- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480432766
感想・レビュー・書評
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チェスタトンのブラウン神父はたまに読みたくなる。科学的、論理的な推理でみごとに解決するのではなく、むしろそういった手法に対する不信感があからさまに表明されている。現実はもっとも馬鹿げているのである。
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ノロマな動きにみえて頭の回転は早いブラウン神父の名推理を描いた短編集第2作目。前作と比べると相棒フラウボーの出番は減ったがその分話が更にバラエティーになった感がある。分かりやすいような分かりにくいよう何とも言えない文章により人を幻惑するようなトリックは前作同様。
公正な機械でも判断する人間により誤りが生ずるというまんまのタイトル『機械の誤り』は本書発表の100年以降経った今でも通ずると思う。
シャーロック・ホームズは第二短編集で過去がある程度判明し『最後の事件』で劇的な決着を見せるがコチラの神父の場合キャラクターはハッキリしているが素性が謎めいていて神出鬼没的な要素がある。相棒が元泥棒現探偵(探偵も引退しているような仄めかしもある)という点も含めてやはり不朽の名探偵の一員といえるだろう。 -
2016-1-14
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原書名:The Wisdom Of Father Brown
グラス氏の不在
盗賊の楽園
イルシュ博士の決闘
通路の男
機械の誤り
カエサルの首
紫の鬘
ペンドラゴン一族の滅亡
銅鑼の神
クレイ大佐のサラダ
ジョン・ブルノワの奇妙な罪
ブラウン神父の御伽話
著者:ギルバート・キース・チェスタトン(Chesterton, Gilbert Keith, 1847-1936、イングランド・ロンドン、小説家)
訳者:南條竹則(1958-、東京都、小説家)、坂本あおい(1971-、東京、翻訳家)
解説:甕由己夫(1961-) -
「新訳」だけあって導入部分によくある禅問答のような意味の汲み取りにくいブラウン神父の会話が、訳者の工夫や注釈が入ってる事などにより創元版より理解しやすくなってる印象。(それでもなお、禅問答みたいだなぁと思うところはあるので、そこはとりあえず読み流して話を進めるべしです。読み進めていくうちに「あぁ」と意味が通じてくるのでそういう読み方をするしかないかな、と)
前作が出てから3~4年経ってるので、次が出るのはまたそのぐらい先でしょうかね。楽しみに待ってます。