- Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480429988
感想・レビュー・書評
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「シェイクスピア劇に登場するさまざまな「もの」から、400年前に書かれた37作品の意図が克明に見えてくる。彩の国さいたま芸術劇場の蜷川幸雄演出による「シェイクスピアシリーズ」の翻訳を一人で手掛け、数えきれないほどの舞台稽古に立ち会ってきた経験を持つ著者ならではの鋭い感性で、「世界で最も親しまれている古典」のやさしい楽しみ方を紹介する。」
目次
シェイクスピア「もの」語り(双子の名前―『間違いの喜劇』;奇跡をはこぶ花たち―『冬物語』;恋のポリフォニー―『十二夜』;ハムレットが手にするもの―『ハムレット』;鏡と鑑―『リチャード二世』 ほか)
シェイクスピアの女性たち(ガートルードとオフィーリア;ジュリエット;ヴァイオラ;ノーと言える女たち;マクベス夫人 ほか)
著者等紹介
松岡和子[マツオカカズコ]
1942年旧満州新京生まれ。東京女子大学英文科卒業。東京大学大学院修士課程修了。翻訳家・演劇評論家 -
ハムレットがもつ「ペン」「本」などの小道具、リア王が開口一番所望する「地図」、誓いと裏切りの印となるクレシダの「片袖」など、シェイクスピア作品を「もの」という視点から読み解くエッセイ集。一篇5ページ程度と短く、現代的な視点を取り込んで堅苦しさはないものの、演出手法を比較したり映画化作品に触れつつ30作品以上を紹介、となかなかの情報量でした。「シェイクスピアの女たち」と題された7篇がスリリングで、見慣れたつもりの作品が自分の中で更新されていくのにワクワクした。特にデズデモーナについての考察は『オセロウ』の陰惨さがより鮮明になって、もはや再読をためらうレベル。(2004)
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シェイクスピア全作品の翻訳を手がけた翻訳家による、シェイクスピア作品についてのエッセイ。劇中に登場する「もの」に着目しているところが面白い。
シェイクスピアって凄いよね! という理解がないと、なかなか面白さが伝わらないかもしれない。何作か劇を鑑賞してストーリーが頭に入っていたら、翻訳家の言葉の一つ一つにまで気を配る姿勢に感銘を受けると思う。
また、一面的にストーリーを追うだけでなく、深く掘り下げる「解釈」という考え方の一助になる……そんな良いエッセイだった。 -
意外と気になるあれこれの話。
ふーん、という感じ。やはり作品自体を読みこんだことがないと、あまり受け止められないのかな。