なんらかの事情 (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 398
レビュー : 35
  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480433343

感想・レビュー・書評

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  • 岸本佐知子の翻訳した小説をはじめて読んだのはいつだったか。
    彼女のエッセイをはじめて読んだのはいつだったか。
    どちらが先だったか?

    兎にも角にも、彼女は「岸本佐知子が訳した小説」といういちジャンルを確立している数少ない翻訳家のひとりである、私の中で。

    その想像力(創造力?)に嫉妬すら感じております。

    「サザエのふた屋」とか!

    途切れなく引かれた一本の線のように、まっすぐまっすぐ伸びていく、思考の道すじ。
    紙の上に収まらず、すうっと伸びていく。
    普通の人間なら少なくとも紙の中に収まるはずなのだ。
    恐れを知らず、線はすうっと伸びていく。
    この世ではないどこかを伸びていく。

  • 現実と夢が混ざったような不思議なお話が沢山です。
    ちょっと時間が空いた時に少しずつ読みたい本。
    特に、ザ・ベスト・ブック・オブ・マイ・ライフが面白かった。

  • ドラえもんのひみつ道具的に、誰でもいいから人の文体を手に入れられるとしたら、迷うことなく岸本佐知子さんを選ぶ。ほんとうに天才的だと思う。「変化」という一編に文字どおり呼吸困難になるほど笑った。クラフト・エヴィング商會の挿絵、装丁も見事。

  • 文庫化で再読。また、文庫化にあたり、単行本未収録エッセイの中から追加があるので、文庫版も買う価値あり。
    翻訳家のエッセイの中ではやはり岸本佐知子のものが一番好きだ。ユニークなものの見方がさも当たり前のように文章化されているので、つい、『そういうこともあるかもなぁ……』という気分にさせられてしまう。
    公共の場で読むのは止めた方がいい。時々、吹き出しそうになって参ったw
    特に『東京アメッシュ』のくだりはあるある過ぎて辛い。

  • 翻訳家・岸本佐知子さんのエッ…セイ?かな? 不思議な体験。ふとしている奇行。空想と考察。幼い頃の怖い記憶。甘美なノスタルジーとかまぶさないで、そのまんま恬淡と語られていく各3Pほどの文章は、煮詰まった脳みそをポカーンとどっかに連れてってくれる。クラフト・エヴィング商會のイラストもいいなあ。
    ところで、なんでこの本はうちにあるのだろう。買った記憶がない。誰かがいつかのam͜a͉zonに紛れ込ませたのだろうか。誰だろうか。

  • 岸本さんの文の魅力は着眼点の面白さと、
    独特の世界観を形作る言葉の選び方だと思います。
    (このシリーズは挿絵との組み合わせも素晴らしいですが)

    記憶や想像、妄想を膨らませて文章を書く人格と、
    それを客観的に作品として組み立てる(ある種職人的な)人格が
    結構はっきり分離していそうな感じがするのは、
    翻訳家という背景があるからでしょうか。

  • 楽しませていただきました。「気になる部分」も読もう!

  •  この著者のエッセイは3冊目。いつも通り、サクッと読めて面白い。本文で少し書いていたが、著者の年齢は50才を超えているんだな。こういう文章を書くには年齢は関係ないということか。
     内容は1、2冊目と同じようなので、あまりレビューすることはない。でも、どんどん面白さが増しているような気もするのはなぜだろう。読んでいる私が著者の脳内にリンクしていっているのだろうか。次に本を出すのは、5年後とかだと思うので、待ち遠しいな。

  • もしかすると、この方とは気になるポイントが似ているのかもしれない。
    もちろん、こんなふうな膨らませ方はできないし、こんな表現力も私にはないけれど。

    気に入ったのは「おもなできごと」
    数行で、ん?と思わせる余韻を残し、テンポよく。
    こういう形式のをもう少し読みたかったかな。

  • ねにもつタイプがあまりに面白かったので、この本を手に入れました。
    なんだろう?とても面白い。電車の中でこみ上げる笑いを堪えるのに大変でした。
    私は岸本佐知子さんのファンになってしまいました。
    次は翻訳物を読んでみようと思います。

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著者プロフィール

翻訳家。訳書にリディア・デイヴィス『話の終わり』『ほとんど記憶のない女』、ミランダ・ジュライ『最初の悪い男』、スティーブン・ミルハウザー『エドウィン・マルハウス』、ジャネット・ウィンターソン『灯台守の話』、ジョージ・ソーンダーズ『短くて恐ろしいフィルの時代』など多数。編訳書に『変愛小説集』『楽しい夜』『居心地の悪い部屋』ほか、著書に『なんらかの事情』ほか。2007年、『ねにもつタイプ』で講談社エッセイ賞を受賞。

「2019年 『掃除婦のための手引き書 ルシア・ベルリン作品集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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