自由学校 (ちくま文庫 し 39-6)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480433541

感想・レビュー・書評

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  • 面白いけど長かった…
    叔父夫婦の関係が何気に良い

  • 読みながらしみじみ「獅子文六好きだなぁ」って思った。
    なんでもっと有名じゃないんだろう。
    教科書に漱石や太宰を載せるのもいいけど、獅子文六、載せませんか?

    内容について。
    序盤の五百助がぐうたらすぎて、また同性ということもあって、ずっと駒子贔屓で読んだ。だからちょっと結末にんん?って気持ちもなくはないんだけど、会話にも地の文にも楽しませてもらったので大満足。

  • 開巻早々、暢気者にして怠け者の夫・五百助に堪忍袋の緒が切れた妻・駒子さんは亭主を叩き出す。
    昭和25年、敗戦により戦前の価値観は暴落し、台頭する自由の風潮の下、駒子さんはあんな役立たずの夫に縛られることはないんじゃないかと、夫なき身辺に現れる男性に改めて目を向けてみたり、追い出された五百助は日頃の妻の一々を煩く思っていたところ、これ幸いと独り身の自由を謳歌して放浪してみたりする。二人それぞれに我が身の自由に思いを巡らせ、彷徨する訳なのだが…。
    皮肉と親しみを絶妙な塩梅で効かせて登場人物を描く筆致は流石という感じ。
    右往左往の結果さてどうなったかというと、何かを学んだようで人の心なんてままならないんだなあ、という付録が効いている。

  • ウイットに富んでいて軽い文章は読みやすいけど、夫婦間のやり取りはくすぐってはくれるが、もう新しいとは言えないかも。この夫婦喧嘩は現代ならモラルハラスメント問題に発展だ。

    自由になりたいとて仕事を辞めてしまったぐうたら夫を、あの当時(戦後5年1950年ころ)妻が夫に「出ていけ!」っていうのが新しかったので。

    むしろあの頃の風景や風俗情景を知るにはよい。わたしは小学3,4年ころだったから社会や周りのことはわかっていない。「戦後ってこんなふうだったのね」という感じで読んだが、それが興味深くなおかつおもしろかった。

  • 目に見えない夫婦の結び付きの強さがとても心温まる。男の刹那的な側面がこそばゆい、、

  • ざあます、と言う言葉だけが時代と異なるにせよ
    この本はまったく先進的で、大したものだと思うのだ。
    主人公ほか殿登場人物にも愛着はもてないのだが、確かに面白かった。
    獅子文六、昔々に読んだ悦ちゃんや娘と私も再読したほうが良い気がしてきた。

  • 数年前に御茶の水で湯島聖堂の崖を上から眺めて何かの縁を感じたのは、昔読んだこの「自由学校」の舞台だったからなんだ。66年前のやっと戦争から解放された日本が、まるで大病の快癒期のように前向きで約束された明るい未来に向かって誰もが進んで行く、そんな時代背景の中で、ぐうたら亭主としっかり女房が織りなすドタバタ劇。当時、同時に2社が映画化したほど売れた小説なんだって。映画も観てみたい!

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著者プロフィール

1893─1969年。横浜生まれ。小説家・劇作家・演出家。本名・岩田豊雄。慶應義塾大学文科予科中退。フランスで演劇理論を学び日本の演劇振興に尽力、岸田國士、久保田万太郎らと文学座を結成した。一方、庶民生活の日常をとらえウィットとユーモアに富んだ小説は人気を博し、昭和を代表する作家となる。『コーヒーと恋愛』『てんやわんや』『娘と私』『七時間半』『悦ちゃん』『自由学校』(以上、ちくま文庫)。『娘と私』はNHK連続テレビ小説の1作目となった。『ちんちん電車』『食味歳時記』などエッセイも多く残した。日本芸術院賞受賞、文化勲章受章。


「2017年 『バナナ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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