老いの道づれ

  • 筑摩書房 (2014年11月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784480432230

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

愛と絆の深さを描いたこの作品では、著者が50年にわたる結婚生活を通じて培った夫婦の愛情や献身が鮮やかに表現されています。著者は、脇役女優としての真摯な姿勢を貫きながら、家庭を大切にし、特に夫のために尽...

感想・レビュー・書評

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  • 沢村さんの著書を次々と読んできたが、全ての原点はここにある気がした

    沢村さんの脇役女優としての真摯な仕事ぶり、時には誤解を招きながら泊まりがけの仕事は断り、打ち上げは断り、ご主人の食事を作り続け、ご主人との時間を何よりも大切にされた生活

    同じ物を食卓に続けて出さないようにと献立を22年にもわたって記録された その献立帳は30冊にも及ぶ

    著書を読みながら、なぜそこまでできるのかと疑問に思うことがあったが、その謎も解けた

    道ならぬ恋をし東京へ駆け落ち、無一文からの出発
    ご主人の仕事がなかなか軌道にのらず、次々と襲ってくる労苦の数々を二人で乗り切ってこられた50年

    海の見える部屋での心底寛げる老後の穏やかな日々
    50年のお祝いをしようと話されていた矢先のご主人の急逝
    住まいに安置されたご主人の遺体に縋り号泣される沢村さんの様子にいかにお二人が強い絆で結ばれていたかを知った

    二人で歩んできた五十年を二人で交互に書いていこう
    まずはご主人の大橋さんからと書かれた数枚の原稿
    その後は、全部沢村さんが引き受け、最後まで完成された愛の軌跡ともいうべき著作

    星五つや四つなどと、烏滸がましくてつけられない重さがあった
    こんなにも一人の人を愛し続けられるんだなと思った。

  • 職場の同僚よりのお薦め本。役柄も凛とした役の多い女優さんでした。家庭を大事にするがために撮影が終われば飛んで帰る人。何故かといえば旦那様のご飯を作るため。生活のために女優を生業とされますがすべては旦那様との生活を大切にしているから。旦那様との思い出のエッセイで晩年、旦那様と思い出を代わりばんこに綴ろうと約束し一つ目の文を書いて逝ってしまった後、著者が思い出を一人紡いでいく。生き方がそのまま表れている凛とした文章でした。それだけに読み終えた読後感が切ないです。

  • 強い男にやさしい女、東男に京女とは、よく聞く言葉ですが、実際はどうなんでしょう(^-^) 沢村貞子(1908~1996)著「老いの道づれ 二人で歩いた五十年」、2014.11発行。沢村貞子、大橋恭彦、明治もの同士。誇り高い京男(妻に立てられるのが好き)と尽くし型の東女(夫を立てるのが好き)だそうです(^-^) 永い道づれの旅、楽しかったことと思います!

  • ご主人と歩んだ50年を振り返る自伝&ラブレター

    沢村さんの著作は既読のものが結構あると自負していたが、お二人の馴れ初めや、「映画芸術」をスタートしそれが従業員により乗っ取られてしまうまでの経緯など、初めて目にして驚く部分があった。

    NGを出さず、台詞も全部覚え、お弁当片手にあちこちの撮影所をせっせと移動し自らを厳しく律しながら数々の名演技を残した有名女優の仕事のモチベーションは、「夫が待つ家に早く帰りたいから。」というものだった。

    自宅に戻ったご主人の亡骸に触れて初めて大声で泣いたという冒頭の部分と、死後偶然見つけた「別れの言葉」が綴られた原稿用紙。

    お互い、どちらが欠けても生きてはいけない、いわば己の半身であるという深い深い思いが文面に溢れていて、こちらも涙が込み上げた。

  • 明治生まれ、戦争を経験したのち駆け落ちしたお二人なので、激動も激動の人生です。大橋さんの会社の設立絡みでトラブルになって、沢村さんが暴力団の事務所を訪ねて煙管片手の女親分さんに直訴するシーンはまんま映画でした(すごすぎる)。そんなお二人なので、引退後に越した湘南のマンションで晩年を穏やかに過ごされた、というのは全く無関係の私にもうれしいことでした。

    二人交代で五十年史を書くという約束は果たされなかったわけですが、大橋さんの遺構に続けて沢村さんが書き、最後に再び大橋さんの「別れの言葉」で綴じる構成がとてもよかった。これは沢村さんでなくても泣いてしまう。

    ―思いがけず、あなたのほうが先になったけれど、私も間もなく、大喜利の幕がしまるでしょう。そうしたら、すぐ、骨にしてもらって……床の間の、あなたの骨といっしょにして、細かく砕いて、相模灘に流してもらうように―――(中略)手つづきいっさいすませてありますから、安心していてくださいね。(187P)

  • 岩波書店から1995年に発行された本をよみました。
    若かった時代の事を書いた「貝のうた」を読んでからこちらの本を読んだので、前作とは違い穏やかな気持ちで読めました。
    穏やかと言っても連れ合いとなられた'殿'は家庭があったのですね。そして沢村さんにも若かった時に半強制的に結婚した相方が。

    明治男と明治女、壮大なるラブレターを読ませて頂きました。
    巻頭の写真が素敵です。

  • 夫のために尽くし、女性が仕事も制限するということは、今の時代にあわないのかもしれないけれど、お二人にとってそれが幸せだったのであれば、それでいいよなあと思えました。

  • トットちゃんで観たとおりのお二人だった。沢村さんは本当にご主人を愛してらしたんだなと思える文章で微笑ましい。

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著者プロフィール

1908年(明治41年)東京・浅草生まれ。俳優・エッセイスト。本名大橋貞子。日本女子大学在学中に新築地劇団に参加。前衛演劇運動に加わって投獄を経験する。34年、日活太秦現代劇部に入社、映画俳優としてデビュー。小津安二郎監督作品をはじめとした映画、舞台、テレビで名脇役として活躍した。生涯で出演した映画は100本以上。78年には、半生をとりあげたNHK連続テレビ小説「おていちゃん」が放送された。89年に俳優を引退。文筆にも長け、77年『私の浅草』で日本エッセイスト・クラブ賞を受賞。ほか『貝のうた』『わたしの台所』『わたしの献立日記』など著書多数。96年(平成8年)没。

「2023年 『沢村貞子の献立 料理・飯島奈美3』 で使われていた紹介文から引用しています。」

沢村貞子の作品

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