大東京ぐるぐる自転車 (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 17
  • Amazon.co.jp ・本 (343ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480432094

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    http://boketen.seesaa.net/article/422670899.html
    68歳からのスポーツ自転車三昧、すごすぎ
    伊藤礼翁がふと思い立って自転車で自分の職場(大学)まで行ったのが定年間近い68歳の時。都内ならどこに行くにもスポーツ自転車、という生活を始めた。
    すごすぎます。
    転倒すること約10回。鎖骨を折る、親指を折る、入れ歯を折る、後頭部を八針縫う。ヘルメットをかぶっていなかったら植物人間になっただろう転倒も数回。最新の大転倒は、ショルダーバッグのひもが前輪に巻き付き、自転車が前輪を支点に前方に180度回転、「身体は投石器から発射された石塊のように前方に放り投げられ、腹部を下に水平着地したのである」というもの。
    「セ、センセイ!やめてくだせえまし!」と、お願いしたくなる。
    しかし、80歳をゆうに過ぎたいまも伊藤翁は、ぎこぎこ、こぐこぐ、ぐるぐると自転車で走りまくっている。
    居住する杉並区久我山から、東京都区内の用事はすべて自転車ですませる。
    都内探検・探索もすべて自転車。
    水道道路の歴史的変遷を調べ、石神井川と飛鳥山の「怪しげな関係」を解明すべく走りまわり、スカイツリーを見学し、小石川で幸田露伴の居宅「蝸牛庵」に思いを馳せる。
    スポーツで肉体をきたえる、科学的好奇心を満たす、文学的な思索にふける、単純に早く走る快感に身をゆだねる、それらのことが渾然一体となって、えも言われぬ伊藤礼ワールドがたちあがる。
    走っているのは、おどろくほど自由な精神だ。

  • 3度目。伊藤礼センセイを知った記念すべき1冊、こんな時は笑いながらセンセイとともにぐるぐるするのが一番。話題のそれていく様が絶妙に面白い。

  • 70を超えたじいさんがチャリで東京中を走り回って書いたエッセイ。なかなか面白かった。チャリ関係の内容も共感したりニヤリとしたり楽しいんだけど、とにかく脱線していく文章がとても軽妙でおかしみがある。かつ、ブラタモリ的要素もふんだんにあって都内の各地のいろんな歴史も垣間見える。途中で尾根幹線とか尾根緑道が出てきたのは楽しかった。尾根緑道が戦車道路って呼ばれてたとかも興味深かった。ダホンが欲しくなった。

  • 今回は自転車そのものよりも、自転車に乗った時に目にした東京の考察といった感じの内容でした。それでも独特の語り口は変わらず、楽しませていただきました。心臓が10秒近く止まった話など時にどきりとさせられましたが、最後までお元気に走られていて安心しました。さらに続編も期待していますが、私もロードに加えてフォールディングバイクが欲しくなってきたこの頃です。

  • 68歳で自転車乗りになり、80代の現在も健脚のご様子。あ、チャタレイ夫人の伊藤整のご子息らしい。「老境に入って」とか「老い先短い」とか「余命わずか」とか連呼しながら、久我山のお宅から、北へ南へとお元気なこと!大変結構デス。そして同年輩のチャリ友が何人もいらっしゃるのも素敵です。
    萩原朔太郎も佐藤春夫も志賀直哉も自転車乗りだったなんて、なんだか微笑ましい。
    ユニシスの天野順一元社長がダホン社のヘリオスSL 乗ってるとかバラしていいんだろうか(笑)
    ロードバイクで何が嫌かって、車道で寄せて来るクルマが怖い〜。よく分かる!それが住宅街を走ると軽減するって、目からウロコ。

  • やばい。折りたたみ自転車が欲しくなった。

  • 自転車にまつわる話というよりも、東京の地理にまつわる話がメインのエッセイ。
    東京に住んでいる(住んだことのある)人でもなかなか目を配らないような日常的なスポットがユニークに筆写される。自転車に跨って走行中も目にする看板や史跡が思わず気になってしまい、当初の目的から外れそうになる著者の自由散策が、蘊蓄と皮肉、そして老齢な自分を戒めるような自虐を交えながら軽快に綴られる。

    自転車に興味が無くとも、「ブラタモリ」のようなニッチでマニアックな風土史紀行に興味のある方なら、きっと楽しめる一冊。

  • 題名通り老境に達した著者が自転車で(主に)東京をぐるぐると走り回るエッセイ集だ。

    60歳台半ばで自転車に目覚めた著者だが、本書に出て来る70台半ばから80台前半には7台もの自転車を保有するという。

    本書でも毎回主題から話題が脱線し、1回では終わらないことがしばしばなのだが、それが実は本書の大きな魅力であることを編集者は熟知しているのだろう。

    他のシリーズに記された家庭菜園や囲碁など、著者の老後は極めて充実している。

  • 元日芸文芸学科生で英語原典購読をとっていた者が読むと、「これ本当にあの礼ちゃん?」と目を丸くしてしまう。教室でグレアム・グリーンをぼそぼそと読んで解説していた伊藤礼氏とはまったく違う一面を見ることができる。
    私が大学を出てしばらくした頃、自転車に乗り始めたと新聞のコラムで知ったが、まさかこんなに本気の自転車乗りになっているとは。
    でもムキムキのマッチョな自転車乗りではない。スポーツタイプの本気チャリに乗っているスピード感や力強さはない。やはり文学者としての視点がある。昨今の風潮を「変だな」と思い記し、自分の欲望に忠実で、皮肉屋だけれどどこかくすりと笑ってしまう。そして滲み出る育ちのよさ。そう、礼ちゃんはとてもキュートなお方なのだ。
    知っているはずの東京各所が、自転車乗り文学者のおかげで大変新鮮に感じられる。
    自分も自転車で走ってみようかしらん、と思わせる。

  • 80歳にして自転車に乗っている著者。とても新鮮な毎日を送っているように思え、羨ましいという気持ちと、そうですよね!という共感がもてるないようでした。
    目的地までの行程を書ききることなく原稿が終わるのはご愛嬌ですね。

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