横井軍平ゲーム館: 「世界の任天堂」を築いた発想力 (ちくま文庫 よ 29-1)
- 筑摩書房 (2015年8月6日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480432933
感想・レビュー・書評
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「枯れた技術の水平思考」で知られる横井軍平氏のインタビューを軸にした本。仏教的な観点で商品開発をし、マーケティングをし、マネジメントをしていたのではないかと感じた。
今にも生きる思考法。いろいろな気づきが詰まっている。ユーザーが求めていないものを知る、というのは示唆深い。若い頃の生き方もとても素敵だ。
横井軍平氏が独立してまもなく50代で不慮の事故で亡くなられたのが本当に惜しい。彼が存命であれば72歳。ご意見番として活躍されていてもおかしくない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
テレビゲームブームを作りあげ、そして取り残されていった男の悲哀が詰まった一冊
前半はゲームウォッチ、ファミコン、ゲームボーイの開発から大ヒットと横井氏の景気の良い話が続く、
しかし後半からは歯車が狂いだし
ひがみともとれる言葉が目立つ。
『ゲームボーイで関わらなかったのはポケットモンスターくらい』
………そのポケモンが任天堂を救ったんだよ…
『バーチャルボーイはマニアのために作ったんじゃない、ゲームを知らない人にやってもらうため作ったんだ』
………バーチャルボーイなんてマニアの中のマニアしか手に取らないような設計だろう…
オールドゲームファンなら突っ込みを入れたくなる。
おそらく横井氏は面白いゲームを作りさえすれば大勢の人に受け入れられると考えていたのだろう。
実際にゲームユーザー層を広げたのはスマートなイメージ戦略をおこなったプレーステーションだった。
ゲームの天才の栄枯盛衰を感じながら読めば
より楽しめるはず。 -
横井軍平は天才だ。
というのが一番の感想。
「枯れた技術の水平思考」
これは、ものづくりに限らずあらゆる場面で意識すべきことだと思います。
society5.0と言われる時代、
それぞれの分野のスペシャリストだけが必要とされるわけではなく、
この思考ができる人材が求められるのでしょう。
何より、横井軍平は
「遊び上手」
なのだと思います。
自分のやりたい事に素直で、それでいて真面目。
こんな人になりたい。そう思います。 -
やっと本書を手に取ることができた。名前しか知らんかったが、氏の思想を知ることができたのはよかった。光線銃懐かしい!ゲームウォッチ、オクトパスとマンホールをクリスマスに買ってもろた、等思い出しつつ一気読み。
後半の教えの1つに、餅は餅屋というのがある。これがどうしてもできない。つい、色々自分でやりたくなってしまう。結果納期遅延を生んだりと、アホなことをし続けている。本書は良い薬になるだろうか?いやせねば。
交通事故で亡くなられてから20年がたつ。早い。 -
本人は「枯れた技術」と表現しているが、「足るを知る」というか必要なスペックを伸ばすために不要な部分のスペックをいかに下げたり落とすことを許容できるか、最善ではなく次善を選択することができるかという話なのだと理解した。
ゲームボーイであれば「カラー液晶で電池持ちもよく価格も安い」というのがベストだが、「価格を下げたうえで重要なのは電池持ちのほうである」と判断して画面スペックを下げることを許容したことが成功に繋がった。
こと組織において「できるけどしない」という判断はなかなか難しいものである。あれもこれもと欲張ることがベストに見えるが、その方向性が現在の行き詰まり感を招いたのではなかろうか。実際に必要なスペックを伸ばすためにそれ以外を妥協する「打開のための妥協」の方向性を模索することが重要なのではないかと感じている。 -
枯れた技術の水平思考
先端技術ではなく、使い古された技術の使い道を変えてみることによって、まったく新しい商品が生まれるという考え方 -
枯れた技術の水平思考の何たるかが、垣間見られた気がする。
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【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/763125 -
•任天堂の急成長を実現した立役者。ヒットの予感を嗅ぎ取った山内さんがすぐさま大型投資を行う様子も面白い。
•枯れた技術の水平思考
•横井さんのリーダーシップ論、考え方として参考になる。企画をする人間としてどんなことを意識すべきか。