ニセ科学を10倍楽しむ本 (ちくま文庫 や 47-1)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 303
感想 : 42
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480432537

感想・レビュー・書評

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  • 血液型の話が面白かったです

  • と学会元会長の山本氏によりニセ科学を切る本。工学研究者だけど、こういう本を書いてくださって感謝です。毒性のところは、少し表現の問題があります。急性と慢性毒性の区別が甘いのと、閾値のない物質についてはリスク的な考えが必要で、単独物質での妥協点的な意味合いもあるというのは触れて欲しかった。

  • 『買ってはいけない』や’血液型の説明書’シリーズだとか’アポロ11号陰謀論’’ノストラダムスの大予言’等々、なんだか懐かしいネタをたくさん扱った似非科学の検証まとめ本。
    微妙な世代の違いなのか’波動水’はピンと来ませんでした。むしろ『水からの伝言』は実物を一度読んでみたいですね。

    タイトルの『10倍』というのが奥ゆかしくて良いですね。

    挿画担当は音井れこ丸先生。現在は成人向け漫画界隈でご活躍されている模様。

    内容は科学に詳しいパパのもとへ種々の似非科学にまつわる疑問質問が家族などから寄せられ、会話形式で矛盾を暴いていくもの。難解な科学知識や複雑な計算式は一切無いのでつまずく要素は無いと思われます。

    やっぱり私としてはノストラダムスフィーバーが印象深い。「奇跡体験!アンビリバボー」や「特命リサーチ200X」だとか、ゴールデンタイムのお茶の間で固唾を呑んで真剣に破滅を憂いていたように記憶しています。
    こういったオカルト話は90年代当時、私自身含め周囲の大人も子供も割と半分以上本気で信じていたような気が。

    もちろん明らかな間違いや真っ赤な嘘はその通りでしょう。
    それに、大前提として詐欺を働いたり加害に繋がるようなものや不必要に他人を貶める行為は論外だと思います。

    つい最近ではコロナワクチンにまつわる香ばしい噂話が駆け巡ったのが記憶に新しい。
    情報が玉石混交に溢れかえる現代、’石’を掴まされないような鑑定眼を鍛える事が益々重要なのだな、と切に思います。

    一方でジョークを正しくジョークと理解出来るユーモア精神も養ったほうが人生楽しいはず。

    個人的にはp368の唐突な「サンプラザ中野くん」がツボでした。

    思わず意義深い一冊になりました。


    1刷
    2022.1.12

  • <目次>
    第1章  水は字が読める?
    第2章  ゲームをやりすぎると「ゲーム脳」になる?
    第3章  有害食品、買ってはいけない?
    第4章  血液型で性格がわかる?
    第5章  動物や雲が地震を予知する?
    第6章  2021年、地球は滅亡する?
    第7章  アポロは月に行っていない?
    第8章  こんなにあるぞ、ニセ科学

    <内容>
    ニセ科学について、一刀両断で否定している。しかし、親子の会話形式(この娘は賢すぎるけど)にすることで、その全否定が幾分柔らかくなっている。自分の学校の生徒研究も、ときどきこの「ニセ科学(トンデモ本)」系の研究をする者がいて、その対処に困る(本も読まずにサイトのみなので、さら始末に困るがてん)のだが、こうした本をわれわれ教師も知っていないと、何も知らない生徒(これも困るが)を説得できないね。 

  • 山本弘先生は好きなんだが、一言でいえば、うざい(笑

    こういう変な構成でなく、他の本みたいな普通に俗説と評論すればいいんだろうけど、初心者向けにこういうのもいのかなあ。

    ただ、山本先生の名を知らぬ、誰がこの本を読むのか判らない。

    内容は、極めて良心的。

    情報リテラシーの重要さを、基本から語る。

    立憲民主党、読め。

  • 会話形式の内容で読みやすい。ただ、ライトな表紙からもわかる通り、低年齢向け(小学校高学年以上?)なのであくまで入門書的な扱いかな。まあ、このジャンルを気軽に楽しむには〇。

  • 父娘の会話を軸にニセ科学のデタラメが論破されるのを楽しむ。メディアリテラシーの重要性。情報に無防備な子どもたちに正しく伝えるのは大人の責任。デタラメも正論も両方知った上でないと自分なりの判断は下せないと思った。

  • 【一言での感想】
     ニセ科学の入門書。読みやすいけど,かつてニセ科学本を読み漁ったことがあるので,あまり目新しさはなかった。
    【感想】
     10年以上前になるが,「トンデモ本」や「と学会」のシリーズの本を楽しく読んでいた。「ニセ科学を10倍楽しむ本」は,久しぶりに山本弘がニセ科学について語る本ということで期待して読んだ。感想としては,ややソフトで取り上げている内容も聞いたことがあるものが多かったが,基本的な切り口は変わらず,それなりに楽しむことができた。
     構成は,全8章。第1章の「水は文字が読める?」から始まり,「ゲーム脳」や「買ってはいけない」に対する批判,血液型占い批判,アポロは月に行っていない?などをテーマにニセ科学について,小説家の父と中学生が話し合うという構成で語られている。内容についての個別の感想は以下のとおり
    第1章 水は文字が読める?
     「水からの伝言」を題材に,ニセ科学について親子が語るという内容。教育現場で,道徳の題材として「水からの伝言」を取り上げた教師に対して,ニセ科学であることを諭すという内容になっている。ニセ科学として「水からの伝言」があまり面白くないのが難点
    第2章 ゲームをやり過ぎると「ゲーム脳」になる?
     第2章での相手はおばあちゃん。しかし「ゲーム脳」とは題材が古い。ひと昔前という感じ。内容も過去に見たことがあるような内容。小説仕立てになっているのでそれなりには楽しめたが,目新しさがない。
    第3章 有害食品,買ってはいけない?
     これは過去にあまり読んだことがない内容で楽しめた。「買ってはいけない?」は,昔読んだことがあり,それなりに感心していたので,これを読んで反省
    第4章 血液型で性格が分かる?
     バーナム効果(誰でも当てはまるようなあいまいなことを言われると,自分のことを正確にいい当てられたように錯覚してしまうこと)などを紹介しながら血液型占いを批判する内容。これも目新しさはない。
    第5章 動物や雲が地震を予知する?
     これは,これまであまり聞いたことがない内容ではあった。ニセ科学としての面白さは中程度。主張にトンデモ感が少ない。
    第6章 2012年,地球は滅亡する?
     2012年に地球が滅亡するという話は全く聞いたことがなかった。目新しくはあったが,あまりメジャーじゃないだけにやや地味
    第7章 アポロは月に行っていない?
     かなり有名で過去にも何度も読んだことがあるニセ科学。ネタとしては面白いんだけど,目新しさはない。
    第8章 こんなにあるぞ,ニセ科学
     マイナスイオンやホメオパシーなどは目新しい内容だったが,相対性理論は間違いはトンデモ本の頃からの定番ネタ。総合的に見るとそれなりの内容

     全体的に見て,好きな題材の本なのでそれなりに楽しめたけど,目新しさに欠けるという内容だった。親子での掛け合いという構成もそれほど楽しめず。エッセイ風の方がよかったかも。ニセ科学の入門書という位置付けか。

  • ■本読んで学んだメッセージ
    疑う姿勢の重要さ
    有名な人が言っていることやマスコミで取り上げられていることも、ちゃんと理屈で考えて自分で判断することが重要
    これはフェイクニュースなどへの接し方にも通じる

    ■本を読む前に自分が考えていたこと
    自分は論理的な考え方をしていると思っており、ニセ科学などにはひっかからないと思っていた

    ■本を読んで
    ・気づいたこと
    食品有害物質の基準値の話など、科学的に捉えて考えてはおらず印象で捉えていたことを認識
    ニュースなど日常で接する情報に対してなんとなくで捉えてしまっている場面があることを認識した
    情報リテラシーを高める重要さと難しさを感じた

    ・これからやってみようと思うこと
    マスコミなどで言われていることも、自分でちゃんと理屈で考えて判断していく姿勢をとる
    「認知バイアス」があることを認識したうえで情報に接していく

    ■本を読んで学んだこと
    ①話の出どころを確認する
    ②誰が言っているのかを調べる
    ③キーワードに注目する
    ④反論に目を通す
    ⑤数字に注目する
    ⑥理屈で考えてみる
    ⑦自分の目(主観)を疑う
    ⑧願望と事実を区別する
    ⑨正しい科学知識を身に付ける

  • 此頃巷ニハヤル物
    水ノ結晶
    ゲーム脳
    食ヒ物ノ有害物質
    血液型判断
    動物ノ地震予知
    地球滅亡説
    ナドナド

    似非科学の告発書
    身近な隣の人に
    届けたい 一冊です

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著者プロフィール

元神戸大学教授

「2023年 『民事訴訟法〔第4版〕』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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