなか味のあるものを書く人だ。

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著者プロフィール

フォーク・シンガー、俳優、タレント、執筆家。1952年、東京都中央区銀座(旧木挽町)生まれ。1970年、第2回中津川フォーク・ジャンボリーに飛び入り参加したことがきっかけでデビュー。1972年、ソロアルバム「万年床」をリリースして現在に至るまで、数多くのアルバムを発売している。以後、音楽活動だけでなく、映画、ドラマ、テレビ、ラジオへの出演、新聞・雑誌の連載など幅広く活躍中。東京の下町とフォーク・ソングに造詣が深く、カメラ、自転車、街歩き、酒をはじめ、多彩な趣味を持つことでも知られる。1977年、「嗚呼!花の応援団 役者やのォー」で日本映画大賞助演男優賞受賞。2009年、第25回淺草芸能大賞奨励賞授賞。代表曲に「葛飾にバッタを見た」、主な著書に「日本フォーク私的大全」(ちくま文庫)などがある。

「2021年 『高田渡に会いに行く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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