幻想文学入門 (ちくま文庫 ひ 21-1 世界幻想文学大全)

制作 : 東 雅夫 
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 297
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480430113

感想・レビュー・書評

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  • さまざまな幻想文学について広くとらえたガイダンスの書。怪奇・幻想に魅せられる人にとってはかなり興味深く、さらなる門戸が広く開かれた印象です。だからさあ、こういうの読んじゃ駄目なんだって……読みたい本が増える一方!
    まだまだ読んでいない作品の方が多くて、幻想文学は果てがなさ過ぎる、という心境にもなりましたが。それ以上にこれからいっぱい読める楽しみもまた。さあ、どんどん発掘するぞー。

  • 入門編は、何を差し出してくださるのでしょうね?

    筑摩書房のPR
    https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480430113/

  • 筆者の幻想文学との出会いのくだりが本書の肝。本の世界が目の前で開く瞬間。どの町のどの書店でどの本のどの文章に出会ったのか。その具体性こそが本と人との関係性を考える時、とても大切な事なんだと改めて気づかされる。

  • 入門といっても多少は知識のある学問でいうと大学2回生辺りで読むものかな?
    子供の頃に子供向けのを少しつまんだ程度ではちょっとついて行くのが難しかった。
    昔小泉八雲の文章に感動した記憶があるがやはり好みだった

  • 世界幻想文学大全全三巻の内のガイダンス編。ファンタジー
    ではない「幻想文学」の水先案内として申し分ない内容。
    ラブクラフトのエッセイは素晴らしいし、松江出身としては
    小泉八雲が掲載されているのも嬉しいところ。巻末の年表に
    より、また読みたい本が増えてしまったのが悩みの種(嬉)。

  • 創元の怪奇小説傑作選を取り急ぎで揃えてる。

    ラヴクラフトのエッセイが群を抜いて面白い。

  • 2017/3/29
    幻想文学とは妖精が出てきたり、魔法が出てきたりするのではなく、宇宙や科学を扱うのでもなく、得体の知れないものに抱く恐怖を描くもののようです。もっとファンタジーな内容なのかと思っていたので、見当はずれでした。でも、文章を読みつつ、あれやこれや想像するのは楽しいものです。

  • 発売後、早いうちに読了。その後怪奇小説、幻想小説の短編集成で3巻本に。国書刊行会の世界幻想文学体系の短編集という印象。
    本書はその入門書の体裁。ある意味無駄な収録もあるが、それなりに楽しめた。

  • 幻想文学とは何か――果たしてそれは、荒唐無稽な怪物が跳躍する斜め上の世界なのか、夭逝が飛び交う過去の遺跡なのか、ラブクラフト流の宇宙的恐怖なのか。幻想文学に向けられた歓声や分析や歴史的視線を編集した一冊。巻末に作家名索引・年表を収録。

  • 幻想文学にどっぷりはまりたくなる。澁澤龍彦の幻想文学論が読めたので満足。

  • 掲載されている内容があまりにも古く、入門というよりも逆に幻想文学を掘り下げたい人向けではないだろうか。
    中身はほぼ要するに既存文章の転載なので、インタビューとか、解説とか、そういった期待をしていた自分にとっては、拍子抜けだった。

  • 入門編というよりは、怪奇幻想文学における名高い評論やエッセイが収録された“アンソロジー”という趣。
    新たな読者に向けてというよりは、愛好家の再読三読に耐えるような作りを狙ったのだろうなという気もする。

    詳しくはこちらに。
    http://rene-tennis.blog.so-net.ne.jp/2013-01-08

  •  幻想文学についての考察、随想によって幻想文学とは何かということを考察しようとする試みであるけれど、これを読み解くためには相当な知識と見聞が必要であり、入門と称するには専門的すぎるように感じた。幻想文学の黎明期に活躍した編集者の考察は一見の価値があるけれども、かえって敷居を高くしてしまっているように思えた。これは本書の目的とする幻想文学の読み方、接し方の入門書という点においてマイナスに作用している。もちろんそういった考察も必要であるだろうけれど、もう少し平易な内容としても良かったのではないかと感じた。

  • 『怪奇小説精華』『幻想小説神髄』と、これの3冊からなるちくま文庫の<世界幻想文学大全>。これは序章ともいうべき入門編。なので、作品そのもののアンソロジーではなく、幻想文学とは何か、というテーマのエッセイや評論のアンソロジーとでもいった感じ。幻想文学の翻訳者の草分けである平井呈一や紀田順一郎(前者は吸血鬼ドラキュラやカーミラの翻訳が有名ですね)、そして澁澤龍彦、倉橋由美子、中井英夫といった日本の作家から、小泉八雲、シャルル・ノディエ、ロジェ・カイヨワ、ラヴクラフトまで、さまざまな幻想文学遍歴エッセイや歴史、解説、評論を収録。その隙間を編者が埋めています。ラヴクラフトにいたっては本全体の3分の1を占めるボリュームで、かなりの読み応え。相当数の作品が紹介されてます。そのうちのいくつかは、他の2冊のアンソロジーに収録されているものもあるようなので、幻想~のほうは読んでみようかな。

    ざっくり「幻想文学」という括りの中でも、実際には相当の細分化が可能ですが(妖精や魔法使いが出てくるようなファンタジー、怪物や幽霊の類いのゴシックホラー、悪魔や魔女、異端の宗教なんかが絡むオカルト、そしてSFまで)、この<幻想文学大全>でも「怪奇」バージョンと「幻想」バージョンで各1冊刊行されるように、いちばん大雑把な分け方は「幻想」と「怪奇」の2種類でしょうね。個人的には、「怪奇」よりは「幻想」寄りの嗜好で、単純に怖がりなこともあり(苦笑)、あんまりホラーは得意じゃないんだけど、まあ実際は書き手の作風から醸し出される雰囲気みたいなもので、単に好みが分かれるだけという気もします。

    自分自身の幻想(文学)遍歴を顧みてみるに、基本的に子供が好むアニメや童話というのは、だいたいある意味幻想のカテゴリのものが多いことに今さら気づいたりしました。いわゆる女の子むけの「魔女っ子」アニメや、男の子むけでも戦隊物やウルトラマンといった特撮ものや、ロボット、超能力アニメも、現実的か幻想的かといえば明らかに非現実的という意味では幻想の範疇で、日本の昔話や、いわゆる子供むけとされているアンデルセンやグリムの各種童話も、鬼やら妖怪やら月から来たお姫様やら、小人やら人魚やら魔法使いやらが当たり前のように登場するという意味では、立派に幻想文学なわけだし。そういうのを当たり前に見、読みして育って、そこから離れるほうがむしろ難しい。もちろん普通の恋愛小説とか青春小説とかも読みますけれども、つまり結局、幻想「文学」だけに限らず、映画でも絵画でもなんでもやっぱり基本的にはそっち寄りのものを好んでしまうのは、要するに自分の中の幼児性の一種なのかもしれません(笑)。

  • なんかちょっとお腹いっぱいな感じです。

  • 入門書としては適切なふかさ、わかりやすさ。顔ぶれは豪華な編纂だけど内容が重複してる感じがあるのでラヴクラフトとカイヨワだけで十分な気がした。
    最近、自分の求めるものはこの系統なんじゃないかと思えてきた。でも最近の日本の作家が書くようなネタギレ感溢れる純文学系作品に取り入れてくる感じは嫌い。それならエンタメのほうが読み応え感じる。

  • どこに焦点を合わせているのかわかりづらいムック本というものがあるが、本書は文庫本の体裁でありつつ内容はムック。

    宣言集でもあり、エッセイ集でもあり、概論総論でもあり、ブックガイドでもあり、評論でもあり。
    こういう雑多さは悪くないが、それを入門と銘打つのはどうか。

    しかしラヴクラフトによるガイド、ロジェ・カイヨワによる通史は貴重だ。

    澁澤は抜群の安定感、いちばんわかりやすくスマートだ。



    フェリック→ファンタスティック→SF

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