簡単すぎる名画鑑賞術 (ちくま文庫 に 11-1)

著者 :
  • 筑摩書房
4.03
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本棚登録 : 138
感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480428851

作品紹介・あらすじ

名画を前にして多くの人が感じる「どうしてこれが名画なの?」という疑問や戸惑い。そんな素直な感覚を出発点に『モナ・リザ』からモネ、マネ、ゴッホ、ピカソ、ウォーホルまで「見方の要点」を簡潔に解説、名画の魅力を明快に解き明かす。名画鑑賞が楽しくなる一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 名だたる美術館に赴くと息を呑んでしまう瞬間が訪れる。
    ルーブル美術館に行った際に観た、ダヴィド「ナポレオン一世の戴冠式とジョセフィーヌの戴冠」は今でも鮮明に脳裏に焼き付いている。

    これまで絵画の評価は結局のところ有名評論家の個人的価値観の発露に帰着せざるを得ないのでは?と思っていたものの、
    本書を通じて技法・歴史的背景による名画たる所以を垣間見ることができた。

    何百年という時間・国を超えて、一つのものを素晴らしいと共感できる芸術は、時に言葉以上の価値を持つと感じざるを得ない。

  • 美術にド素人のわたしでも、楽しく読めました。
    あとがきの「『簡単』ということについて」が、西岡さんの美術や友人に対する愛情や気持ちが伝わって来てすごくよかったです。

  • 名画の名画たる所以を、わかりやすい言葉で解説。

  • 確かに知るべきことを知っていたら簡単かもしれないが、それを知らないと簡単なのか難しいのかもわからないと思う。この本はその入り口としてとてもいい。

    ヨーロッパに行く前に読んでおけば良かったと大後悔。 何が何だか分からぬまま通り過ぎてしまった名画たち、バックボーンもう少し勉強してから鑑賞すれば楽しめたのだろうと思います。
    現代アートのわかりやすいメッセージより、よっぽど面白い。

  • 筆者自身が「中学生にもわかる」レベルと言っている通り、とても分かりやすく、明快な西洋美術ガイド。何よりも面白くて読ませる。特に絵筆・タッチの違い・変遷の解説が詳しく、口絵のカラーの拡大図もありがたい。

    ブログ
    https://muranaga.hatenablog.com/entry/20190616/p1

  • 新書文庫

  • 多摩美教授の西岡文彦氏の名画解説。モネ、マネ、ドラクロア、レンブラント、スーラ、ゴッホ、クリムト、セザンヌ、ピカソ、モンドリアン等々。解説内容は鉄板の定説、かつ分かり易い。お薦め。

  • ★3.5かな。
    「簡単すぎる」に囚われてはいけない、要するに「名画」解説。その意味で取り上げている画家・作家もある程度オーソドックスであり、幾つかの本をすでに読んだ当方からすると多少物足りなさを感じる。ただ名画解説の中にピカソ・モンドリアンなど現代美術も包含していて、その立ち位置の解釈については素直に感心。
    でも結局当方はセザンヌを始点とする(?)現代美術にはそもそも?さえ覚えずただただ感心しないという事実に変わりなしですかな。想像力の欠如と言われてもそう思うんだから仕方ない、簡単に言えば「狙い過ぎ」であざとさを感じるんですよ、抽象画とかは特に。まぁあくまで愚人の戯言と流してくだされ。

  • 教科書に出ているような世界的名画を前にして、感動することもあれば「なんで?」と思うこともある。
    その感覚を覆す、名画が名画である理由を分かりやすく解説。
    現代アートは訳が分からなくて正解。ピカソの作品が名画と言われる訳など、目から鱗。

    できるだけたくさんの名画を見たくなった

  • 美術館に行くのは好きだけど
    正直、絵画の事はよく分からない・・・

    この本ほど、絵画を明晰に語ってくれる本はないでしょう。
    美術館巡りに最適です。

    名画を前にして「?」と思うことの大切さ
    また、名画の「見方」を優しいながらもしっかりと
    教えてくれます。

    名画を楽しむには、ある程度の歴史の知識と
    どこを見ればよいのか、という視点が必要ですが、
    それもあまり考える事はない。とても簡単なことばかり。

    ちょっとお勉強するだけで、
    今まで分からなかった絵画鑑賞も
    とても楽しいものに変わるはず。

     

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著者プロフィール

多摩美術大学名誉教授・版画家

1952年生まれ。柳宗悦門下の版画家森義利に入門、徒弟制にて民芸手法の型絵染を修得、現代版画手法としての合羽刷として確立。日本版画協会展、国展で受賞(1977・78)、リュブリアナ国際版画ビエンナーレ五十周年展(2006)に招待出品。作品が雑誌「遊」(工作舎)に起用されたことを機に編集・デザインに活動の幅を拡げ、ジャパネスクというコンセプトを提唱。1992年国連地球サミット関連出版にロバート・ラウシェンバーグらと参画、2005年愛知万博企画委員。著書『絵画の読み方』(JICC)、『二時間のモナ・リザ』(河出書房新社)等で、今日の名画解読型の美術コンテンツの先鞭をつけ、「日曜美術館」等、美術番組の監修を多く手がける。著書多数、全集「名画への旅」、「アート・ジャパネスク」(共に講談社)を企画、共著にシリーズ「公共哲学」(東京大学出版会)がある。

「2024年 『柳宗悦の視線革命』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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