青春と変態 (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 255
レビュー : 25
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480431097

感想・レビュー・書評

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  • 清々しい。ここまで強烈に素直なものそうそう書けたもんじゃない。ねじめ正一『ヤマサ醤油』を読んだときの衝撃に似ている。
    昔こういう内容の、言ってみれば「変態小説」なるものを書こうと試みたことがある。そして書けなかった。プライドみたいなものが邪魔して。極論を言えば、綺麗な文章なんてものは技量の有無はあれど誰にでも書けるのだ。小学校の作文でこう書くべきだと教えられたように。しかし誰が読んでも「うわぁぁ…変態だ…」と思わせるような、人を引かせるような小説なんて滅多に書けたもんじゃない。それはある種の才能だ。
    やっぱり会田誠は天才だ。

  • 会田誠はやはり天才だ(変態だけど).
    描写力というかスケッチ能力というか,一瞬の場面を切り取って表現する力が常人とはまるで違う.これが芸術家というものだろうか.

    でも会田先生,もう少し抑えてよ.
    本当に変態じゃないかと誤解しちゃうよ.

  • 以前読んだ『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』で紹介されてたので読んだ。
    トイレ覗きをする高校生の日記スタイルで書かれ、表現がリアルで「どうしようもない小説だなぁ」と思いながら読み進めたが、中盤から何だか高尚ではないけど恋愛小説っぽくなり、最後まで「覗き」が行われるけど、読み終えた後は何だか爽やかな感覚になりました。
    別の作品も読んでみたくなりました。

  •  展覧会でサインしていただいたまま5年くらい経っていた。エッセイ集だと思って読み始めたら小説だった。高校生が変態とか言っても大したことないだろうと思っていたらけっこうなえげつなさで、読んでいて心が痛くなるレベルでとっても素晴らしかった。ノートを誰かに見られて破滅する結末かなと、そうなったら嫌だなという思いとそんなベタな場面を見てみたい気持ちで読んでいたら、全然違った結末ですごくよかった。

  • 2つの高校のスキー部の合同合宿、変態を自認し女子トイレでの覗きをつけた日記。美男美女カップル、文学カップル、お風呂覗きお調子者カップル。結局僕にはキューピット役以外に選択の余地はなかったのだ。二人が結ばれないと僕の大好きな覗きができないから、それだけのために躍起になって仲を取り持つんだ…

    芸術家として活躍を知ってから読むと、なるほどなんだけれど、最初からそれを見出せるかというと、一般人にはなかなかむつかしいですね。

  • これは無理だわ。
    この後じゃ下手にとりつくろったような本読めなくなる。

    これは強烈。

    この光を知らずに死んでいかなくてよかった。

    まあしかし、知るタイミングは選ぶ本かもしれない。
    もし20代前半だったら「イロモノ要素強い本」として
    もっと軽い認識してたかもしれない、
    そうなるともう一度読み返すのがおそくなるから、
    ベストなタイミングで名作に出会えて幸運だった。

  • エッセイ集かと思ったら小説だった。
    著者と同名の主人公(高校生)が日記形式でつづるこじらせ変態恋愛譚。
    著者がまだ現代美術家として有名になる前にバイトの傍ら描いた作品とのこと。
    トイレ覗き場面での著者の超絶技巧精細画を彷彿とさせる描写にちょっとウエッ!となるが、ストーリー展開はスムーズで文体も読みやすい。
    著者は絵画、オブジェ制作、パフォーマンス、エッセイ、そして小説までこなし、まさに「総合ゲージツ家」(©篠原勝之)であることを感じさせてくれる1冊だった。
    あと、文庫版である本書では本作品を世に広めた立役者の現代美術家松蔭浩之による、出版までのいきさつも掲載されており、ダブルで楽しめるお得版だ。

  • タイトルと逆行した感想だけど、上品な小説だと思った。
    ウンコとかマンコとか、ワードはえげつないのだけど常にチャーミングなのが不思議(著者の会田誠のエッセイもそんなところがある)。
    読後はさわやかです。

  • 貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
    http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784480431097

  • トイレ覗きは犯罪です!…なのですが読んでいるうちに、主人公・会田くんのピュアさ、覗き行為へのひたむきさに心打たれて「ガンバレ若者!」って気持ちになってくるのが不思議。なんだこれ。

    巻末の松蔭浩之さんの解説にもあるとおり、美術家・会田誠の作品はどれも画風がバラバラで、それが逆に「何でも描くことができる」つまり表現を意のままにコントロールできる、アートのプロフェッショナルであることを表している。コレは「高校生が書いた私小説」という形態をとった、会田誠の美術作品のうちのひとつなのだと捉えた。

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著者プロフィール

会田誠(あいだ まこと)
1965年、新潟県生まれの現代美術家。東京芸術大学油画専攻卒業、東京芸術大学大学院美術研究科修了。美術史への深い造詣をもとに、生と死、エログロ、ロリコン、戦争、暴力など、社会通念や道徳に関わる現代的テーマに取り組み、問題提起的な作品を次々と発表している。展示や発言に関するトラブルもあるが、海外でも評価を受ける機会は増えており、日本を代表する現代芸術家の一人とされる。
著作・写真集も多い。代表作に『青春と変態』、『孤独な惑星』、『MONUMENT FOR NOTHING』など。

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